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オンライン授業、どう思う? 先生編③


オンライン授業が導入されてから約1年半。みなさんはどのような感想を持っているだろうか。

友達との交流が減って寂しい? 議論ができなくて不便? それとも自分のペースで進められて効率的?

この記事では、学生と先生それぞれ3名に話を聞き、オンライン授業のメリット・デメリットについて考える。

 今回も先生編。工学研究科の立花太郎先生にお話を伺った。

 

立花太郎先生(工学研究科)

取材日:5月28日

立花先生 プロフィール

大阪市立大学工学研究科教授。博士(医学)。主な研究分野は抗体医薬品や分子細胞生物学。

 

 ——先生が担当されている授業は、現在どのような形態で行っていますか。

 前期は学部と大学院の講義で1コマずつ、あと、学科教員全員で担当しているオムニバス形式の講義があります。すべて遠隔授業の発展形式で行っています。

 

 

 ——オンライン授業になって生活リズムに変化はありましたか。

 講義はオンラインですが、本学理系学部の研究室での研究活動は継続して行われています。4回生と大学院生はほぼ毎日研究室で実験をしています。そのため私たち教員も以前とほとんど変わりなく大学に来ています。ですから、生活リズムに特に変化はないですね。もちろん、研究室では新型コロナの感染防止対策を徹底して、研究活動を行っています。

 

 

 ——オンライン授業になって困ったことはありますか。

 オンライン授業が始まった当初はとにかく準備が大変でした。前もってセリフなどを吹き込んでおく講義動画を作る経験がなかったので、毎週のように締め切りに追われていました。

 

 ——では、オンライン授業になって良かったことはありますか。

 先ほどの続きになりますが、今年度は1年分の経験が積まれた状態だった上、昨年度分の資料をある程度利用することもできたので、かなり楽になりました。他には、私の講義はライブ、つまり生配信ではないので、学生さんの生の声が聞けないということに非常に戸惑いがありました。講義以外で良かった点は、会議を設定しやすくなったことです。大学の教員は会議が多いのですが、これまでは教員同士のスケジュールの都合もあり組みづらかったのがオンラインになったことで場所や時間の制約がなくなり、自由に組むことができるようになりました。

 

 ——対面と遠隔どちらの方が準備が大変ですか。

 先ほどの回答の通り、最初は遠隔授業の方が準備は大変でしたが、資料を一度作ってしまえばその後は同じ内容であれば使い回せます。また遠隔授業が始まって最初の1年間で動画編集のノウハウを積んだ今では、遠隔授業の方が準備については楽だと思います。

 

 ——オンライン授業で工夫していることはありますか。

 私は講義の際、余談やアドリブ、笑いを大事にしています。学生から話を聞くと、現在遠隔で行われている講義は余談のようなものが一切なく、講義の内容だけを解説するものが多いそうです。また大学からは、講義動画のファイル容量を軽くするために余談などをできるだけ入れないよう要請されているのですが、やはりそれだと講義が味気なく感じてしまう部分があったので…。実際そういった小話を数分間でも入れることで、学生たちから「腹を抱えて笑った」「その後の講義も集中して受けられた」といった感想もありました。ただ難しいのは、こういった小話はフレッシュさが大事なので過去の資料を参考にできないところですね(笑) また遠隔授業が持つ一方通行の特性上学生の表情が見えず、学生が自分の講義を理解できているのかがとても分かりづらいため、とにかく分かりやすい講義を作ることを心がけています。

 

 ——ひとつの講義動画を作るのにどれぐらいの時間をかけていますか?

 私はパワーポイントを使って講義動画を作っているのですが、画像や文字を入れたり等のスライドを作る作業は通常の講義で用いる資料作りと同様なので、既にほぼ素材がありました。動画に声を吹き込む作業は基本的に一発撮りだったので、大半は講義動画の長さ程度の時間で作成しています。

 

 ——仮にコロナ禍が落ち着いて授業形式を選択できるとしたら、対面と遠隔どちらを選びますか。

 どちらかと問われれば、もちろん対面です。ただ遠隔授業を完全にやめるわけではなく、例えば学生の復習用や、事情があって出席できなかった場合のために講義映像をアップロードしておくなど、両者をうまく組み合わせて活用できればと考えています。

 

  ——最後に学生にメッセージをお願いします。

 もともと自主的に行動することを求められる大学生ですが、このコロナ禍によってさらに自分を律しなければならない状況になっていて、とても大変だと思います。ですが学校に行かなくても良い分自由に使える時間は増えているので、映画や本、インターネットなど、媒体はなんでもよいので自分の興味を広げ、またいろんな分野に興味をもつためのきっかけを自分で作ってほしいです。それがきっと大学での学びにも返ってきます。

文責

大川隆明(Hijicho)


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