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ランキングから見る大阪市立大学


「本当に強い大学総合ランキング(2013年)」 (『週刊東洋経済』2013.11.02特大号) において市大が昨年の33位から大躍進して19位にランキングを上げた。また、「就職に強い大学総合ランキング(2013年)」 (『週刊ダイヤモンド』2013.10.12特大号) において市大は7位 (公立大学としては1位) を獲得した。そのほか当新聞でも以前取り上げたが、アジア地域の大学ランキングでは69位にランクインした。

今回そういった大学ランキングに注目し、ランキングから市大の姿を見つめてみる。

本当に強い大学総合ランキング 19位

上述したように、『週刊東洋経済』「本当に強い大学総合ランキング」で、市大は19位となった。このランキングは「教育力」、「就職力」、「財務力」の3点から大学を評価したものである。それぞれの項目について3~4項目の指標を設定し、計10項目の指標を偏差値に換算し、その合計を10で割ったものを総合ポイントとしてランキングにしている。

教育力は3項目に分かれている。ひとつは「教育研究充実度」で、各大学が教育や研究にどれだけお金を使っているかを示している。次に「科学研究費補助金」で、大学の研究者や研究グループに国から交付される補助金を示している。最後に「教員一人当たりの学生数」があり、数値が低いほど学生に対する教員のサポートが手厚いと考えられる。

就職力は「就職率」、「上場企業役員数」、「主要企業404社への就職率」の3つの項目から成っている。「就職率」の高さは大学選びにおいて重要視される項目のひとつであり、就職率をPRとして打ち出す大学も少なくない。

財務力は4つの項目がある。「志願者数増減率」は各大学への志願者数を5年前と比較したもので、収入に直結する大事な指標である。ほかに、「経常収益率」、「自己努力収入比率」、「自己資本比率」がある。

市大の場合、例えば就職支援が手厚い。就職支援室は各種就活関係のセミナーや、個別指導などに力を入れており、それが評価につながったのだろう。また、公立大学の特徴である少人数教育 (評価項目でいう「教員一人当たりの学生数」) も、他大学と比較して突出しているというわけではないが、評価を上げることにつながったと考えられる。

就職に強い大学総合ランキング 7位

続いては同じく上述『週刊ダイヤモンド』の「就職に強い大学総合ランキング」において、市大は7位となった。ちなみに公立では1位となる。ランキングでは「上場企業就職率」、「公務員就職率」、「国家公務員就職率」も同時に発表しており、「上場企業就職率」ランキングでは30位に、国家公務員就職率」ランキングでは19位に入っている。

このような結果になった要因として、先述した就職支援室や、生協主催の公務員講座など、充実した就職支援体制が考えられる。

また、これは大学ランキングとは違うが、「人気業界に強い部活」ランキングというものが発表されており、ラクロスや硬式野球、サッカーをはじめとした運動部が上位を独占している。運動部の活動がそのまま就職活動に活かせたり、OB/OGとのつながりが強いことがその要因となってりうようだ。市大にも多くの運動系の部活があり、それもまた就職率の高さを助長したのかもしれない。

ランキングが全てではない

先述したように、例えば偏差値 (入学難易度) が低い大学が必ずしも教育の質が劣るわけではない (その逆も然り) 。「市大統合から国の成長戦略まで 今、注目を浴びる大学ランキング ~市大アジア69位ランクイン~」の記事でも述べているが、ランキング (数値) では測れない部分で魅力を兼ね備えた大学というのはいくらでも存在するだろう。また、その大学に通う人自身にもよってくる。すなわち、いくらいい大学に在籍していても、そのいい部分を活用していなければ意味はないし、逆にランキングで評価されない大学であっても、そのいい部分をフルに活用していれば、その人にとってはそこでの大学生活は充実したものになるだろう。

また現在の「大学全入時代」、大学の「競争と淘汰」の時代において、各大学が「教員中心」から「学生中心」へと視点を変え、教育の質を上げたりするなど、大学改革に乗り出している。特色のある大学が増え、学生たちの選択の幅は広がっている。偏差値や就職率などのランキングだけにとらわれず、オープンキャンパスなどの機会を活用し、自分の目で行きたい大学を見極めることが大切である。それは大学も同じで、ランキングにとらわれることなく、各大学の特色を打ち出していくことが大切であろう。

参考

『週刊東洋経済』2013.11.02特大号
『週刊ダイヤモンド』2013.10.12特大号

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文責

橋本啓佑 (Hijicho)


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