キャンパス内にてネコを見かける人は多いと思う。 3か月前から通い始めた新入生ですら、未だ見たことがないという方は滅多にいないのではないか。 彼らは一様に人懐っこく、我々人間が近づいても逃げることなく、場合によっては擦り寄って来ることもある。 彼らがなぜこれほどまでに人懐っこく、常に滞在しているのか。 そしてそもそも何匹が生息しているのか。 一見スルーしても良さそうな疑問に、Hijichoスタッフが敢えて迫った。
一号館キャンパス
今回調査したのは、俗に言う「一号館裏の猫達」である。 彼らは一号館の裏手から南食堂までの道のりに頻出し、通りかかる人々をその愛くるしさによって籠絡することを日課としている。 現在合計で7匹生息していることが確認されており、白黒の次郎、三毛猫のミケとその子供2匹、ハナとモモ、そしてマロンの7匹である。 ちなみに、これらの名前は学生や清掃員の方々が便宜上命名したものである。 特定の飼い主がいない以上、これらが正式の名前と考えて良さそうだ。 ミケの子供2匹はまだ名付けられていない。
[写真:上から順に、次郎、ミケ、ミケの子供たち、ハナ、モモ、マロン]
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取材秘話
清掃員の方にハナや次郎を紹介して頂いている所に少し若いマロンが登場した。生誕約2カ月の雄の子猫で、旧教地区 (八号館キャンパス) からやってきたという。こりゃまた可愛いニャンコさんだと思っていると、突然ハナがマロンに対し威嚇を始めた。仲が悪いのかなと見守っていると、その様子を静観していたはずの次郎が突然マロンに向かって跳躍した。一気にマロンの首を抑えつけ、噛みつく。襲いかかったのだと気付いたのは、清掃員の方が次郎を叱りつけ、払いのけた時だった。
清掃員の方によると、新参者のマロンを自分に従わせようとしているらしい。この平和そうに見える猫の世界にもそんなものがあるのかとびびっていると、今度はハナが次郎に対して威嚇を始めた。どうやら、どちらもマロンを自分に従わせようとして争っているようだ。ハナの威嚇を人間語に翻訳すると、「 (従える予定の) 俺のマロンに手を出してんじゃねえよ」といったところか。
雄同士には必ず発生する争いだとはいえ、恐ろしいものだ。敵に囲まれているマロンが不憫でならない。一方のミケに至っては、根っからの野良猫らしく、人にあまり懐かないという。猫の本質を考えればそちらの方が安全だろう。
懐いた方が可愛いから良いというのは、人間側から見た一方的な見解で、懐くことによるデメリットの方が大きいことに気付く。
人に近ければ近いほど、その善意・悪意の影響を大きく受ける。人の悪意によってイタズラされることは言うまでもなく悲しい出来事であるが、善意で食料を与えることも突き詰めて考えると、良いこととは言えない。
人に懐き、食料を容易く得ることができるという状況は、自然と彼らの野性としての能力を削いでしまう事となる。そうすると、特定の飼い主がいない以上、食料を供給されない日が必ず訪れる。例えば大学生や職員の長期休暇など。その時の彼らの生活はどういったものになるのか。
気になるのでこれからまた迫っていこうと思う。市大キャンパスにはまだまだ沢山の猫が生息している。人懐っこい猫もいれば、そうでない猫もいる。もし擦り寄ってくる猫がいれば、撫でたり、可愛がったり、一緒に遊んだりすることは微笑ましいことである。
From Writer
さぁ今度は旧教地区の猫と戯れに行こうか。
文責
新舎洸司 (Hijicho)
お知らせ
次号では旧教養地区 (8号館キャンパス) のネコを追います。お楽しみに。
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