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温故知新 旧市大新聞を訪ねて vol.9 ~昔の市大生の実態に迫る~


Hijicho大阪市立大学新聞が誕生する60年以上前から発行されていた「市大新聞」の掲載記事をHijichoの手で復活させていくこのコーナー。今回は、1972年 (昭和52年) 6月10日に発行された「市大新聞」第411号より「学生生活についてのアンケートの結果報告」についての記事を取り上げる。

このアンケートは大学学生部が行ったもので、市大生の生活状態、学習状態などを問う、43の質問が設定され、当時の市大生の中から任意抽出によってなされたという。今の市大生と比べて当時の市大生はどのような学生生活を送っていたのか、生の声を聞いてみよう。

※以下当時の市大新聞からの引用 なお掲載にあたり、一部修正や注釈を加えてある。

<課外活動について>

クラブ・サークルの加入率は第一部で56.4%もあるが、第二部は27.5%で、第一部の半分程度しかない。また加入しているクラブ・サークルの種類としては、第一部の場合には「文化系」17.5%、「音楽系」が11.0%、「体育会系」29.2%で「体育会系」が最も多いが、第二部では「文化系」と「体育会系」が12.9パーセントで同率になっており「音楽系」のみ3.0%とやや少ない。現在「入っていない」もののクラブ・サークルの経験をみると「途中でやめた」としたものは第一部で26.1%、第二部で21.5%あり、したがってクラブ・サークルに「はじめから入らなかった」ものは第一部では16.7%、第二部では50.6%もあることになる。

クラブ・サークルへの加入の理由だが、これは「自分がやりたかったから」としたものが多く、第一部の59.9%、第二部の56.2%を占めているが、第一部では「友人がほしかったから」と「身体を鍛えたいと思ったから」が各26.5%で続き、「余暇利用のため」22.7%、「団体生活がしたかったから」16.5%が続く。次にクラブやサークルに入ることによって得たものを聞いた結果は全員が色々なことを挙げているが「教室では得られぬ人間的な交わりをえた」としたものが最も多く、第一部で73.5%、第2部で75.0%が挙げている。「貴重な友人を得ることができた」が第一部で46.5%、第二部で46.9%で二位となっているが、「正課では得られぬ知識や技術をえた」としたものも多かった。

<出席状況>

出席状況についての結果を見ると、「常に出席している」としたものは第一部で9.8%、第二部で9.9%に過ぎず、「かなり出席」もそれぞれ42.9%、42.5パーセントで両者合わせても第一部で52.7%、第二部で52.4%でようやく半数を超えているにとどまる。そして「ほとんど出席しない」としたものが第一部で10.8%、第二部14.6%で、第一部の35.8%第二部の31.3%が「あまり出席していない」としているのである。文系理系によって比較して見ると文系に問題があるようだ。男女で比べると全体としての出席率は第一部、二部を問わず女のほうがよい。居住実態による比較は出席率のよい順に親戚・知人宅に住む学生、自宅に住む学生、アパート・下宿生となっており、アパート・下宿生の27.8%が出席していないと答えている。

以上のごとく、出席状況そのものはひどく悪いといってよい。ちなみに出席しない理由としては「授業がつまらない」「朝寝坊をしてしまう」が多数によってあげられており、「クラブ・サークル活動に忙しい」「アルバイトで時間がない」よりも多くなっていることが注意を引く。

また休講などで空いた時間が生じた場合、普段どうしているのかという質問には第一部の場合最も多いのは、「図書館に行く」の37.6%であり、「クラブなどの部室へ行く」が33.0%、「喫茶店に行く」が26.0%がつづき、その後、「食堂、ロビーへ行く」「家に帰ってしまう」「麻雀屋へ行く」の順になっている。

<入学後の意識>

大学に入学した目的をきいた結果を見てみると、最も多くのものが挙げているのが「専門的な学問、知識を修復するため」で51.5%、続いて「青年時代を楽しく過ごすため」13.0%、「教養を高めるため」12.9%、「将来よい職に就くため」12.2%と続いている。

次に、大学に入ってから感じたことについての結果を見ると、第一部では「現実の大学に対しての失望」46.6%、「一般教養の実践についての疑問」44.7% と感じたものが多く、「大学での生活をどのように設計したらよいかの不安」30.6%「大学教育をどのように受けとめたらよいかという当惑」30.0%および「対人関係の不調和などによる孤独感、疎外感」28.1%などが続いている。

旧「市大新聞」のバックナンバーは全て、学術情報センター内6階の大学史資料室で閲覧することができる。また、資料室では、「市大新聞」だけでなく、学内で発行された様々な冊子や市大とその前身となる大学・専門学校の歴史資料等を保管しており、所蔵資料は閲覧、複写、および撮影することが可能である (ただし室長の許可が必要)。

大阪市立大学大学史資料室

所在場所 大学内、学術情報総合センター6階
開室時間 9:30~12:00、12:45~16:00 (受け付けは15時30分まで)
休室日 毎週土曜・日曜、祝日、年末年始
Tel:06-6605-3371
E‐mail:archives@ado.osaka-cu.ac.jp
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/academics/institution/archives

文責

町田和紀 (Hijicho)


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