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科学で健康を測る 健康見守り隊フェスタ体験レポ


 「科学の力でどのように健康を測るのか」。文系の筆者が抱いた素朴な疑問である。その疑問を解消すべく、グランフロント大阪で3月12日に開催された「健康見守り隊フェスタ2017」(本学健康科学イノベーションセンター主催)を体験した。

筆者はこんな人

地域連携、運動部取材を主導。しかし運動はしていない。最近、写真の構図を考えながら歩き回ることにはまっている。2017年の課題は「ストレスマネジメント」。21歳。

市大は疲労測定に強み

 市大に健康科学イノベーションセンターという組織があることも、疲労度測定という技術があることも、体験に訪れるまで知らなかった。元日に引いたおみくじに「ストレスをためやすい」と書いてあったため、年始からストレスコントロールを意識してきた。しかし、当時は心配事に気をもんでいた。

 「交感神経と副交感神経のバランスが安定していて良好です」、同センターの古澤美香係長(大学運営本部研究支援課担当)は丁寧に判定結果を説明してくれた。筆者は「風呂場で長く息を吐くなど呼吸法を意識したストレスコントロールが奏功したのかも」と、少し嬉しかった。ストレスを数値や顔マークで評価されると、体の異変を感じているだけよりも説得力を感じる。イノベーションセンターには、この技術を有意に活用してほしい。

自律神経機能が35歳という指摘には目を疑った。

血管18歳にニンマリ、しかし「赤血球動いていない」に笑顔消える

血管点数は偏差値に近いものらしい。

 血管年齢測定と血流測定を、実は最も楽しみにしていた。なぜなら前夜は、応援団の卒団式二次会で、揚げ物とビールをたらふく飲食したからだ。悪い意味でどんな結果が出るのかワクワクしていた。

 血管年齢は人差し指を機械に入れるだけ、血流は薬指を光にかざすだけで測定できた。採血をしないことは驚きだった。

 血管年齢は、結果を知らされる前にスタッフから「良いですね」と言われた。「これは期待できる」、内心そう思いながら見た結果は「あなたの血管年齢は18歳です」。もうティーンエイジではないと思っていたがこの結果に思わずニンマリしてしまった。血管点数の57点は、点数というより偏差値に近いそうだ。血管年齢と実年齢が同じであれば50点になり、40~60点であれば、ごく平均的な状態という。

 次に血流測定だ。自分の毛細血管を見るのは初めてだったので、画面をまじまじと見ていた。曲がった線が何本か見えたので「毛細血管って、こんなものか」と思ったが、筆者の毛細血管は正常ではなく変形しているそうだ。

 スタッフに「ふだんから脂質が多い食事を摂っているのでは」と指摘されたので、筆者は「昨夜は揚げ物を食べすぎました」と言い訳をした。しかし「昨日だけのことじゃないと思いますよ」とばっさり。筆者に返す言葉はなく、「そうですね」と認めるしかなかった。

 加えて、「赤血球が動いていないように見えますね」と一言。赤血球が滞留しているというのである。この言葉に笑顔を失った。「血管が詰まっているってこと?」、こんな疑問が頭をよぎった。スタッフによると血管が詰まっているのではなく、体の水分が不足している状態にあるそうだ。たしかに測定時は少しのどが渇いていたが、すぐに水を飲みたい状態ではなかった。のどの渇きと体が訴える渇きは違うことを実感して、これ以後はこまめに水分補給をしている。

「20歳前後がピーク」骨密度測定

 「靴下を脱いで素足になってください」。骨密度測定のブースでそう言われて、くるぶしに特殊なジェルを塗り、足を機械の中へ。数十秒後、「測定終わりました」と言われた。ジェルの冷たさ以外何も感じない測定だった。

この骨密度測定は20歳以上が対象だった。

 結果は成人平均、同年齢平均を上回る骨密度だった。線グラフ(左図)の赤線が平均値、黒線の間が平均値の幅である。筆者の骨密度(図中の青丸)は平均値の上部にあり正常だ。

 スタッフによると、「骨密度は20歳前後がピークで、その後は減少する」そうだ。たしかに図中のグラフは年齢が上がるにつれて緩やかに下降している。将来、骨粗しょう症にならないように食事、日光浴、運動で骨密度を維持したい。

「お風呂で足をよく見よう」 足型測定

 骨密度測定で素足になり、「もう素足になることもないだろう」と思っていたが足型測定でも素足になった。筆者は偏平足だと言われてきたので足を見てもらうことに恥ずかしかったが、スタッフに「足の指が全部開いているなんてすごいですね」と褒められ、気分を良くした。

 測定した足型を見ると、踵部分が濃く出ている。これは、踵に重心がかかっていることを示している。「踵から着地して親指で蹴り出しています」と歩き方の特徴を分析された。その証拠に足の親指にタコがあるという。よく見ると確かにタコがあった。

 その後、足裏も念入りに確認されながら「お風呂で自分の足、見ていますか?」と言われるも、「ないです」と答えるしかなかった。最後は靴の選び方や靴紐の結び方も指導してもらった。今では靴を履くたびに紐を結ぶようにしている。

「腹筋で支えて歩こう」 歩行測定

スタッフの解説があっても、データの読み取りは少し難しかった。

歩行時衝撃分析システムで測定した。

 健康には正しい靴選びとともに歪みのない歩き方も重要である。歩行測定では腰付近に機器を巻き、数メートル歩いた。午前中にウォーキング教室に参加したので、「正しい歩き方ができているのでは」と思っていたが、測定データは問題を明らかにした。

 スタッフの「歩行姿勢は良いですね」の言葉どおり、上下方向の力は標準内で安定している。一方、前向き・左右向きの力は標準より小さいと判定された。標準より小さいが「無理のない歩幅で歩いている」「骨盤が左右にぶれない安定した歩き方」とのコメント。これは良い意味ではないのかと思ったが、腹筋を使えていないためこのような結果になったという。たしかに他のデータを見ると背中側に重心が偏っている。歩行時に腹筋を意識したことはなかったが、これ以後は腹筋を締めて上体を立てる意識をしている。

すべての測定を体験して

 機器が示すデータは体の水分が不足しているなど、自分では気づかない体のサインを教えてくれる。しかし、測定データを読み取ることは素人には難しい。データを正しく読み取り、健康促進に役立てるには「健康見守り隊フェスタ」のようなイベントに参加することが良いだろう。定期的に測定を行い、体の変化をみることは生活習慣の見直しに対する動機づけにもなるはずだ。

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「本学、無料で疲労測定 健康見守り隊フェスタ」(4月12日閲覧)

文責

丹下舜平(Hijicho)


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