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教授が語る夢  宮野道雄副学長


市大の様々な分野の教授にインタビューをし、個人的な夢や思想を聞くことで教授自身のことを深く追究していくコーナーです。

第2回目は、生活科学部居住環境学科において防災研究を行ってきた宮野道雄副学長。宮野副学長は、3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震の後、一度被災地を訪れています。そのことも交えてお話を伺ってきました。

宮野教授のプロフィールはこちら (大阪市立大学生活科学部ホームページより)

防災研究者として被災地入り

どういった目的で被災地に行かれたのですか
私は防災研究者としての立場から、一刻も早く被災地の現場が見たかったんです。でも今は副学長という立場であって、一研究者ではないので研究目的だけでは動きにくいことがありました。そこで学長と相談して、公立大学としてどう支援ができるのか調査をする目的を兼ねて行く事になりました。訪れた大学は県立宮城大学、岩手県立大学です。

被災地を訪れた時の行程を教えてください
18日の16時に天王寺を車で出発して、北陸自動車道、磐越自動車道、東北自動車道を経由して、19日の4時に宮城県名取市近くのパーキングエリアに着きました。仮眠を取ったあと、8時に名取市役所に行きました。市役所は災害対策本部になっていて、隣には救援物資を集める施設、その隣には避難所になっている文化会館があり、それぞれを訪問してきました。

その後、津波で被災した仙台空港を見に行って、県立宮城大学に行きました。そこで事務局の方にお会いして、こちらで支援出来ることは無いか等をお聞きしました。また、仙台市に移動して津波の被害が大きかった荒浜地区を見てきました。その日はそれで夕方になりましたので、岩手県の雫石という所まで行って宿泊しました。

20日の朝、岩手県立大学に行き、そこの先生にお目にかかって、被害の状況をお聞きしました。県立宮城大学もそうでしたが、岩手県立大学もまだ学生の安否状況を全部確認出来ていた訳でなく、まだ混乱していました。その時にはいま出来る事は何も無いので、今後支援の必要があればお手伝いをしますと伝えて帰りました。午後からは個人的な研究の為に、海岸の方の宮古市で被害の状況を見て、その後、津波の防災では先進的な町である田老を訪れました。14、5時頃まで田老にいて、その後来た道と逆コースで大阪に帰り、21日の朝に着きました。

教授として、役員として

普段はどんな生活をしているのですか
朝9時頃に副学長室に来て、17時から18時に帰ります。昼間は学内の色々な会議に出ています。その後、毎日ではないですが、必要がある時には副学長になる前から指導している大学院生4人の研究指導をしています。役員としての仕事が無いときに大学院生の指導、というように二つの仕事というか、時間の使い分けをしている訳ですね。18時ごろに生活科学部棟に行って、大学院生の指導に当たります。遅い時で22、23時頃にまでに及びますが、通常は1、2時間程ですね。土曜日は大学関係のイベントが多いです。日曜日は行事は少ないですが、昼間にここ(副学長室)では出来ないような仕事をしたり、学会の会合等に出たりしています。

教授としての将来の夢は
私は防災の研究をしているんですけれど、災害というのは地域の環境と関わっていて、その環境によって災害の形というものが決まってくるんですね。災害という視点から色々な国を訪れて、なぜそこでそのような災害が起きたのか、ということを自分の目で見るのが夢です。なかなか時間も無いし、お金の問題もあるから、それほど自由には行けないですけど、時間とお金があればそういうことをやりたいと思います。私はソフト地震防災が専門分野なんです。建物を強くする防災がハードであり、それに対してソフトな対策、つまりどのように避難をするか、どういう住まいだと被害を小さくとどめられるか、といった人的被害をいかに減らすかについての研究が専門なのですけど、それについて深く追求していきたいですね。研究で分かった事を論文発表したり、講演会で一般の方にも広く知ってもらうようにしています。

市大生にメッセージを
市大の学生は真面目でどちらかというと大人しいイメージがありますね。市大の学生に対して好感を持っていますが、大人しいので社会に出てから競争に打ち勝っていけるのかな、と心配になります。自己主張が大事という訳ではないですけど、ただ、皆さんは非常に高い能力を持っているのに、それを自分で正当に評価しているのかな、と思ってしまいます。

副学長という立場として市大に対する思いは
市大は、公立大学としては一番大きな大学ですから、トップとして走っていかなければならないので、教育研究を含めて、それぞれの分野で、少しでも上へ上へと引き上げていきたいですね。私は研究と国際交流、地域貢献が担当分野なのですが、研究の分野では、先生方が少しでも研究しやすい環境を作るためのサポートをしています。大学の研究だけじゃなくて国や企業からの研究をする時に、なるべくたくさんの研究費を取ってこれるようお手伝いをしています。それによって優れた研究をしていってほしいです。国際交流については他の大学との交流を活発にしていけるよう、今は組織作りをしています。地域交流は、市立大学ということで国立大学よりは地域に密着して交流していかなければならないという使命があるわけです。市立大学として地域に何かを還元していきたいです。

教授が語る夢バックナンバー

教授が語る夢のバックナンバーはこちら

文責

水野佑充子 (Hijicho)


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