大学生になり、学生食堂を初めて利用する新入生も多いかもしれない。
そこで、食堂を利用するメリットやより賢い利用方法を、大阪市立大学生協食堂チーフの岩佐進さんにお聞きした。
―食堂を利用するメリットは何ですか?
安さだけでなく、安心・安全を徹底しています。
食品添加物の自主基準を設け、賞味期限や消費期限切れのものは使いません。
例えば牛肉は、規制解除後も、安全性が確保されるまでアメリカ産のものを使わない、など産地にもこだわりがあります。
大阪・兵庫・京都の生協で共同仕入れすることで安価で提供することができます。
食堂のメニューは、ただ食べるだけではなく、家庭食の代行という役割を担っているので、学生の皆さんには是非利用してほしいですね。
―メニューはどうやって決めているのですか。
メニュー担当の者が月一回の会議と試食会で決めます。
生協のメニューは、学生の要望を幅広く聞き入れているのが特徴で、学生や内部の団体からメニューを募集しています。コンテストで選ばれたメニューやTFTのメニューなどがそうです。また、投書箱を設置しており、要望にはできる限り応じます。
大盛りにすると栄養が偏りやすいので、バランスの良い食事ができるよう、補食となる小鉢を多く揃えています。ただおなかをいっぱいにするのではない、学生の健康を考えたメニューです。
生協食堂のメニューでは、赤・黄・緑の栄養が表示されています。カロリー、塩分なども簡単に計算できるので、一般学生にも分かりやすくしています。
ただ、そういうメリットも知らない人が多いのではないかと思います。宣伝不足が大きいですね。
―ミールカードの効果について教えてください。
学生は、食費としてお金を渡してもらっても、お菓子を買ったり飲み会の費用に回したりしがちです。特に下宿生は、食費を安く済ませようとジャンクフードを食べたりします。
そのため、ミールカードはあえて食堂でしか利用できないというしばりをつけています。シェリー、プチシェリーでも使うことができません。
また、ミールカードで食べた履歴 (食事内容、食事時間) は報告書として親に送られます。ミールカードの記録は自分にも送ることができるので、自分の健康管理にも役立ちます。
ミールカードについての親のアンケートの評価は良いですね。
また、ミールカードを使うことでバランスよく食べられます。ミールカード利用者の利用額平均は420円で、ミールカードを使っていない学生よりも約80円高いです。つまり、小鉢一皿ほどを加えたバランスの良い食事を取っている人が多いことになります。
ミールカードを導入している大学では、朝食営業もしています。生協が親から出資金を預かっている責任があるので、朝食も提供します。
―今後の展望は。
メニューコンテストなどを開催し、学生にももっと積極的に参加してもらいたいですね。そのために、宣伝が課題だと思います。
市大生協のHPは、かなり力を入れているので是非活用してもらいたいです。食堂の情報だけではなく、大学生活に関する有益な情報も多いですよ。
※TFTメニュー…TABLE FOR TWOの仕組みを取り入れたメニュー。
メニュー価格に含まれている寄付金により、アフリカの子どもたちに給食が贈られる。
関連リンク
大阪市立大学生活協同組合ホームページ
http://osaka-cu.hanshin.coop/文責
長澤彩香(Hijicho)
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