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不審者は神出鬼没!~人生の思わぬ落とし穴~


 

 大学構内で怪しいと思われる人物から声をかけられたり、TwitterやLINEでメッセージを送られる事例が後をたたない。友達からの誘いを断り切れずにカルト宗教の集まりに参加していた、あるいはマルチ商法にはまり、授業を休みがちになっている……私たち大学生がはまってしまうかもしれない人生の落とし穴。うっかりはまって自分の人生が台無しにならないためにはどうしたらいいのか。学生が巻き込まれやすい犯罪や学内における不審者について、学生支援担当係長の古田聖さんにお話を伺った。

 ——なぜ学生は宗教やマルチ商法に勧誘されやすいのですか。

 大学生は純粋だからです。僕たちの年齢になると、「そんなおいしい話なんてあるわけない」と直感的に気づきますが、大学生は人生経験が少なく、怪しそうな勧誘に対しても疑わないことが多々あります。

 ——どんな学生が狙われやすいですか。

 入学したての新入生は特に狙われやすいです。この前まで高校生だったので、犯罪に対して免疫がないからです。1人でいるときにに声をかけられたりします。

 ——どんな手口で勧誘してくるのですか。

  あくまでも一例ですが、大学生くらいの若い異性が新歓を装い、趣味や大学でやりたいこと、将来の夢などを質問してきます。そのあとにコンサートなどに誘うなどして連絡先を聞いてきます。聞かれた新入生は簡単に連絡先を教えてしまう傾向にあります。

 ——学校へ報告された事例はあるのですか。

 2014年に8号館で「学生が家庭教師のアルバイトを斡旋するので、アルバイトをしたい人は連絡先を書いてください」と用紙に連絡先を書かされることがありました。その結果、見知らぬメールアドレスからメールが届くようになりました。大学はアルバイトを斡旋した業者に、学生の連絡先をすべて削除するように求め、最終的に集めた名簿の回収に成功。電磁データ含めて廃棄するまでに至りました。

 また、新興宗教に巻き込まれ、「『出家しなさい』と言われている」といった相談もあります。

 ——もし勧誘されたときはどうすればよいですか。

 自分が少しでも怪しいと思ったら、断ったり逃げたりしましょう。安易についていくと、連れていかれた先で複数人に囲まれて、不利益な契約を強要されることもあります。また、すぐに個人情報を教えることのないようにしましょう。その後、学生支援課や関係機関などに通報しましょう。被害者に対して親身になって対応します。

 ——学内に怪しい団体やサークルは存在するのですか。

 かつては怪しいサークルが存在していましたが、そのようなサークルは教員や職員が解体させてきました。

 そのため、市大の中で行われている怪しい勧誘は部外者と思われます。「大学に委託されています」と言って声をかける人もいますが、そのように業者に委託することは決してありません。そもそも、市大の中で部外者が勧誘すること自体が禁止されています。もし見かけたらすぐに学生支援課に通報してください。

 ——市大生に気を付けてほしいことはありますか。

 盗難・置き引き等について、市大生は部室やロッカーに鍵をかけ忘れたり、財布を机の上に置いたまま寝てしまったりという、ケアレスミスがあります。部室の鍵をかけ忘れたがゆえに学祭の売上金を盗まれたり、ロッカーに鍵をかけずに部活に行き、帰ってきたら財布が盗られていたなどの事例があります。

 また、貴重品は必ず身に着けるようにしましょう。教室にかばんを置いたままトイレに行っている間にかばんごと盗まれることがありました。上回生が後輩に教えてあげることも大切です。

 最後に、新興宗教やマルチ商法の勧誘については、入り口の時点で怪しいと気づき、足を踏み入れないことが大切です。私たちはそれを辞めるようにアドバイスすることはできても、20歳を超えると基本的に自己責任でできるので、辞めることを強要することはできません。やってしまってからではもう遅いのです。「おいしい話はない」と心得ておきましょう。普通おいしい話があれば自分で独占すると思いませんか(笑)?

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学内にはマルチ商法や、カルト宗教、部室荒らし、盗難被害防止を啓発する掲示が貼られている。(写真はマルチ商法について)(廣瀬撮影)

 

【From editors】

 新入生は大学にも慣れてキャンパスライフを謳歌している頃だろうか。一方でマンネリ気味の大学生活に飽き飽きしている上回生もいるだろう。浮かれていて、あるいは退屈な日常を変えるべく、思わぬところから湧き出た「おいしい話」にうっかり手を出してしまった結果、深みにはまってしまうのはもったいない。家族も含めて不幸になってしまう。「怪しい人に連絡先を知られてしまった」等、もし不安なことがあれば、ぜひ学生支援課(学生サポートセンター一階)に相談してほしい。きっと親身になって聞いてくれるはずだ。(中村)

 

文責

廣瀬瞭汰、中村有里(いずれもHijicho)


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