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そんなポータルで大丈夫か 〜大丈夫じゃない問題だ〜


大阪市立大学全学ポータルサイトの利便性に疑問の声が上がっている。「新しい情報が上がっているかどうかが分かりにくいから、頻繁には見ない (法学部生)」「入学手続きでもらった資料で知ったけど、実際は使いづらい (法学部生)」「全学ポータルサイトって何ですか?初めて聞きました (理学部生)」—。昨年10月に全学的なIT化事業の一環として導入された「全学ポータルサイト」に対する評価は、「使いづらい」「見ない」という意見が多数を占めている。なぜ使いづらいのか、そしてなぜ学生はポータルサイトを訪れないのか―「全学ポータルサイト」の問題点を考えてみた。

どの情報が大切なのかわからない

「これはあなたにとって価値がある」というメッセージがあってユーザーは初めて振り向くが、全学ポータルサイトのUI (ユーザー・インターフェイス) はそれが実現できていない。

「個人スペース」を開くと、RSS (新着記事リスト) とカレンダーが現れる。しかしどう使えばいいのか、その指南はされていない。「共有スペース」の「あなたへのメッセージ」を開いた。「お知らせは登録されていません」と表示される。初見のユーザーならばそのまま立ち去るだろう。

必要な情報はくまなく探さねばならない

せっかく情報を一元化しているのに、学部ごとや課外活動といった縦割りで情報が提供されている限り、ポータルサイトからは学生にとっての利便性は見出せない。自分にとっての情報は別の場所に登録されている。経済学部の筆者は、「学生掲示板」の「経済学部」に時間割を確認した。さっきの「あなたへのメッセージ」とは何だったのだろうか。「全学生対象のお知らせ」にはちゃんと情報がリスト化されている。

別の掲示板にある情報

情報の一元化が満足にできていないのが実態だ。現在、大学が学生に対して情報を発信するにあたって使用している主なチャンネルは、この「全学ポータルサイト」と学部や全学共通教育棟に設置されている「掲示板」、そして携帯電話からのアクセスに対応した「学内掲示板」の3チャンネル。ポータルサイトの「課外活動」にはお知らせが登録されていない (5月26日時点)。しかし「学内掲示板」にはクラブ・サークルへの情報が掲載されている。

こんなポータルで大丈夫か

Hijichoでは、このような利便性を欠いたシステムを学生への情報伝達手段として使用している大学側の姿勢に疑問を感じている。東日本大震災を受け、仮に大学が学生に対して災害発生時にどのように行動すればいいのかを伝えなければならないとき、従来通りこのポータルサイトを通じて伝えようとするならば、確実に情報の不行き届きが発生する。学生をポータルサイトに訪れさせるには、その利便性の向上が不可欠である。現在ポータルサイトを管理している、学術情報総合センター運営課システム管理担当の方に、利便性についての認識や、今後どのように改善していくのか、その真意を聞いた。

学情担当者との問答

(Q1) ポータルサイトの利用状況を、導入以降の月別新規ユーザー増加数・ユーザーの訪問回数・ユーザーの訪問間隔に分けて教えて欲しい。
→データを取っていないから分からないが、引き続き調査します。

(Q2) ポータル、公式ページ、学内掲示板に掲載するお知らせの件数が違う。情報を一元化していないのはなぜか。
→「よけいな情報 (自分にとって不必要なもの) の海をかきわけ、必要な情報になかなかたどりつけないもどかしさ、お気持ちは十分に理解できます」。

(Q3) ポータルサイト稼働開始以降どのような要望が寄せられたか。それらの要望は実現されているのか。現状ではユーザーにとって使いにくい仕様であるという認識はあるか。
→「ポータルサイトは昨年の秋に産声をあげたばかりであるため、まだまだよちよち歩きであります」。 今後も引き続き、全学ポータル、公式ホームページ、学内掲示板のそれぞれの役割や特性を検討し、ユーザーにとって使いやすくかつ便利なものとなるようシステムの改善を行います。

ポータルサイト利便性向上のための提言

Hijichoは、より使いやすく、より価値のあるポータルサイトが実現するよう、下記の4つの提言を学情のシステム管理者に送った。

▼ポータルサイトの利便性向上のための4提言

1. 情報収集力の強化
学部の掲示物も含めて、学生向けのあらゆる発表事項を関係各所からポータルサイトに送ってもらうというところから、「ポータルを見ておかないと」と学生に思わせるサイトにしていけるのではないかと考えます。
2. 収集する情報のタグ付与
発信者がお知らせを送信する際にタグを設定しておけるような環境があれば、必要な情報を見つけ出しやすくなると考えます。
3. 更新情報の通知機能
学生が予め選択しておいたカテゴリ (学部や課外活動など) に新しいお知らせが追加された場合に、大学のメールアドレスや携帯電話に通知される機能があれば、「ポータルを見よう」というきっかけ作りにもなると考えます。
4. 個人用スペースの有効活用
共有スペースにあるお知らせの中から、自分に関係するお知らせを個人用スペースに手動で移せる機能があれば、より便利になるのではないかと思います。アラーム機能を各自で設定できるようにして、リマインダーとしての活用もできるようになると考えます。

大切なのは学生がもっとアクセスすること

確かに現状では不便で情報量の少ないポータルサイトかもしれないが、重要な情報が掲載されていることも皆無ではない。学生が日頃からアクセスし、需要のあるサイトであるという認識がシステム管理者や学部担当者の間に広がれば、次第にシステムの改善がおこなわれていくだろう。

文責

加賀友基・三谷良介 (Hijicho)


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