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奨学金かえせる?


11月19日大坂市立大学の840教室にて「奨学金かえせる?」の説明会&相談会が同大学の学生団体HRDP主催で行われた。弁護士の山田治彦さん中西基さん、司法書士の徳武聡子さんが招かれ、奨学金についてやその返済方法、返せなくなったときの助言がなされた。

奨学金の今。これが奨学金の正体だ!

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写真=山田治彦弁護士

山田さんは奨学金制度の現状と課題について語った。奨学金を受給している大学生の割合は年々増加傾向にあり、その数は全体の約5割に上る。学費を支払うのが難しい状況であっても、大学進学を選択する者が増えているようだ。その背景には高卒での就職が困難になってきているという、日本社会の高学歴化が一因としてある。そして、それと同時に発生しているのが、今回のテーマでもある奨学金返済滞納者の増加だ。これには自分で借りたお金なのだから自己責任であるとの批判もあるが、奨学金制度自体にも多くの問題点が存在する。例えば奨学金返済にあたって、6ヶ月以上滞納してしまうと年率10%の利子が課されるという厳しい措置がとられることになっている。また、返済の順番は延滞金、利子、元金の順と定められているので、なかなか元金を返すことが難しい。返還期限の猶予や減額返還制度、延滞金減免、返還免除などの救済措置も存在するが、利用条件や期間が限定されている。そして、これらの措置が十分に周知されていないことが現状である。この他にも奨学金制度には様々な問題が指摘されており、今後改善していく必要があるだろう。

しかしながら奨学金返済滞納問題はその制度や個人の責任だけでなく、就職難や世帯収入の低下などといった、日本が抱える社会問題とも大きく関係している。奨学金返済滞納問題とは、もはや奨学金制度のことだけでは語れない問題なのだ。奨学金制度のことについて考えるには、様々な視点からとらえていく必要があるであろう。

返せなくなったらどうするの?

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写真=徳武聡子司法書士(左)

では、奨学金を返済することが難しい状況に陥った場合、どうすればいいのだろうか?想像すらしたくない未来であるが、奨学金を借りている身としては必ず抱く不安である。そんな不安に対して、徳武さんは具体的な解決方法を力強い言葉とともに語った。徳武さんが強調したことは、「奨学金は借金であり、必ずなんとかすることはできる」ということである。どうしても奨学金を返済することができなくなったときの法律上の措置としては、

・自己破産
・個人再生
・特定調停

などがある。しかし注意する必要があるのは、自己破産や個人再生の手続きを行った場合でも保証人の責任まで免除されるわけではなく、結果として保証人に請求がいくということだ。そのため、親や親戚が保証人になっている場合はこれらの手続きを選択しにくい。そういった場合は機関保証を利用するという手があるが、保証料が必要なので返済額は増えてしまう。とはいえ、奨学金返済が困難になった場合にも必ずなんらかの対処法はあるのだ。自分一人で抱え込んで身動きのとれない状況に陥ってしまう前に、弁護士や司法書士の方々に相談してしかるべき処置をとってほしい。

奨学金と向き合う

様々な問題や不安があったとしても、やはり経済的に苦しい状況にある人が大学に進学するためには、奨学金制度は必要不可欠である。また、同制度によって多くの若者の将来の選択肢が広がっているのも事実だ。しかし奨学金とは借金である。この認識が甘いままで安易に借りてしまう者が多いというのも、借りる側の問題としてある。現在奨学金を借りている学生は、今一度、自分が卒業してからいくら返さなければいけないのか調べてほしい。そうして自分の返済しなければいけない金額と向き合った時、漠然と将来に不安を感じるのではないだろうか。しかし、必ず解決手段はあるのだ。そして、私たちが今のこの状況を訴えるような行動を起こせば、日本の奨学金制度が改善されるかもしれない。今後奨学金を借りる学生のためにも、奨学金制度改善に向けて私たちに何ができるか、考える必要がある。

文責

大塚成美 (Hijicho)


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