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寄稿連載 ◇ 就職活動に「失敗」したからこそ、伝えたいこと (第2回) ~ルポ★就活体験記①―公務員志望から民間志望へ~


前回でもお話したように、私は公務員試験を受けるのを辞めて、民間の就職活動一本に切り替えました。私がどのように考えて民間の就職活動を始めたか、お話したいと思います。

前回より寄稿していただいているのは上山幸穂さん(法学部2009年入学)。
全5回にわたって、ご自身の経験を基に、就職活動について書いていただきます。
今回から3回にわたっては上山さん自身の就職活動の流れを、その時々に感じたことを交えて報告していただきます。

公務員志望の頃

私が公務員試験の勉強を始めたのは、3回生の春休み。高校生の頃から公務員になると決めていたため、民間への就職は全く考えていませんでした。そもそも公務員を目指したのは「女性差別がなく一生働ける職場」、これが私の職場に求める第一条件だったからです。

もちろん、今や民間企業でも整いつつある条件かもしれません。しかし「民間企業は女性差別、雇用不安定、大企業に就職できれば安泰だけど就職難。」そういった偏見から民間には目を向けず、公務員になる道を選びました。私が公務員になることを熱望していた両親の影響も大きかったと思います。

といっても、特に就きたい職種がある訳でもなかったので、多くの市大生が目指す地方上級 (4回生春に試験) に向けて、予備校に通いながら勉強を進めていました。

転機

民間の就職活動をしようと思ったのは、3回生の8月。1つ上の先輩で、公務員試験を受ける前にインフラ企業から内内定をもらい、そこに就職することに決めた人のお話を伺い、「公務員と民間」という二兎を追うのも一つの選択肢だと思いました。またインフラ企業に興味を持ったのは、正直なところ「インフラ企業なら公務員に近いし雇用安定、待遇も良さそう。受かったらラッキーだから、公務員試験の面接練習のつもりで受けてみよう!」という打算的な考えを持っていたからでした。

合同企業説明会

就職活動はいつ始まるのか、皆さんは御存知ですか?近年は就職活動開始の早期化による選考の長期化が問題視されています。そこで私達2013年卒から、日本経団連の主導で、採用選考活動早期開始の自粛が為されました。経団連の倫理憲章を批准した企業は以下の2点を守る必要があります。

①広報活動は12月1日から開始。(大学が行う学内セミナー等への参加も自粛。ただし、インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信を除く。)
②選考活動は4月1日から開始。(面接など実質的な選考活動のこと。説明会等は広報活動に含まれる。)

例年は10月から広報活動開始が一般的だったため、企業にとって広報活動は約2ヵ月間の短縮。とはいえ、10月頃は多くの3回生が就職活動を意識し始める時期だと思います。就職支援課による本格的な就職ガイダンスが高原記念館で行われ、本屋にも就活コーナーが設置されます。また、具体的な企業情報はPRしないものの、水面下で業界研究説明会が開催されることもあるそうです。

そして12月1日。リクナビ・マイナビ等の就職支援サイトの本格的な運営が始まり、全国の就活生が一斉に気になる企業へ「プレエントリー」します。「プレエントリー」とは、就職サイトや企業のサイトを通して、就活生がその企業に興味を持っていることを示す行為です。

また、高原記念館での学内セミナー、インテックス大阪等で多数の企業が参加する合同企業説明会 (合説) も、頻繁に開催されるようになります。12月は授業もあるし、クリスマス・忘年会などのイベントも多いので、説明会にたくさん参加すればかなり忙しい月になります。
私の場合12月上旬までは主に公務員の説明会に参加、専ら試験勉強をしていたので、プレエントリーはたった5~6社。民間志望の人の中には、100社以上プレエントリーする人もいます。(プレエントリーはワンクリックで完了。) プレエントリーをすると、メールや郵送で説明会の案内・ES (エントリーシート)・会社案内の冊子等が送られて来ます。

個別説明会

12月下旬、私はインフラ系企業の個別説明会に参加しました。それまで公務員の説明会にしか足を運んでいなかった私は、お堅い業界とはいえ民間の企業説明会に参加して、公務員の説明会との雰囲気の違いを直に感じました。説明会でお会いした先輩社員の方々や、将来同期になるかもしれない就活生と話しているうちに、私は民間企業の方が肌に合っていると感じました。そして、客観的な働きやすさや評判よりも、自分と職場・働く人の雰囲気が合うところこそ長く働ける場所になるのではないか、と考え始めます。

といっても、予備校代30万円、および公務員試験勉強に費やした年月を考えると、なかなか公務員試験を辞めるという選択肢を選べませんでした。しかし、民間で重視される「新卒ブランド」は今回しか使えないという考えから、とりあえず一旦は就職活動に本腰を入れて取り組むようにしました。

12月下旬に多くの企業にプレエントリー。説明会は予約制のところが多かったので、私は1月半ばから本格的に説明会に参加。二足のわらじを続けるつもりでしたが、民間の説明会に参加するほど公務員試験勉強への士気は格段に落ち、この頃完全に勉強を辞めました。また、1ヶ月半の出遅れから、就職活動への焦りは相当なものでした。「公務員を辞めて、大手に決まらなかったら本末転倒だな。中小企業に就職すると、ブラック企業のリスクも高そうだし、もし決まらなかったら勉強量の少ない公務員を受けよう。」との考えで、民間の就職活動を行っていました。

また、私は興味がある仕事内容があって公務員を目指していたわけでもなかったので、せっかく民間企業で就職活動をするなら、全部の業界を見てみたいなと考え、学内セミナーを活用してほぼ全ての業界の説明会を回りました。興味がないところも含めて、幅広い業界の説明会に参加することは、かなりお勧めです!1月~2月は学校の期末試験で大変忙しい時期にはなりますが、この時期は説明会の開催が多いので、ちょっと無理してでも回っていてよかったと思います。特に、企業の方がわざわざ出向いて下さる学内セミナーは1日に何社も回ることができるので、本当にありがたい存在でした。

公務員か民間か

もし公務員か民間か迷っている人がいれば、頭で悩むより、まず行動してみてください。双方の説明会に参加したり、社会人の方々のお話を聞いて、働くイメージを持つことが大切だと思います。民間の就職活動は一斉にスタートして、一気に収縮します。スタートが遅いほど、参加できる説明会も減ってしまいますから、未練が残るくらいなら一度参加してみましょう。

逆に、民間の就職活動しか考えていない人も、公務員の説明会にも参加すればよいと思います。私はたまたま公務員が合わないと思いましたが、きっと逆の人もいます。「公務員試験は勉強が大変」というイメージの方も沢山いらっしゃると思いますが、それは受ける職種によります。

公務員の筆記試験は大きく ①教養試験 (センター試験のようなもの) ②専門試験 (法律・経済など) の2つに分けられます。地方公務員、国立大学法人職員等、筆記は教養試験のみ、専門試験不要の公務員試験も数多くあるので、情報収集してみてください。センター試験を受けたことがある市大生ならば、勉強のスタートが遅くても教養試験に受かる可能性は十分にあると思います。

大阪市・大阪府など、教養試験すらなく面接・小論文のみで採用する自治体もあるので要チェックです!公務員に興味がある人に、特にお勧めなのは教養試験の重要科目である「数的処理」という科目を勉強することです。数的処理とは、民間企業の筆記試験でよく用いられるSPI試験の「非言語分野」に類似するもので、民間就職試験のいい筆記対策にもなります。

今回は公務員と民間の就活の違いに焦点を当て、公務員志望から民間志望に変わるまでの変遷を追いましたが、次回は民間の就職活動にどっぷり浸かってからの1月~3月の体験談。たくさんの人と出会って話を聞いて就職活動を楽しんでいた私の就活初期を綴りたいと思います。

バックナンバー

第1回 就職活動が長引く人ってこんな人!?
第3回 ルポ★就活体験記②―知られざる人事面接までの道のり
第4回 ルポ★就活体験記③―怒涛の面接ラッシュから内々定へ~

文責

上山幸穂 (法学部2009年入学)


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