まわしよみ新聞をご存じだろうか。まわしよみ新聞は、大阪生まれの観光家・陸奥賢 (むつ・さとし) さんが考案したメディア遊びである。2012年、釜ヶ崎の喫茶店で日雇い労働者のおっちゃんとママさんが新聞を回し読んでいる光景と、古書店で見つけた新聞のスクラップブックにアイデアを得て、まわしよみ新聞は誕生した。その後、陸奥さんや全国のまわしよみ新聞編集長の尽力によって、知名度を上げてきた。ネットやテレビが主流になった現代社会において、集まった十数人の参加者が新聞に向かう姿はなんとも不思議だ。
筆者はまわしよみ新聞に参加者、そして主催者の両面から関わってみた。
まわしよみ新聞の流れ
1. 会社、カフェ、コミュニティースペースなどに新聞を持ち寄る。
2. みんなで新聞を読む。
3. 「気になる!」「面白い!」「これは……」と思った記事を切り抜く。
4. 1人1枚ずつ記事をプレゼンしていく。その記事を選んだ理由などを語る。
5. みんなで「今日のトップ記事」を決めて上から順番に貼る。
6. 表面に「まわしよみ新聞」と日付と編集局 (切り抜いた場所) 、裏面に「編集後記」 (感想と名前) を記載して完成!
必要な物:新聞 (雑誌・広告・フリーペーパーなど) 、はさみ、のり、四つ切画用紙、色ペン
所要時間:1時間半~2時間
文章は、まわしよみ新聞ホームページ http://www.mawashiyomishinbun.info/ を参考にした。
写真は、Hijichoでまわしよみ新聞を実施した時の様子である。
まわしよみ新聞は参加者に多くの効果をもたらす。まわしよみ新聞ホームページに挙げられている21の効果の中から一部を紹介する。
①自分の世界を広げる
凝り固まった世界観にメスを入れる。興味がなく、目を向けなかった記事の面白さに気づく。
②他者を理解するコミュニケーションツールになる
選んだ記事から他者のキャラクターが垣間見える。
③新聞記事(話のタネ、対話の土台)があることで、自然と話が弾んでいく
話下手な人も雄弁な自分に驚くはず!
④プレゼン力を養う(カードゲーム的面白さ)
記事の面白さを他者に伝えることはプレゼンの第一歩。
⑤レイアウトやデザインのスキルを磨く
芸術観も三者三様。他者から影響を受けよう!
⑥メディア・リテラシーを育てる
同じ記事でも報道姿勢は各社異なっている。あなたはそれに気づけるか。
さらにHijichoでは、以上の効果だけでなく独自の効果も狙っている。
①市大新聞の紙面に活かせる新たなヒントを得る
②新しい広告主を発掘する
③記事の中からプロの技術を発見する
Hijichoは、一般の学生・教職員も参加できるまわしよみ新聞を下記の日時・場所で実施予定。
日時 2015年10月22日(木) 16:30~
集合時間・場所 4限後 学術総合情報センター1階正面玄関前
実施場所 学術総合情報センター5階 ラーニングコモンズ
持ち物 まわしよみしたい新聞・雑誌など一部以上
Hijicho夏合宿で制作されたまわし読み新聞は9月28日から10月23日まで学術情報総合センター1階に展示される。興味を持った方には、ぜひご覧になっていただきたい。
From Editor
新聞は普段1人で読むものだと思っていたが、みんなで読んで語り合ってみると意外と楽しいことに気づいた。市大の学生・教職員には、まわしよみ新聞の効果を疑う前に、一度純粋に遊んでみてほしいと思う。
文責・写真
丹下舜平 (Hijicho)
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