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皆既月食 〜秋の天体ショー〜


2014年10月8日、日本全国で皆既月食が観測された。これは2011年12月10日以来、約3年ぶりの出来事である。
本記事では月食の仕組みと種類、皆既月食における色の変化、当日の観察を中心に取り上げる。

月食の仕組み

月食は、地球の影の中に月が入り、月が欠けて見えたり月の色が変化したりする現象である。
太陽に照らされた地球の後方に出来る影に月が入ると、地球からは月が欠けていくように見えるのだ。このとき太陽‐地球‐月は一直線に並んでいるので、月食は必ず満月のタイミングで起こる。
しかし、満月になるたびに月食が起こるわけではない。なぜなら、月の公転軌道が地球の公転軌道に対して水平面で5度ほど傾いているからである。この傾きのために、月はたいてい地球の影に入らず、満月となって見えるのだ。(図1は月食時)        

皆既月食図
図1

月食の種類

 月のすべての部分が本影(地球によって太陽の光が完全に隠された部分)に入る場合を皆既月食、一部分だけが本影に入る場合を部分月食という。皆既月食の前後にも部分月食が起こっており、月が地球の影の中を動いていくにつれて満月→部分月食→皆既月食→部分月食→満月、と月の見え方が変化していく。月食の際は普段見られない形の月が見られるのだ。

皆既月食における色の変化

皆既月食の際、月は地球の影に完全に入ってしまっているので、普段見えている満月が全く見えなくなってしまうのではないかと思う人がいるかもしれない。しかし実際、皆既月食の時は普段とは違う赤みがかかった色の月が見えるのだ。
この理由は2つあり、太陽光が地球の大気を通過する時に屈折して月まで届くことと、大気中で散乱されにくい赤色の光が月面を照らすことである。
ただ大気中の水蒸気やチリの量の違いによって皆既月食時の色は変わるので、いつも同じ色になるわけではない。月の色は実際に見てみるまでは分からないというある種のロマンがあるのだ。

当日の観察

月食の起きた当日、筆者も学情庭園アステリア (以下、屋上) から月を見た。当日は19:24~20:24に皆既月食となったため、19:45頃に屋上に行った際には、東の空にうすい赤銅色の月を見ることができた。そして、屋上には月を見に来た大勢の人が秋の天体ショーを楽しんでいた。普段、屋上は20:00まで開放されているが、この日は特別措置として月食終了まで開放された。
筆者も同じように月を眺めていたが、この上なく爽やかな気分になることができた。それは美しい月食を見られただけではなく、北の方角に広がる大阪の夜景、そして涼しげな秋風をも同時に体験することができたからだ。筆者はそれまで何度か屋上に行ったことがあるが、こんなにも爽やかな気分になったのは初めてであった。屋上は昼も夜も気分転換にオススメである。今春から開放された屋上を大いに利用してもらいたい。 

最後に、次回の月食について触れておきたいと思う。次回の月食は、2015年4月4日に起こり、今回と同じように皆既月食となる。皆既状態が長く続いた今回とは異なり、たった12分しか皆既状態にならないが、観測できる時間が21:00前後であるので皆既月食を見るチャンスは十分にあるだろう。

参考URL

AstroArts 「2014年10月8日 皆既月食」特集サイト
http://www.astroarts.co.jp/special/20141008lunar_eclipse/how-j.shtml

名古屋市科学館
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/astro/

文責

山原怜太朗 (Hijicho)


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