前期の期末試験・レポートがひと段落つき、大学生にとって待ちに待った夏休みが到来した。しかし、とどまることを知らない新型コロナウイルスの猛威を背景に、大都市圏を中心に緊急事態宣言が発令された。それでも、昨年の春発令された最初の緊急事態宣言とは大きく異なり、街は人で賑わい、感染者数もなかなか減らない。今回、我々は本学の学生に直接インタビューし、大学生のリアルな声を皆様にお伝えする。そして、そこでわかった今の日本のコロナ対策の問題点を分析する。(※本記事は令和3年9月初旬に執筆しております。)
Mさん(理学部・4年生)
――緊急事態宣言が発出されていますが、どこかへ遊びに行きましたか。
遊びには行ってないです。院試前だったので家か大学にいました。
――外出を自粛しているときは、何をして過ごしていますか。
今回の緊急事態中は勉強をしていました。他のときは研究室はあるので研究室に行くか、バイトをするかが主です。なにもなく本来なら出かけていたような日は、家で家族と話したり、読書をしたりすることが多いですね。友だちとオンラインで話すこともあります。
――緊急事態宣言が解除されたら、どこへ遊びに行きたいですか。
コロナ禍になってから全然行けていないので、博物館に行きたいです。
――大学のサークル、学部での集まりなどはありますか。
ないです。院試のときに学科の子が同じ教室に集まったといえば集まりましたが…。
――全体的に自粛を我慢できないというムードがありますが、ほとんどの人が自粛していた1回目の緊急事態宣言と今回の緊急事態宣言では、自身の中で何か違いはありますか。
あまり大きな違いはありません。私はもともと家で過ごすのが好きで、人と会ったり出かけたりすることをそれほど自分の中で重要視していないところがあります。話したい人とはオンラインでも交流はできますし。ただ緊急事態宣言でも必要なときはやはり外出しないといけないとは思うので、他を自粛すれば良いのではないかと思っています。
――政府に対して、学生目線での意見をお願いします。
私は政府の皆さんも無理をなさらないでほしいと思います。コロナはとても難しい問題で、きっとどんな対策を取っても何かしらの批判が出てしまうと思います。もちろんその中でも最善を選ぶのが政府の仕事だとは思いますが。無理をなさらず、頑張っていただきたいです。
Oさん(法学部・4回生)
――緊急事態宣言が発出されていますが、どこかへ遊びに行きましたか。
資格試験の勉強が忙しいので、他の人と遊びに行くことはほとんどありません。
――遊びに行く場合、どういった場所へ遊びに行きまし たか。
もし遊びに行くとしても大阪近郊の飲食店や商業施設などがほとんどです。
――外出を自粛しているときは、何をして過ごしていますか。
資格試験の勉強を中心として、他にはネットサーフィンなどをして過ごしています。
――緊急事態宣言が解除されたら、どこへ遊びに行きたいですか。
不要不急であるかは全て自身の判断によっているため、 緊急事態宣言が解除されたとしても意識に変化はありま せん。
――大学のサークル、学部での集まりなどはありますか。
サークルはすでに引退しているので集まりはありません。学部の授業もすべてオンラインになったので、学部での集まりというものもありません。
――全体的に自粛を我慢できないというムードがありますが、ほとんどの人が自粛していた1回目の緊急事態宣言と今回の緊急事態宣言では、自身の中で何か違いはありますか。
これほど緊急事態宣言が乱発されれば意識が変わるのはやむをえないかと思います。私自身も、緊急事態宣言がもはや日常であるかのように感じています。
――政府に対して、学生目線での意見をお願いします。
若者に対しての締め付けが強すぎると言われていますが、若者の投票率からすればこうなることは必然ではないでしょうか。政府の対応に不満はありますが、最終的な責任はやはり有権者にあると思います。
Yさん(法学部・2年生)
――緊急事態宣言が発出されていますが、どこかへ遊び に行きましたか。
青春18きっぷを使って、金沢へ行きました。高校の友達と3人で行きました。もともと、福井の恐竜博物館へ行く予定だったのですが、休館しており金沢へ変更しました。こういった博物館などのレジャー施設は地方のほうが閉めていることが多いと感じます。都市部から人が来ないように対策しているのでしょう。また、1人で琵琶湖一周の旅もしました。これも青春18きっぷを使いました。金沢もそうでしたが、施設を目的に行くというよりかは、その観光地の自然を楽しむということが多かったです。
――外出を自粛しているときは、何をして過ごしています か。
たまに、家に誰もいないときは自分でお昼ご飯を作ったりしました。バイトがかなりあったので、ほとんどバイトをして過ごしました。あとはYouTubeを見ます。
――大学のサークル、学部での集まりなどはありますか。
結局、前期は5回ほどでしょうか。前期最初の「大学始まるぞ~!」みたいな期間に1度行き、それから緊急事態宣言となり、7月に少し行けたぐらいです。夏休みは、基本的に活動はないです。やはり、サークル活動をして、そのあとに遊びに行ったり、ご飯を食べに行ったりしたいです。プライベートで遊ぶほうがいいかなと最近は思います。法学部での集まりは、まったくないですね(笑)。
――全体的に自粛を我慢できないというムードがありますが、ほとんどの人が自粛していた1回目の緊急事態宣言と今回の緊急事態宣言では、自身の中で何か違いはありますか。
1回目の緊急事態宣言中は、両親もずっと家で自粛していました。そこが大きな違いだと感じています。去年の夏休みに感染も落ち着き、それ以来自粛ムードは無くなった気がします。授業がある期間は、オンライン授業がほとんどなので授業を受けるために自然と家で籠ることになります。かなり外出を自粛できていると思います。 夏休みなどの長期休みと授業期間では、こういった差があります。今は、正直自粛できませんよ。
――政府に対して、学生目線での意見をお願いします。
うーん、その場その場の対策になっている気がします。ただ、個人的には政府の対応は仕方ないのかなと、同情的に思ってしまうところが大きいです。結局、日本はロックダウンなどの強い対策措置ができませんし、そのへんは仕方ないのかなと思います。一方で、政府も危機感を煽るようなことを発信しないので、そこが、多くの人が外出を自粛しなくなった要因につながっていると思います。テレビなどでは、以前はコロナの危険性を訴えていたのに、オリンピックが始まるとそういった話題はなくなってしましました。オリンピック開催を批判していたコメンテーターが、手の平を返すようにオリンピックの話題で盛り上がっていたりする様子を見て、テレビの報道も政府に動かされているのかなと感じました。オリンピックを開催したこと自体は、すごくよかったと思います。
インタビューを通して(編集後記)
インタビューに答えていただいた学生に共通していることは、緊急事態宣言中の生活と平常時の生活に差を感じなくなっている点だ。本来ならば緊急事態宣言がいつからいつまでなのか、はっきりと覚え知っていることが当然だろう。だが、それを覚えている学生はどれほどいるだろうか。また、政府に対して好意的とまでは言えなくても同情的であったり、仕方ないという意見も共通してみられた。新型コロナウイルスという未曾有の大災害に対して、対応が後手後手になってしまうのも理解できる。だが、我々は常に過去を振り返り政策1つ1つを検証しなくてはならない。その上で選挙に行き、一票を投じることが日本の未来を決めることに繋がる。選挙権を持つ学生の皆さんは、ぜひ選挙へ行ってほしい。白票でもいい。それが、誰一人支持に値する政治家がいないという意思表示に繋がるからだ。
文責
片山翔太(Hijicho)
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