NPO法人Homedoorと大阪市住吉区が平成24年6月8日(金)、住吉区役所において、「HUBchari」事業の協働実施に向け、基本協定書を締結した。NPO法人Homedoorからは同法人の理事長を務める、大阪市立大学経済学部4回生の川口加奈さんが、住吉区役所からは高橋英樹区長が協定書の調印式に臨んだ。
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HUBchariとは、Homedoorが企画・実施している事業で、ポートと呼ばれる自転車の貸し出し拠点を大阪市内にいくつか設け、これらのどこででも自転車を借り、また返すことができるコミュニティサイクルシステムのことである。一般のコミュニティサイクル事業と違って、自転車管理や修理業務をホームレスや生活保護受給者に担ってもらうことで、雇用の場を創出するとともに、自転車の共有、有効活用を図ることで、将来的には放置自転車の減少も狙いとしていることがHUBchariの大きな特徴だ。
この協定書の締結により、住吉区役所がポートとなる場所の確保や本事業への参加を希望する生活保護受給者等の紹介、広報を行うことになる。HUBchariはホテル等の協力を得てポートを設けるなどして民間店舗への導入実績はあるものの、行政との協働はこの住吉区が初となる。
相乗効果に期待
調印式の中で高橋区長は、「HUBchari事業に参加することを通じて、生活保護を受けられている方がどんどん自信を持って社会に参画する気持ち、やりがい、そういったものを高めていって、そして就職されていく、自立されていくというのを、目指していきたい。そしてもうひとつ。実は地下鉄あびこ駅周辺には放置自転車が結構多いもんですから、このレンタサイクルを活用することで放置自転車を減らしたい」と、区としてHUBchari事業に参加することによる、生活保護受給者の自立支援並びに放置自転車の軽減への想いを語った。
また「住吉区は今はまだまだ東西の交通の悪いところですが、ゆくゆくは東西の交通を補完して、例えば住吉大社に来られたお客さんがHUBchariで自転車を借りて、あびこ観音に向かわれる、そういった観光のときのプラスにもしていきたい。」と、HUBchariによる観光業への波及効果に対しても期待を示した。
写真＝報道陣を前にして意見を交わす川口さん(右)と高橋区長(左)
きっかけは“わいおしゃ”
川口さんとの出会いについて、高橋区長は「わいわいおしゃべりラウンドテーブル (通称：わいおしゃ) というものを月に一度定期的に開いているのですが、去年の7月にそこへ川口さんが参加してくれたのが最初のきっかけですね。」と話す。
「わいおしゃ」とは市大生を含め、住吉に関わりのある人々や住吉区役所の職員などが集まり、文字通り「わいわいおしゃべり」するイベントで、これまでにも長居バルの開催や「住吉のうた」の製作など様々な企画を生んでいる。Hijichoもプロバスケットボールチーム大阪エヴェッサとのコラボや、住吉区にまつわる地誌「すみよし探歩」もここを通じたつながりによって実現した。
住吉区を皮切りに大阪市全区へ
川口さんは行政と協働を進めるに当たって、住吉区を最初に選んだ理由について「私自身が通う大阪市立大学が住吉区に位置していることから、自分にとって1番身近な所からHUBchariを設置したいと思いました。それに加えて高橋区長が柔軟な考えの持ち主で、積極的に新しいことに取り組む方であったことも、こうして協定書を締結するに至った要因なのだと思います。」と話す。
HUBchariの行政とのタッグはこれが初めてとなるが、川口さんは住吉区との協働を皮切りに「今後は住吉区をロールモデルにして、他の区にも広がって大阪市全区でHUBchariを実施できるようにしていきたいです。」と他地域への進出にも意欲を見せた。
写真＝協定書を交わす二人
—Homedoorからの告知—
HUBchariを住吉区で導入するにあたり、大阪市立大学生の運営メンバーを募集しています。住吉区と協働で今年8月から来年3月まで、HUBchari実証実験を行います。市立大学のある住吉区で、普段関わりを持つことが少ない行政と一緒にプロジェクトを行う機会を提供します。この機会を逃すと一生出来ない経験を、この夏、体験してみませんか。詳細はこちら
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徳永一雄 (Hijicho)
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