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とにかく進め! ベトナム・ハノイ交通事情


 筆者は今年9月3日~9日、友人と2人でベトナムに観光へ行った。関西空港から飛行機で4時間と近く、同じアジアに位置するベトナム。しかし、あまりどんな国なのかイメージがわかないという人も多いのではないだろうか。たった数日の旅行ではあるが、実際に訪れて感じたベトナムという国について交通を中心に紹介する。

 訪れたのはハノイ。ベトナム北部に位置する都市であり、首都でもある。

 ハノイに行くにあたり、渡越経験のあるアルバイト先の先輩に言われたのが「道路を渡るときは迷いを見せるな、進み続けろ」ということだった。その時はよくわからなかったが、実際にハノイに到着して初めてその意味を実感した。

 一口にハノイと言っても、場所によって雰囲気は大きく異なる。気軽に立ち寄れる飲食店や土産物屋が立ち並ぶ商店街のような旧市街、高級料理店が勢ぞろいの地域と様々だ。日本との交通の違いが特に顕著であった旧市街について紹介する。

 旧市街は職人の街として発展し、今も古い町並みを保っている地域だ。初めてその道路を渡ったとき、あまりに交通量が多く圧倒されてしまった。細い通りが続くため自動車が通ることはあまりないが、とにかくバイクが多い。売り物用の花や果物を山のように載せた危なっかしいバイクも目立つ。2人乗りも日常的だ。

 また、歩行者の数が多いのも印象的だった。かごに入れた揚げ物を売り歩く人や店の前に座って客引きをする人、観光客などで朝から夜遅くまでにぎわっている。多くの飲食店が店先の道路にまで簡易テーブルとイスを並べているため、食事をする人でいっぱいになっている道も少なくない。これはもちろん違法占拠であり、取り締まりを受けている店も見かけた。

 特に旧市街においては、横断歩道はあっても信号はないところが多い。そういうわけで、歩行者をよけつつ、なかなか途切れることのないバイクの波の間をぬって道を渡らなくてはならないのだ。

夜の旧市街の様子。夜中近い時間でもバイクの数は多い=9月6日、行田美希撮影

 筆者はどんなに交通量の多い道でも安全に渡れる日本の横断歩道になれているため、ハノイに来た当初はどうやって道を渡ればいいのか検討もつかなかった。しかし、現地の人や同行していた友人はすいすいと歩いていく。手を挙げて合図をしながら堂々と歩くと、走っているバイクも速度を落としたり、避けて走ったりして歩行者が渡れるように配慮してくれるのだ。とはいえ筆者は最終日まで歩き始めるタイミングをつかみきれなかった。歩いている途中で一歩後ろに引いてしまい、バイクにぶつかりそうになったこともあった。ハノイを歩く際は決して歩みを止めず進み続けることをお勧めする。

 旧市街以外には信号があるところもあったが、高級住宅地以外ではあまり守られてはいないようだった。そのような交通ルールを守らない様子を皮肉ったTシャツも売られていた。「信号が青でも黄色でも赤でも渡るのがベトナム式だ」といった趣旨のことが書いてあるデザインで、筆者は自分用と弟用に色違いで購入した。

同行者に「弟がかわいそうだ」と止められながらも購入したTシャツ=9月19日、行田美希撮影

 交通ルールも守らないしそもそも信号もないなんて……とハノイ、またベトナムに悪い印象を抱いた方も多いかもしれない。しかし、その交通の緩さも含めて大変魅力的な街だった。道端でジュースを売ったり、客と談笑したり、がらくたを売り歩いたり……。バイクや歩行者、店でいっぱいのごちゃごちゃした街の中でのんびりと暮らす人々は、言葉が全くわからない私にもにこにこと明るく接してくれた。食事も日本人好みの味付けが多いと言われている。物価も安く行きやすいという点からも、ぜひ一度訪れてみることをお勧めする。

文責

行田美希(Hijicho)


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