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特集連載 ◇ ブラック企業によろしく (第3回) 〜就職先がブラック企業だったら〜


SOSから始めよう

ここまで様々な方法を見てきたが、実際に自分がやるのはかなりハードルが高い。したがって、何かあったときは、まずは専門家に相談することをお勧めする。相談の際には、どこがどのように問題であるかを把握する必要はない。自分が「なんとなくおかしい」と思えば相談に行った方がいい。

例えば、あなたは体調が悪くなった時に病院に行くだろう。その際に、医者に「体のここの部分がこのようにおかしいのでこういう処置をしてください」という具合に、事細かに症状を説明しないだろう。「なんとなく体がダルいんです」と言えば、あとは医者の仕事だ。

労働相談の場合も同じである。自分が「なんとなくおかしい」と思えば、それは法的にも問題である場合がほとんどだ。感覚的に「おかしい」と思えばすぐに専門家に相談しよう。「NO」は言えなくとも、せめて「SOS」は発信できるようになろう。

参考までに、相談窓口の一覧を掲載しておく。

相談窓口一覧

行政機関・弁護士

▼労働基準監督署 (http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html)
管轄は労働者の住所ではなく、職場の住所で決まる。

▼労働局 (http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/pref.html)

▼日本労働弁護団 (http://roudou-bengodan.org/)
無料で相談を受け付けている弁護士団体。
Tel:03-3251-5363、03-3251-5364

過労死110番 (http://karoshi.jp)
弁護士や医師らが相談に乗ってくれる。
Tel:03-3813-6999
Fax:03-3813-6902

▼法テラス (http://www.houterasu.or.jp/index.html)
相談窓口がわからないときの総合案内所。
Tel:0570-078374

ユニオン (労働組合)

▼コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク (https://sites.google.com/site/cunnet)
全国に相談窓口を持っているユニオン。全国の都道府県のユニオンを一覧で見ることができる。
Tel:03-3638-3369
Fax:03-5626-2423

▼首都圏青年ユニオン (http://www.seinen-u.org)
1人で加入できる、若者のためのユニオン。
Tel:03-5395-5359
Fax:03-5395-5139
E-mail:union@seinen-u.org
Twitter:@union_at_seinen (http://twitter.com/union_at_seinen)

▼女性ユニオン東京 (http://www.f8.dion.ne.jp/~wtutokyo)
女性のためのユニオン。
Tel:03-5491-5450
E-mail:wtutokyo@f8.dion.ne.jp
Twitter:@wtutokyo (https://twitter.com/wtutokyo)

▼関西非正規労働組合 ユニオンぼちぼち (http://rootless.org/botiboti/main.htm)
パートやアルバイトなどの非正規労働者のためのユニオン。京都と大阪に事務所あり。
Tel:075-681-6904
Fax:075-681-6940

NPO法人

▼NPO法人労働相談センター (http://www.rodosodan.org)
全国で相談を受け付けているNPO。
Tel:03-3604-1294
Fax:03-3690-1154
E-mail:consult@rodosodan.org

▼NPO法人POSSE (http://www.npoposse.jp)
20〜30代の若者が中心となって活動するNPO。京都にも支部あり。
Tel:03-6699-9359
Fax:03-6699-9374
E-mail:soudan@npoposse.jp

▼NPO法人もやい (http://www.moyai.net)
生活保障に関する相談を中心に受け付けているNPO。
Tel:03-3266-5744
Fax:03-3266-5748
E-mail:info@moyai.net

(今野晴貴・川村遼平著『ブラック企業に負けない』を基に一部加筆・修正)

終わりに

ブラック企業とは単に労働条件が悪いという類いのものではなく、人間を破壊するという意味で犯罪的であり、実際に犯罪そのものだ。

労働者を使い捨てるような働かせ方は、短期的には利益が出るかも知れない。すると、しっかり法律を守っている企業が違法な働かせ方をさせている企業に市場で負けていく。企業は生き残りをかけてますますブラックにならざるを得なくなるという悪循環が起こってしまう。労働者が使い捨てられれば医療費の増大や少子化を招くことにもなる。

ともあれ、読者の皆さんには一企業に人生を破壊されないでほしいし、この記事がその一助になれば幸いである。

前ページ 就職先がブラック企業だったら

(おわり)

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関連記事

ブラック企業によろしく (第1回) 〜ブラック企業問題とは〜 (http://hijicho.com/?p=9146)
ブラック企業によろしく (第2回) 〜就活におけるブラック企業問題〜 (http://hijicho.com/?p=9400)

参考文献 (1〜3回)

今野晴貴・川村遼平著, 2011年,『ブラック企業に負けない』, 旬報社
今野晴貴著, 2009年,『マジで使える労働法―賢く働くためのサバイバル術』, イースト・プレス
今野晴貴著, 2012年,『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』,文春新書
NPO法人POSSE著, 2011年,『新世代のための雇用問題総合誌POSSE』vol.10, 合同出版
蟹沢孝夫著, 2010年,『ブラック企業、世にはばかる』, 光文社新書
笹山尚人著, 2012年,『それ、パワハラです 何がアウトで、何がセーフか』, 光文社新書
熊沢誠, 2007年,『格差社会ニッポンで働くということ 雇用と労働のゆくえをみつめて』, 岩波書店
石井まこと・兵藤敦史・鬼丸朋子編著, 2010年,『現代労働問題分析 労働社会の未来を開くために』, 法律文化社
日本弁護士連合会編, 2009年,『労働と貧困 拡大するワーキングプア』, あけび書房
基礎経済科学研究所編, 2008年,『時代はまるで資本論―貧困と発達を問う全10講』, 昭和堂
労働政策研究・研修機構編, 2012年,『日本の雇用終了―労働局あっせん事例から』, 労働政策研究・研修機構
大内伸哉著, 2012年,『最新重要判例200 労働法』第2版, 弘文堂

文責

近藤龍志 (Hijicho)

(※表紙の写真は毎日新聞と東京新聞の一部を引用して作成)


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コメント

    • アピさん
    • 2014年 7月 10日

    始めまして。
    私は2年前になるんですけど、毎月80〜100時間に、及ぶ残業。そして、上司によるパワハラにより、うつ病と診断されました。
    会社側もパワハラを認めました。
    私の部署は数年前に現場で首吊り自殺があり、私は当時と同じ環境下の中で仕事をしていました。
    しかし、傷病手当の申請を行う際に、
    傷病を受ける理由で、個人によるものか、第三者によるものか?と言う問いに、人事に質問したところ、第三者にすると労災扱いになり、なかなか申請が通らず、時間もお金もかかるので、個人にして欲しい。と・・・
    お金が入らないのは生活に支障がでるので、個人にマルをしたんです。

    その後、半年間休職しましたが、復帰しても1年後には自殺未遂をし、会社から入院を勧められ、二ヶ月入院し、現在はまた復帰しています。

    通院と薬と残業で、また身体がボロボロです。

    • 泣き寝入り
    • 2014年 6月 14日

    労働局に相談してもダメでした。

    • 全国一般労働組合東京南部
    • 2013年 1月 29日

    はじめまして。私たちは一人でも誰でも加入できる労働組合、全国一般労働組合東京南部と言います。私たちの支部にウェザーニューズ労働組合があります。このページにも載っている同僚の過労自殺をきっかけに組合をつくりました。二度と過労自殺を出さない、日本人も外国人も安心して働ける職場にしようという労働組合に対し、ウェザーニューズは組合の委員長を解雇し、書記長に大幅な減給、組合員の隔離就労など、悪質な組合つぶしをしています。http://nugwnambu.org/?page_id=433
    私たち労働組合の目的は雇用保障と職場改善です。「天気は24時間眠らない」から「私たちも眠らない」などと言い、従業員に超長時間労働を強いる会社で、声を上げることはとても大変ですが、組合は解雇裁判を闘いながら、会社の組合つぶしの不当労働行為を労働委員会に訴えて闘っています。
    みなさんのこのページがとてもよくまとまっているので、私たちのサイトにもリンクを貼らせてください。
    ブラック企業に入ってしまったら、あきらめずに、労働組合で闘ってほしいです。

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