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おもろい学生おりまっせ!◇第8回~生物部・前田有紀~


構内をキックボードで颯爽と移動する彼女を、目にしたことはないだろうか。今回の「おもがく」は、理学部生物学科2回生の前田有紀 (まえだ ゆき) さんに迫る。

前田有紀さん
写真=前田有紀さん

「おもろい学生おりまっせ!」は、大阪市立大学で活動している個性溢れる大学生を取り上げ、紹介していくコーナーです。「大阪市大に存在する興味深い学生の素顔に迫り、大学生同士の興味・関心を誘発させること」をコンセプトにしています。

生物が好き!

―今一番力を入れていることは?
生物部の活動ですね。生物部は2011年11月1日に立ち上げたサークルです。

透明骨格標本って知ってますか?動物の骨に着色し、肉を透明にすることで、生きているときの状態に近い状態で動物の骨格を観察できるというものなんです。ロマンを感じますよね!この標本は、すでに作り方が確立されており、論文などで発表されているのですが、高価な溶液や危険な薬品を使います。そこで生物部では、この透明骨格標本を、パイプユニッシュや食酢など身近にある材料で安価に作れないかということを研究しています。生物部の立ち上げ当初から取り組んでおり、試行錯誤を繰り返しながら毎日実験と観察を重ねています。

また現在は、JAXAが行っている、アズキの種子を宇宙に打ち上げる実験に協力しています。生物学科の曽我康一先生がもともとこの「アジアの種子」というJAXAのプロジェクトに関わっていたことから、生物部も一緒に研究させていただいています。具体的には、打ち上げたあとにアズキがきっちり生育するようにカビない条件と地上での対照実験を行うために成長を均一にするための条件の研究をしています。また、3月に、パラボリックフライト (航空機実験) という地上で無重力空間を作る前実験を行いました。これは、8月に種子島で打ち上げがあり、9月には学会発表が控えています。数億円がかかったプロジェクトなので、緊張していますが、とても楽しみです。この実験は、将来的に人間が火星など地球外に住むときに活きてきます。宇宙で植物を栽培できれば、地上での食料問題の解決などに結びつくと考えられています。

生物部の部員は現在25人ほど、生物学科のメンバーだけではなく文系の学生もいます。こういったプロジェクトへの参加や学会での発表などを通じて、実績を重ねて、後世に繋げていきたいですね。自然史博物館が行っている大和川の生態系調査なども、連携してやっていけたらと考えています。

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写真=生物部の活動の様子 (前田さん提供)

―他に力を入れていることはありますか?
あとはコミュニケーションですね。自分からいろいろなことに飛び込んでいます。教授にも直接メールでコンタクトを取ったりして、何かお手伝いできることがあれば呼んでもらえるようにお願いしています。

生物学科では、3回生になってから専門の実験が始まるので、1回生、2回生のうちは専門的な実験が出来ないんです。でも、せっかく大学に入ったのにそれではもったいない。自分でも何かやりたいと思うんです。

―休日の過ごし方は?
バイトですね。学費を賄うために、4つ掛け持ちしています。塾講師や家庭教師をやっているのですが、数学を教えるときにもつい生物の小ネタを挟んでしまいます。生徒からは引かれますが(笑)

―趣味は何ですか。
生物部が趣味ですね。生物関連のことが好きなので。あとは、釣りも趣味にしていきたいなあと思っています。また、この前は、自然史博物館のイベントのボランティアで知り合った外部の友人と一緒にご飯に行きました。そのときも生物トークばかりしているので、気持ち悪いと思いますよ(笑)

―20万円あったら何をする?
リアルに言うと、学費ですね!あと、生物部で使うための部屋を借りたいです。部室がないので…。貯金が出来ないタイプなので、すぐに使ってしまいます。

―大切だと思う感情は?
「楽しい」です。とにかく、楽しむことが重要だと思います。好奇心、興味を大事にしています。

-1回生の間で後悔はありますか?
学校の勉強をもうちょっとやっておけばよかったなあと思っています(笑) サークルとバイトと、あと趣味で論文を読んだりしていたら、一日24時間で足りなくて…。だから、これからは勉強も頑張っていきたいですね。アクティブに動くほうは、満足しています。

―あなたにとって生物とは?
「生きがい」です。自分の好奇心ですよね。例えばいち生物の人間だって、こうやって話して意思疎通できるのもすごくないですか?人間の行動で言うと、社会学、心理学、教育などにも興味があり、 少し齧っています。だいたいの、生きとし生けるもの、全部好きです!

―新入生にメッセージを。
大学生活、短い4年間ですが、楽しんでいきましょう!
楽しまなきゃ損です。

キックボード女子の真相

(前田)最後に一つ言わせてください!
―なんですか・・・?
「私は好んでキックボードに乗っているわけではないんです!」(笑)
実は去年の冬、念願の自転車を買ったんですが、すぐに盗難に遭ったんです。
そこで、お金がかからず移動が早くできるものは…と考えて、家に眠っているキックボードを思いつきました。これは使わないともったいない!と。
ただ、少数だとやはり目立つので、もっとキックボード人口が増えてほしいです。みんなでキックボードに乗ろうっていう布教活動をしています。
それと、私のキックボードはプラスチック製なので、段差などにとても弱いんです。ゴム製のタイヤに改良する技術をお持ちの方、大募集中です。(笑)

From editor

取材中、何度も彼女の口から出た、「楽しい」という単語。そして、言葉に負けないわくわくした表情。生物の面白さを彼女に語らせると止まらない。読者の皆さんは、今、やりたいことを全力でやれているだろうか。やりたいと思っても躊躇ってしまったり、引っ込み思案になってしまうこともあるかもしれない。そんな中、「やりたいならやればいい」と言うモットーを持ち、自らの興味をとことんまで探究する彼女は、限られた大学生としての時間を存分に活用しているように見えた。

大学生活は一般的には4年間、この自由な時間を謳歌できるのは人生で約5%のの中の限られた時間なのである。興味・関心の方向は人それぞれだが、自分から積極的に追究する姿勢を持つことで有意義な大学生活を送れるのではないかと、彼女のインタビューを通して感じた。キックボードでキャンパスを移動する彼女を見かけた際には、躊躇わずに声をかけてみてほしい。きっと、彼女のエネルギーを身を持って感じ、刺激を受けることができるはずだ。

関連リンク

大阪市立大学 プレスリリース 2012年2月28日
アジア地域の国際宇宙ステーション利用促進「アジアの種子2013」計画
http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2012/rjx1ru

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文責

長澤彩香 (Hijicho)


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