HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

陰口、飲酒の強要、ハラスメント… ブラックサークル体験記


 多くの新入生は、「大学生に入ったらサークルや部活動に入り、楽しい学生生活を送りたい」と思っているだろう。実際、サークルや部活動に所属し、充実した日々を送っている大学生は多い。しかし、中には新歓期に自分に合わないサークルや部活動に入ってしまい、幽霊部員になる人や退部する人が少なくないのも事実だ。

 筆者は今、大阪市立大学新聞 Hijichoに所属し、こうして新聞を書いているが、1年生の頃からHijichoに所属していたわけではない。最初は別の団体に所属していたが、その団体を辞め、その後Hijichoに入部した。

 もちろん今、Hijichoでの活動を楽しんでいるが、新歓期に自分に合わないサークルを選んでしまったことに対しては大きく後悔している。私は新入生の皆さんに、私と同じ思いをしてほしくない。そこで、私の体験談をもとに、新歓期に注意すべきことと、途中入部について解説する。

何も考えずに迎えた新歓期……都合の悪いことは隠され騙される

 前期試験で合格した私は、大学ではサークルにも部活動にも入る気はなく、何も考えずに合格手続きに向かった。そこで待ち受けていたのは、大量のサークルや部活動の勧誘であった。手続きを終えると、新歓ブースに行かずに帰ることはできない空気……。仕方なくいろいろなサークルや部活動のブースで話を聞いた。

 そんな中、とあるサークルの勧誘を受け、話を聞かされた。聞くところ、活動は平日1回と土曜日1回のようだ。家から学校が遠い私にとって、週2回の活動は時間的制約も小さく、魅力的であった。また、活動費もそこまで高くなかった。大学生になったら課外活動にかかるお金は、アルバイトで稼いだお金で賄うように親から言われていた私にとって良心的だった。「サークルだから休んでもいいよ、来たいときに来たらいいから」とも言われ、緩い雰囲気で自分にも合いそうだと感じた。もちろん活動内容も私にとって楽しそうな内容だった。

 そのサークルの虜になってしまった私は、ほかのサークルや部活動の新歓にはほとんど参加することなく、4月半ばに早々と入部を決めてしまった。それがのちのち後悔することになるとはつゆ知らず……。

最初は楽しみにしていた活動。新歓期の化けの皮はすぐに剥がれた

 ある日、サークルの先輩から「この日の練習後は空けておくように」と言われた。約束通りその日を空け、当日を迎えた。そこで待ち受けていたのは、粗相を懺悔するためにビールを飲む行事であった。そこでは、飲酒の強要が平然と行われていた。一回に瓶ビール(中瓶)1本分を一気飲みさせられたこともあった。これを何回もさせられていた。先輩でもアルコールに弱い方は、急激な飲酒のために吐いていた。

 また最初活動は週2回と言われていたが、いざ蓋を開けてみれば、別の大学との合同練習があり、週3~4回練習があった。想定していた以上の活動量であったため、休みたいと先輩に連絡すると、「あいつはやる気がない」と陰口を叩かれた。

 さらに、活動費に関しても、実際は活動費以外でお金を支払わなければならない機会が多々あった。特に合宿に関しては年2回で合計8万5000円と高額だったにもかかわらず、合宿でも練習がだらだらと行われていたことに加え、罰ゲームとして火傷を伴いかねない身体的ハラスメントも多々受けたり、それを行うように強要されたりした(もちろんそのサークルの人たちは、そのハラスメント的な罰ゲームを楽しんでいた)。

 サークル内の人間関係も、どちらかと言えば自分と相性の良くない人が多く、余計な気を遣って過ごしていた。それゆえ、サークル内で素の自分を出すことができず、苦痛だった。面白いことが言えたりできたりしないと、サークル内で不要な存在のように扱われ、次第に「自分はこのサークルから必要とされていない」と感じるようになってきた。

 また、これはサークルだけが理由ではないが、夜遅くなることも多く、授業(特に1限)に欠席することが増え、1学期に合計6単位の必修科目の単位を落としたこともあった。

ブラックサークルからの脱却、Hijichoの門を叩く

 私は次第に、先述したような異質な雰囲気に耐えることができなくなった。また、「このサークルに入って活動に参加するのは、お金と時間の無駄だ」と感じ出した。結局私はそのサークルを辞めた。サークルを辞め、貯めても多額の活動費で消えてしまっていたアルバイト代がどんどん貯まっていったのをよく覚えている。お金が貯まって、自分の趣味にも十分にお金を費やすことができるようになり、うれしかった。単位もサークルを辞めてからはほとんど落とすことが無くなっただけでなく、成績もAやAAの数が増え、Cがほとんどなくなった。

 一方、学校生活は安定したものであったが、徐々にマンネリ化してきた。そんなとき、Hijichoの「途中入部歓迎」と書かれた新歓の告知を見つけた。周りの友達に秋新歓に行くことを告げると、サークルに打ち解けられなかった私を気遣い、「お前は人見知りだから、すでにできたコミュニティの中に入っていくのは無理だと思う。(途中入部は)やめておいたほうがいい」と言われ、ためらうこともあった。しかし勇気を振り絞ってHijichoの新歓に参加。その後編集会議を何回も見学し、最終的にHijichoに入部した。

途中入部が学生生活を変えた

 Hijicho入部後、最初は打ち解けられるか不安で仕方なかった。しかし、Hijichoは途中入部者の多い団体で、途中入部でも自然と打ち解けられた。飲酒の強要は一切なく、活動費も年間3000円、合宿費も年2回で合計2万円ほど、活動日は週に1回と、時間的、経済的制約が非常に小さかった。また、雰囲気も私にとって非常に合うもので、面白いことを言えなくても、皆が素の私を受け入れてくれた。人間関係の幅も広がり、新しい価値観を持つ人たちと関わることで勉強になることも多くなった。

 Hijichoでは、銀杏祭やお楽しみ企画の幹事や、新入生特別号やオープンキャンパス特別号のプロジェクトメンバーを務め、充実した日々を過ごしている。まさか途中入部の私がここまで打ち解けられるとは、私にも想定外だった。

 以上の私の体験談から、新入生の皆さんに何点かアドバイスをする。

新歓でのサークルの雰囲気は「作られた」ものであること留意しよう

 多くの団体が「多くの新入生に入部してもらいたい」と考えている。それゆえ、新歓に不都合な情報や、新入生が引いてしまうような団体内の悪しき風習は、新歓期には隠されている。活動費や活動日数などは入りたい団体の先輩に聞いたら教えてもらえるかもしれないので、聞いてみるべきだ。練習場所や演奏会のホールを借りるためのお金や、用具を購入するためのお金が別途必要な団体は多い。悪しき風習は、入りたい団体と別の団体の人に聞いてみたら教えてもらえるかもしれない。特に飲酒は、未成年であっても関係なく強要される団体もあるため、注意が必要だ。実際、全国の大学で急性アルコール中毒で死亡する人が後を絶たない。自分のペースで飲酒しても何も言われない飲み会や、お酒に弱い人には飲酒を強要しない飲み会を行っている団体を探すことを推奨する。

 また、費用に関して、多額の活動費を親から小遣いとして貰う学生もいるが、親から貰ったお金で「人に飲ませる、飲まされる」ような行為を行うのであれば、それは親不孝な行為ではないだろうか。

自分に本当に合うサークルを自分の力で探そう

 新歓ブースにおける新歓活動は、人数の多い団体が有利である。人数の少ない団体のブースには自ら足を運ばなければならないことが多い。そこで、人数や新歓の活気などに関係なく、ぜひとも自分の力で本当に自分に合ったサークルを探してもらいたい。Hijichoが発行する新入生特別号『レモンライス』や本学ウェブサイトの「クラブ・サークル一覧」などで探すのがおすすめである。少しでも気になるサークルがあれば、ためらわずに新歓に行こう。今ためらうと、それが後々の後悔につながりかねない。

途中入部があなたの学生生活を変えるかも……?

 私が今楽しい学生生活を送れているのは、途中入部したからだ。

 途中入部は、すでにできた人間関係の中に入っていかなければならないため、ためらってしまうかもしれない。しかしHijichoを含め、上回生の入部を歓迎している団体は意外に多い。レモンライスのサークル・部活動紹介では、途中入部の可否についても掲載している。サークルや部活動を辞めて時間に余裕のできた上回生も、気軽に新歓に参加してみてはどうだろうか。

用語解説

 粗相 不注意や軽率さから過ちを起こすこと。

 銀杏祭 例年11月上旬に本学で行われる大学祭。サークルや部活動による模擬店の出店、音楽系サークルによる演奏、文化系サークルによる展示などが行われる。

関連記事

 新歓で後悔しないには 失敗しないコツ、先輩が教えます(3月7日閲覧)

 飲みたくないなら飲まなくて良い! お酒を断る処世術(3月7日閲覧)

(注)この記事は、新入生が新歓期に、私のように自分に合わないサークルや部活動を選んでほしくないとの思いから執筆したもので、決して特定の団体を批判する意図のものではありません。
 また、記事中の団体が特定されるのを防ぐため、文責名は明記しません。


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る