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飲みたくないなら飲まなくて良い! お酒を断る処世術


春、それは出会いと別れの季節である。学生の誰もが最も身近にこれを感じるのは、やはり卒業と入学であろう。級友との涙の別れを経て、次の天地へと赴き、新たな友と出会う。そんな新年度の出会いと別れというのは、おそらく誰もが経験してきた節目だと思う。そして新入生のみなさんは、当事者として今、その節目に立っている。入学おめでとう、ようこそ市大へ。

さて、そんな季節につきものなのは、やはり酒宴の席だと言える。とどのつまりが「飲み会」である。特に大学生は、「誰かを送り出す」「誰かを迎え入れる」となると、それを口実に飲み会を開くものである。おおよそは自分が飲むため、そして場を共にする仲間と楽しい時間を共有することが目的である。そのためなら、理由は何でも良いのだ。
しかし、ここできちんと思い出して欲しい。日本では法律によって「お酒が飲めるのは20歳から」と定められている。それまで飲んではならないのだ。特に新入生の大半と在学生の一部には法律上、飲酒が認められていないということになる。
もちろん10代に飲酒をすすめることなどあってはならない。しかし飲む側にも、自制の心と毅然と断る態度が求められる。これは当然のことである。新入生のためにあえて言えば、大学は高校までと違い、叱ってくれる先生はもういない。一人暮らしの学生にいたっては親の目すら届かない自由な生活となる。だからこそ、自分の身は自分で守ることが必要になってくる。「善意で酒をすすめる者ばかりではない」ということを、ここではっきりと断言しておきたい。

「言われんでも分かっとるわ。けど、付き合いってものがあるやないか」とおっしゃる方もいるだろう。大学という場であれば「先輩にすすめられたお酒を断れない」という意見にも大いに合点がいく。右も左も分からない大学生活のスタートにおいて、「場の空気を読まずに不和を生むのでは?」という恐怖を抱くのも当然であろう。それに、「大学生ってこういうもんだよ」と言われてしまえば、出されたお酒をついつい飲んでしまう。安易に想像のつく流れである。

では、どのようにお酒を断れば良いのだろうか。
以下にいくつか用例を挙げてみたので、読者の皆さんはぜひ参考にしていただきたい。

(1) 真っ先にソフトドリンクの有無を聞く

例:「ノンアルコールってありますか?」
これは、飲み会の場に座ったあなたが、速攻をしかけて相手を牽制する方法である。お酒をつがれる、あるいは頼まれる前までに、「ノンアルあります?」「ソフトドリンクのページ見せてもらっていいですか?」と周囲に聞こえる声でアピールすることが重要である。そうすると、善意の人たちは「あっ、飲まないんだな」「弱いのかな?」などと、お酒をすすめる手を緩めてくれる。また、何者かがしつこく迫った時に「その子は飲めんのやろ」と守ってくれる人が現れる可能性もある。
しかしこの方法だけでは「えー、飲まないの〜?お酒飲もうよー」としつこく迫る人間に対処できない。その場合は (2) 以降を参考にしてほしい。

(2) 帰りに運転する必要をアピールする

例:「すいません、駅から原チャなので」
わからない人に解説すると、原チャとは原動機付き自転車、ミニバイクだと思ってもらえればいい。お酒を飲めば飲酒運転になると伝えれば、相手は引き下がらざるを得なくなる。
この方略において大切なのは「なめらかな嘘を付くこと」である。「こう返されたらこう答えよう」などと、あらかじめシミュレーションを練っておくことが必要である。たとえば「押して帰ればいいよ」と返された時は「我が家は急な上り坂を20分以上歩かなくてはならないので」と答える、などである。
もし、それでもしつこく迫ってくる場合は、その場の監督責任者を呼んで飲酒運転になると訴えよう。監督責任者は飲酒運転の可能性があると分かっていながら相手にお酒を出してはいけないと法律で決まっている。 (道路交通法65条3項)

(3) 体調不良を訴える

例:「あまり体調気分が優れないので・・・」
気分が優れないと申し出ることで、その場はあなたに酒をすすめてはいけない雰囲気になる。そもそも実際、あなたは「お酒はあんまり飲みたくないな」と思っているので、気分が優れていないのだ。「物は言いよう」というやつである。
しかし、それだけでは飲み会の楽しい空気を盛り下げてしまいかねない。そこで必要なのは、次の一言だ。
「でも僕、いろんな人と仲良くなりたいんで、飲み会は楽しませてください!」
この一言があれば、周りは「コイツええ子や〜ん」と可愛がってくれるだろう。しかしここでも注意が必要だ。それは、調子に乗ってはしゃぎすぎないことだ。あくまでも体調不良のフリをしていると忘れずに楽しもう。

(4) 酔ったフリをする

この方法は一滴も飲みたくないという人には、残念ながら使えない方法である。しかし、あまり飲み過ぎないようにするということであれば有効な手段である。なぜなら、この方法であれば飲み会の雰囲気を壊すということはそうそう無いからである。では、具体的にどうするのかを見ていこう。
飲み会は必ずと言っていいほど乾杯の音頭から始まる。あなたは乾杯の発声に合わせて、お酒に口をつけよう。本当はグラスの半分くらいは飲みたいところであるが、特にアルコール初心者は一口だけでも構わない。そして飲んだあとは、周りの人々と大いに盛り上がろう。
さて、そこからである。しばらくは羽目を外して大いに盛り上がってくれればいいのだが、ある瞬間からひたすら笑い続けよう。何か面白いことがあるわけでも ないのに、突然笑い出そう。すると周りは「この子大丈夫?」と心配してくれる。しかしここで、酔ったアピールをしてはいけない。必ず「ダイジョウブ~、大丈夫!」と笑って返事をしよう。すると周りは不思議なことに「この子大丈夫じゃないわ」と気遣ってくれるようになる。
あとは頃合いを見て、具合悪そうにトイレへと立とう。するとあなたは、晴れて周りから「これ以上お酒飲ませちゃダメ」認定を受け、それ以上お酒を強要されることもなくなるだろう。
もし酔っ払ったふりを勉強したいという真面目で酔狂な読者の方がいれば、適当に動画検索でもしてみて欲しい。

(5) キッパリ断る

ここまでの記述をすべて無にするような話だが、本当に飲みたくないなら勇気を持って断るのが良い。盛り上がりも何のその、飲みたくない時は「飲み会の空気?なにそれ美味しいの?」と言わんばかりに、ハッキリ飲まないと宣言する勇気を持ってほしい。
そして、もし断っても飲まそうとする者がいれば離れて座れば良いし、最悪はその飲み会を退席すれば良い。あるいは飲み会だけは出席しなければいい。「お酒を飲まなければ仲間じゃない」とでも言うような集団なんて、こちらから関係を断てば良いのだ。
お酒というのはついつい飲み過ぎてしまうものである。筆者も一度だけ、過去に飲み過ぎて旧知の友人に迷惑をかけてしまった記憶があるが、それでも節度を保った飲み方をしている方だと自負している。
飲酒事故というのは、決して珍しい話ではない。たとえば昨年度、関東の某大学では過剰な飲酒による集団昏倒事件が発生している。幸いにして死亡者はいなかったものの、何名もの女子大生が昏睡状態になったことから世間を賑わした。
大げさだと思うかもしれないが、飲酒事故で大学生が死亡する事故は、ほぼ毎年起きている。死亡の主な原因は2つある。1つは急性アルコール中毒によるものである。アルコールは脳を麻痺 させる性質を持っており、生命維持に関わる部分に麻痺が起こると呼吸機能や心肺機能が維持できなくなり死に至る。そしてもう1つは吐しゃ物を喉に詰まらせての窒息死である。飲酒後に嘔吐を起こすことは珍しくないが、眠っている最中であったり意識が混濁している場合、吐しゃ物が逆流して気道をふさぎ、呼吸困難を引き起こすというものである。その他にも、酩酊状態で高層階の窓から地上に転落したものなど、様々な事故が起きている。
余談に なるが、筆者は「大学の新歓時期に飲み会の席で同席した女性から『財布の現金を奪われた』と言いがかりを付けられ、後日金銭を要求された」という事例を知っている。また、「朝起きたら、知らない異性の部屋で寝ていた」という話も聞いたことがある。こうしたトラブルを防ぐためにも、過度な飲酒をするというのは避けたいものである。
そして、これらすべてに言えるのは「節度ある飲酒であれば起こらなかった事故である」ということである。自分が節度を持って飲み過ぎないことを心がけていれば免れる話である。

これから先のシーズン、歓迎会や合宿など様々な飲酒の機会があるが、なるべく安全で肝臓に負担をかけない飲酒を心がけたいものである。そのためには紹介した例だけにとどまらず、飲み過ぎない方法や飲みたくない時に断る方法を自分なりに考えて対処することが重要だ。そして「お酒は適度に飲んでも楽しいものだ」ということを肝に銘じて、楽しく美味しいお酒を楽しもう。

文責

大谷学 (Hijicho)


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コメント

    • MEIJI
    • 2023年 6月 16日

    書かれている内容はその通りだと思いますが、現実に断るのは僕には難しかったという印象です
    結局飲めないと飲み会に行かないというのは僕にとっては当然の帰結でした
    大学ではサークル以外に友達を見つけるところがわからず(ゼミは入らなくても卒業できました 成績がよくなく入れるところも限られていました)、居場所がなくなってしまいました
    それでも飲んだ後の苦しさ(頭がガンガン痛くなり、頭を動かすたけで〇しそうになるのでとにかく嵐が去るのを待ちました しゃべるのもやばいのでずっと無言でした)を味わいたくない気持ちはものすごく強烈で、かつあの空気の中で断ることもできず、行かなくなりました
    恥ずかしながら大学では同性の友人もほとんどできませんでしたし、女性は話をしたこともないという一般的にはありえない学生生活を送りました

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