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「大学祭を楽しく」 温故知新 旧市大新聞を訪ねて vol.6


Hijicho大阪市立大学新聞が誕生する60年以上前から発行されていた「市大新聞」の掲載記事をHijichoの手で復活させていくこのコーナー。

銀杏祭もいよいよとなり、学内のそこかしこで準備に追われる姿がみられる今日この頃。そこで今回は、1955年10月25日発行の「市大新聞 第71号」から「大学祭を楽しく」を取り上げる。

※ 斜体文字が旧市大新聞からの引用。掲載にあたり、一部修正や注釈を加えてある。

十一月一日から一週間、例年のように大学祭が催されることになっている。すでに文化・体育各関係者によって着々と準備は進められているし、プログラムも決定している。ここで、今年の大学祭をより楽しい、より明るいものにするために、昨年までの大学祭の反省をしてみると、必ずしも成功だったとはいえない。一部の人々は、非常に熱心に大学祭のために情熱をかたむけ、青春を楽しんだにもかかわらず、一方では、単に体育の単位かせぎに体育祭に出るのみであったり、たまの休暇を幸いに家でのんびり暮した学生も少なくなかった。無関心組というわけである。学生の参加が少なかったのと共に市民の人々も余り集らなかった。参加者の数の多少だけで大学祭の内容を云々することはできないけれども、果たしてこの原因は何処にあったのだろうか。

大学祭というものに対する学生の先入観、どうせ大したことはないのだという気持ちが多くの学生の頭の中にあったからではなかろうか。さらに、市立大学というものに対する一般市民の人々の先入観、一つには、市立大学というと直ぐ政治的なことが頭に来て敬遠する気持ち、一つには、市立大学には私学と違って華やかさというか魅力的な所がないという気持ち、こんな先入観があったのではなかろうか。

大学祭のあり方、意義というものは別にむずかしく考える必要はないだろう。青春のひとときを楽しく健康に過す、これでよいのである。ところが、昨年までの、大学祭には誰でも参加できる仕組が足りなかった。どのサークル活動にも参加していない学生は、ただ眺めるだけに終わりがちだったのだ。だが今年は、野外ステージでの楽しい催しが計画されている。このことは非常に大きな進歩だと思う。誰でも参加できるのど自慢、クイズ、どんどん飛び入りしてハメをはずそうではないか。(中略)

市民のわれわれに対する先入観があることは確かだが、これを放っておいてよいはずはない。校舎返還の影の力だった市民のみなさんに、アメリカ兵のいなくなったわれらの杉本町校舎を見てもらいわれわれと共に大学祭を楽しんでもらおう。そのために、あらゆる人々に大学祭を正しく宣伝しよう、両親に、兄弟に、恋人に、隣りのおばさんに、他の大学の友人に、われわれの大学祭に来てもらうように努めよう。

最後に大学祭を実際に運営される人々に一つお願いすることは、運営をうまくやって欲しいということと、特に時間の点で充分気をつけてほしいということである。これは当たり前のようであって、しかしなかなか守られないことだ、昨年も、時間が守られなかったために、演劇が一つ中止になってしまった。こんなことでは折角の楽しい計画もフイになるばかりか大学祭に対する信用を落としてしまう恐れがある。充分注意して頂きたいと思う。

 

大学祭に参加すること

この記事は約60年前の大学祭について論じたものだ。60年前の銀杏祭は学生の参加が少なかったという文があった。現在でも、市大生の銀杏祭への参画は限定された学生なのではないだろうか。学生の参画人数には変動があるに違いないが、参画する学生のタイプには制限がありそうだ。サークルに所属していない学生は銀杏祭に参加しにくい。これといった所属の無い学生は銀杏祭を十分に楽しめることができるのか。

これを解決するためには2つのアプローチが考えられる。1つは、銀杏祭のコンテンツをより個人レベルでも参加できるものにしていくこと。大学祭実行委員会のこれからに大いに期待したい。もう1つは、せっかく大阪市立大学には部活・サークルをはじめとするコミュニティーが数多くあるのだから、それに積極的に参画することだ。

大学祭を楽しむための自分の居場所づくり

銀杏祭を最高に楽しむには、やはり客としてだけでなく、お店や出し物を出す側としても参加することが望ましい。学園祭という行事に、ただ受け身な姿勢で臨むのではなく、店や出し物をすることで積極的に関わっていくのである。仲間とともに何度も話し合い、時間をかけて準備し、協力しあい、成功させる。そうやってお客さんに喜んでもらうことは、手間がかかるかもしれないが、学園生活において、非常に充実した時間となるだろう。なかなか得ることのできない経験だ。

しかしながら、大学祭というのは、なんらかのコミュニティに所属していなければ、参加側に回ることは難しいかもしれない。「自分が興味のある活動をしているサークルが大学内にない」、もしくは、「サークルの雰囲気が合わずに辞めてしまった」そういった理由でどこにも参加していない人もいるだろう。そもそも、大学内に友人がほとんどいないと言う人もいるはずだ。そういった人たちにとって、大学祭は受動的なものであり、つまらなく、体のいい連休としか思えないのかもしれない。

学祭に積極的に関わるにはグループを作ることが必要だ。普段は一人で行動している人も、所属する学科や研究室でお店を出してみたり、友達同士で出し物をしてみたりといった、銀杏祭のためだけの、ひとつのコミュニティを作ってみてはどうだろう。当然のことだが、大学祭は大学在学中にしか参加できない行事である。特別な時には普段と違う環境に身をおいてみるのも、悪くはない。

Hijichoからのお知らせ

Hijichoでは模擬店紹介マップを作成し、配布予定である。銀杏祭をより楽しむために活用してほしい。またHijichoでは模擬店でスープカレーをフランスパン付きで販売している。付け合わせとしてゆで卵も用意している。日本酒とチャンジャも販売しているのでぜひお立ち寄りを! (田中優衣)

関連リンク先

第62回銀杏祭HP (http://ginnansai.jp/index.html)
大阪市立大学大学祭実行委員会Twitter:@ginnan_staff (https://twitter.com/ginnan_staff)

文責

田中優衣 (Hijicho)
小川洋平 (Hijicho)


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