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三商大戦開催以来、優勝経験なし 危機感から緊急会議


5月27日(金)、雨が降りしきる中、学情1階文化交流室にて市大史上初となる「三商戦・クラブ連絡会議」が行われた。三商大戦とは大阪市立大学、神戸大学、一橋大学の体育会クラブが古くから行ってきた伝統ある大会だ。大会には50年の歴史があるものの、市大はいまだ優勝経験が無い。

これに対し、西澤学長の号令のもと、市大体育会本部、同体育会OB会連合 (OCUSA) の主導で、三商大戦初優勝に向けての今後の課題と対策が話し合われた。会議には三商戦に参加するクラブの現役部員が集まったほか、OBも参加した。

部員数=試合成績

会議において優勝への課題として最も問題視されたのは体育会クラブ部員数の少なさであった。下に前回の三商戦の結果を掲載してあるが、その図を見ても分かる通り、クラブの部員数が多いところほど良い成績をおさめている傾向があり、試合の成績とクラブの部員数との間に強い相関関係を確認出来る。三商戦で優勝を勝ち取るためには何よりも部員数を増やすことで、クラブの実力の底上げを行わなければならない。

神大に遠く及ばない部員数

では現在、三商戦30連覇中の神大と比べて、体育会クラブ入部者数がどのくらい開きがあるのだろうか。平成22年のデータを参照すると、神大は部員1920名 (調査中) 、市大が1481名と500名近くの差がある。もともと入学者数の段階で大きな差があり、神大は入学定員数が12000名と、実に6400名の定員である市大の2倍に匹敵する。この差を埋めることはなかなか容易ではない。

5割を超す退部者も

入部者数の他にも部員の定着率の悪さも、部員数を伸ばす大きな障害となっている。平成22年に体育会全クラブに入部した新入生は545名 (推定) に上るが、その内の4割は1年以内にやめたようだ。また引退を迎えるまでに5割を超える部員が途中で何らかの理由で部活を退いている。一因としては、クラブの上回生が勝ちを目指すあまり、新入生への配慮を欠き、クラブ全体の雰囲気を悪くしているといったことが挙げられるようだ。

体育会は就職に強い (?)

部員数の確保、そしてその後の定着は、おそらくほとんどのクラブにとってシビアな問題であろう。これに対して、会議で打ち出した施策が次の6つである。

1. 時期をずらした新入生向け説明会の開催
雰囲気が合わず退部した新入生をターゲットに、新たな受け皿として別のクラブへの入部を促進する。
2. オープンキャンパスで高校生と本学クラブ学生との交流会の実施
大学入学前から市大の体育会クラブに親しんでもらうことで、高校にはないような競技にも興味を持ってもらい入学後のクラブ勧誘へとつなげる。
3. スポーツフェスタ(高校生招待会)の開催
2と同様、高校生を対象にスポーツを通して市大の体育会クラブ学生、またはスポーツそのものに興味を持ってもらい、入学後の体育会クラブへの入部を狙う。

4. マネージャーの業務レベル引き上げ
マネージャーを単なる雑用に終わらせるのではなく、部員一人一人の持つ能力を引き出すクラブマネジメントを実践し、また試合での勝ちに集中するあまり、周りを見れなくなる上回生と下級生とをつなぐ潤滑油的な働きもしてもらう。マネージャーのマネジメント能力の向上によって強く、まとまりのあるクラブをつくる。

5. 体育会クラブの就職有利を訴求
世間一般に言われる体育会クラブ学生は就職に有利であることを、客観的データのもと分析して立証し、その結果を新入生と保護者に教育的配慮を以て広報訴求することで、同好会との差別化を図る。また、勉強を理由にクラブを退部する部員への、足止めのための材料とする。

6. 優秀クラブ表彰規定の刷新
リーグ戦の成績のみならず、ボート祭など学校生活を活性する行事への参加度を評価することで、勝ち負けの他に、部員をクラブに留めるインセンティブを与える。

共通の目標に向けて

いろいろな対策は出たものの、普段からバラバラに活動しているクラブが三商戦初優勝という共通の大きな目標を達成するのは並大抵のことではない。大事なことは、これから先、この会議で出た課題と対策を各クラブの部員一人一人が共有し、クラブ同士が密に連絡を取りながら、共通の目標に向けて各々取り組むことだろう。

(徳永一雄)


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