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寄稿連載 ◇ ホリーの123日間世界一周紀行 (第3回) ~東ヨーロッパ紀行~


市大生のみなさんこんにちは、ホリーです。こちらヨーロッパでは寒い日が続いていますが、日本ではどうでしょうか?旅はいよいよ折り返し地点に差し掛かろうとしています。

この記事は、掘井祐貴さん (商学部2007年入学) から寄稿していただきました。
彼は2011年10月1日から翌年1月31日まで、123日間かけて世界一周の旅に出ています。
全6回の連載を通して、日本では味わえない彼の海外見聞録を皆さまにお届けします。

過去の記事一覧
第1回 – 連載開始にあたって
第2回 – 東南アジア紀行
第3回 – 東ヨーロッパ紀行
第4回 – 西ヨーロッパ紀行
第5回 – アメリカ大陸編
第6回 – 世界一周を終えて~

おもてなしの概念とは?

インドからヨルダン経由で、トルコのイスタンブールまで飛行機でやってきました。トルコの第一印象は、「とても良い!」です。世間一般で言われているように、トルコ人は親日的です。日本人の僕を見るやいなや、「こんにちはー!」と話しかけてきます。もちろんただの客引きの場合もありますが、好奇心で話しかけてくるトルコ人も多いです。

ある日道を歩いていたとき、いつものようにトルコ人に話しかけられました。会話が弾み始めると、「うちのオフィスでお茶でも飲んでいかないか?」と誘われました。普段なら警戒するところですが、昼間で、人通りの多いところのオフィスだったので、ついていきました。案内されたのは豪華な応接間で、何人かのトルコ人とおしゃべりが始まります。「○○を観光したい」と言うと、あとで案内してくれるとのことでした。トルコ式チャイ (お茶) まで振舞われ、なぜ知らない人にそこまで親切にするのか聞いてみました。それは、トルコ人曰く、「おもてなしをするのはトルコ人の慣習だ」とのことでした。

全く知らない人でも家に誘って、お茶をご馳走する。トルコには日本では考えれないような「おもてなしの概念」が存在しているようです。


写真=好奇心で目が輝く子どもたち (筆者写す)

共産主義と資本主義の狭間で

さていよいよ東欧に突入、最初の地はブルガリアの首都ソフィアです。今までとは一気に雰囲気も変わり、おしゃれで垢抜けた街並みです。ソフィアは非常に静かで落ち着いています。悪い意味では賑やかさに欠けています。そこはバンコクやイスタンブールのように、観光客や地元民がワイワイしている雰囲気ではありません。ちょうど週末に行ったのですが、お店やレストランの中にもそれほど人がいませんでした。

街を歩いていて気になったのは、なんとなく共産主義の残り香がしたということです。無駄に大きい建物があったり、いたるところが工事中であったりです。そんな中にある、壁や電車に大きく書かれた落書きや、建物全体を覆うように描かれた広告などが、まるで共産主義時代の悲惨さを隠そうとしているかのように感じられました。

活気のある街とはいえませんが、それでも休日に道行く人たちは楽しそうに見えました。レストランで談笑している人たちも楽しそうです。日ごろの仕事疲れを癒し、休みの日を謳歌しているように見えました。どのような過去があろうとも、どのような価値観を持とうとも、日常の小さな「幸せ」を追い求めるのは、どこの国の人でも同じようです。


写真=少ないながらも人が集まるストリートショー (筆者写す)

アドリア海の二つの秘宝

イタリア半島とバルカン半島に挟まれた海は、アドリア海と呼ばれます。「紅の豚」のモデルとなったことでも有名ですよね (…いや、有名じゃないですね 笑)。

この沿岸部で、紹介したい街が二つあります。モンテネグロのコトルと、クロアチアのドブロブニクです。どちらも歴史の深い要塞都市で、片側が山、もう片側が海に面しています。コトルの海側はフィヨルドと呼ばれる複雑な入り江になっており、ドブロブニクの海側は一面に広がる青い海になっています。そしてなんといってもこの二つの街は、ありえないくらい美しいのです!中世を感じさせる街並み、石造りの建物や道路、山の上まで伸びる城壁…、まるで映画の中にいるように感じます。さらに僕が良いと思ったのは、実際に現地人が街の中に住んでいるという点です。この二都市では彼らがそこで生活していて、「観光客のために作られた」という印象を受けないのです。もちろん外国人向けのレストランや土産屋もありますが、うまく街の中に溶け込んでいて、これまた趣深い様相を呈しています。

日本ではそこまで商業化されていませんが、この二都市はとてもお勧めできます。パリ、ローマ、バルセロナなど華やかな名前が旅行会社のパンフレットの表紙をかざりますが、是非アドリア海に面する二つの秘宝都市も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。


写真=ドブロブニクの街並み (筆者写す)
(コトルの街並みは、僕のブログを参照するか、ググってください 笑)

「地球の歩き方」を持たない楽しさ

ご存知かと思いますが、地球の歩き方は非常に便利です。観光地の背景、お勧めのホテルやレストラン、目的地への行き方…、役に立つ情報が盛りだくさんです。しかし僕は敢えて、地球の歩き方などのガイドブックを持たない楽しさを知ってもらいたいです。

その理由は、「裸の自分で旅ができるから」です。「おいおいホリー、気持ち悪いこと言うなよ」なんて思わないでください 笑。普段日本で生活する僕たちは、「情報」という強い武器を持っています。情報が有力であるほど、世の中をうまく渡っていけます。しかしこれが旅となると、すいすいと難なくこなしていくよりも、試行錯誤し、毎回自分にとってベストな選択を考えるのが楽しいのです。例えば新しい土地へ移動するとき、自分で現地人に行き方を尋ね、自分で電車・バス乗り場で時間・料金を聞き、自分で街を歩いて良い条件の宿を見つける…。つまり自分の足で情報を掴み取るのです。非効率的ですが、「情報」という武器のない裸の状態で、どれだけ自分が前に進めるのかわかります。

だまされたり、うまく言いくるめられたり、遠回りに移動をしたり…。そのようにして旅を続けていると、自分がどれだけ「無力」で「無知」なのか気づかされます。と同時に、何度も知らない人にお世話になることもあります。紆余曲折するからこそ感じられる「人の優しさ」があります。

アジアや東欧では容易にこのようなスタイルで旅ができます (発展した西欧・北米では、情報がないと相当金銭的に損するので、バックパッカーにはキツいです)。もし長期旅行で時間があるのなら、地球の歩き方なしでこれらの地域を放浪してみるのはいかがでしょうか。

現在、ボスニア・ヘルツェゴビナまで来ています。この後ハンガリー、オーストリア、ドイツと、順調にヨーロッパ陸路横断を進めていく予定です。次は西ヨーロッパ編となります。それでは乞うご期待!

文責

掘井祐貴さん (商学部2007年入学)

筆者の個人サイト

ブログ「Stuff i Like ~Around The World~」
(http://torontooo.exblog.jp/)
Twitter「@Yuki_Holy」
(http://twitter.com/#!/Yuki_Holy)

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