夏から今の季節にかけて「台風」が発生し、日本にやってくる。それによって大雨や強風などの災害も引き起こされるだろう。台風に関する知識が少しでも増え、台風到来時に正しい行動をとる事を願いこの記事を執筆することにした。
まずは、台風の発生について紹介する。
◆台風発生の条件
①海面温度が26.5℃以上であること
②激しい上昇気流が起きていること
③雲が周りから集まり渦を巻いていること
の3つが台風発生の条件である。これらの条件を最も満たしているのは、熱帯収束帯と呼ばれる北緯5~10度の海域である。この海域では1年を通して水温が26℃以上あり、北半球と南半球の貿易風の湿った気流がぶつかって東西に伸びる積乱雲の帯を作っている。夏場にはユーラシア大陸が強く熱せられるので上昇気流が発生し、南半球の気流はアジア南部や北西太平洋域に入ってきやすくなる。この中で中心部分の最大風速が17.2m/s以上になった熱帯低気圧を台風と呼ぶのである。
ただし、これらの条件が重なったからと言って必ずしも台風が発生するわけでもない。台風にならず渦が弱くなり消滅する熱帯低気圧は多く存在する。条件を満たす4000~5000個の熱帯低気圧の中で実際に台風になるのは80~85個程である。
◆What’s 風速?
天気予報や、この記事でも登場している「風速」という言葉について説明しておこう。
「風速」とはその名の通り、風の吹く速さの事である。平均風速と言う場合は、「10分間の平均風速」のことである。そして、「最大風速」とは、「10分間の平均風速の最大値」のことである。だから、ほんの一瞬17.2m/s以上の風を観測できたからといって、それを台風と判断することはできない。
また、「最大瞬間風速」とは「3秒間の平均風速の最大値」のことをいう。
風速17.2m/sとはどのくらいの強さなのかピンとくる人はそう多くないと思う。そこで、台風の危険性について知っていただく為に、以下に気象庁が作成している目安表を載せておく。
◆台風が来たときは・・・
表からわかるように、強風は命の危険にもつながる。そこで台風が来たときはどのように対処するべきかを紹介しよう。
〇「注意報」や「警報」の気象庁からの発表をしっかりと確認し、発表があれば、家の周りに置いてある植木鉢などを室内にしまい、窓ガラス・雨樋・屋根などの故障がないかを確認する。
〇風雨が強まってきたら家の外に出ず、窓や雨戸、玄関などをしっかり施錠する。
〇各自治体が避難場所として定めている学校や公民館への避難経路も調べておく。
〇懐中電灯・ロウソク・マッチ・乾電池・救急薬品・衣料・貴重品・非常食料などの避難グッズをまとめておく。
〇避難の前には火気を確かめ完全に消しておく。ガスの元栓も閉め、電気のブレーカーも切っておく。
〇洪水時にはマンホールや側溝の蓋が外れる場合もあるのでそれらにも注意する。
〇車での避難は、浸水の影響で動けなくなる可能性があるので特別な場合を除いては控えておく。
〇普段から自分が住んでいる地域のハザードマップを確認する。(参考に住吉区のハザードマップを載せておく。)
(大和川が氾濫した場合)
◆最後に
何よりも、慌てず冷静に行動することが自分の命を守る上で大事な事である。その為には普段から気象情報や、避難の時の行動について考えておく必要がある。今のご時世、インターネットも普及し、TwitterなどのSNSをはじめとして数多くの情報発信手段がある。繰り返すがもしもの時は、冷静になり、必要な情報を集め、地方自治体の指示に従い最善の行動を選択することが自分の命を守る手段なのだ。
気象庁「気象警報・注意報」
http://www.jma.go.jp/jp/warn/
気象庁「台風情報」
http://www.jma.go.jp/jp/typh/
国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
http://disapotal.gsi.go.jp/
参考文献
渡辺博栄『台風 気象報道の現場より』 (数研出版)
文責
大司雄大 (Hijicho)
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