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寄稿連載 ◇ ワシントン大学留学記 (第6回) 〜日本の若者は海外を舐めすぎている!?海外滞在に潜む危険な罠〜


今日は留学中に直面した事例を踏まえて海外滞在で起こりうる危険について書いていきます。海外滞在は人を大きく成長させますが、けして楽しいことばかりではありません。この記事を通じてその危険性についても認識してもらえれば、と思います。

LAで遭遇!不用心すぎる日本人学生

夏休み中、LAを旅行していたときのことです。宿でのんびりくつろいでいると、23時頃に憔悴した様子の日本人旅行者が飛び込んで来ました。話を聞いてみると、彼は日本の某超一流国立大学の学生で、夜遅くに宿の予約なしにLAに到着。地理も詳しくないし、知り合いもいないし英語もろくにできないので、泣きそうになりながら夜のLAを彷徨い続け、やっとの思いでこの宿にたどり着いたとのこと。

はっきりいってこれ、危険すぎます。

アメリカといえば先進国で豊かな国、というイメージが日本人には強いかもしれませんが、アメリカは銃社会だし、ドラッグも日本以上に蔓延していて、地域によっては治安が非常に悪いところもあります。僕自身、道を歩いていて「ドラッグを買わないか」と言われることもありますし、置き引きで財布を盗まれた友人や振り込め詐欺未遂にあった友人、男に無理やり車に連れ込まれそうになった女友達なんかも身近にいます。6月には留学先のワシントン大学通りで銃の乱射事件があり、4人の方が犠牲になりました。

そういったことも考えると土地勘もないアメリカの都市を夜一人歩きするなんて非常に危険です。どこの国に行くときであっても到着は必ず明るいうちにしたほうが無難ですし、もし夜に到着するのであれば空港で夜を明かすorちゃんと出迎え・宿の手配をする、といった対策をすべきです。やはり日本は安全すぎるので日本の若者は平和ボケしているのかもしれません。

それに加え、メディアの過剰なまでの海外礼賛。「海外は楽しいところだ」というイメージが染み付いているので、安全策を講じずに痛い目を見るのかもしれません。それとも、海外で危険な旅程を組む自分に酔っているのでしょうか?海外で危険な経験をしたとしても、そんな蛮勇を誰も評価してくれませんよ。

日本人留学生はカモ!「アメリカン・ドリーム」をダシにした甘い罠

アメリカといえばビジネスの最先端。金融の中心地であるウォール街、IT産業のメッカ・シリコンバレーがアメリカにはあり、facebookの創業者のように若くして成功して大金を手にする者も多いです。人はそれを「アメリカン・ドリーム」と呼びます。

その一方で、「アメリカン・ドリーム」をダシに悪徳商法が蔓延する国でもあります。実際に先日、そういった類の勧誘を受けたのでその事例を紹介します。アメリカ留学を検討している方にはぜひ気をつけてもらいたいと思います。

ある日のこと、アジア系アメリカ人の友人ジミーから食事の誘いが来ました。ジミーは英語、ベトナム語、中国語の3ヶ国語を使いこなしワシントン大学で苦学して経済を専攻し、今年の6月に卒業した秀才。いつものように世間話からはじまり、将来の話になるとジミーがこう切り出しました。

「トシキ、俺たちアジア人がアメリカで成功する上で一番大事なのは何かわかるか?」(目がギラつきはじめるジミー)
「えっ、えーと…勤勉さ、かな?」(いつもと違うジミーの様子にちょっと動揺する筆者)
「金だ。資本主義大国のアメリカでは金こそ全てなんだ。金があれば何だって買えるし、女にもモテる。地位だって手に入る。」
「お、おう…」(迫力に圧倒されるチキンな筆者)
「なあトシキ、俺と一緒に起業しないか?起業してアメリカン・ドリームを掴もう。そして腐ったこの国を買い叩くんだ。Greed is good!」

ジミーはギラギラした様子でビジネスプランを説明してきます。なんでもAという会社と契約し、その会社の商品を購入、購入した商品を自分の知り合いなどに販売することで利益を上げようというもの。今度そのセミナーがあるのでぜひ参加してみないか、ということでした。

そのセミナーに参加して、洗脳まがいの研修を受け、無理やり大量の商品を購入させられることは目に見えているので、適当にはぐらかしてその日は別れました。こういった商法では知り合いも少なく、現地の法律に疎い留学生がターゲットにされるようですね。NOと言うことが苦手な日本人は格好のカモ、というわけです。

このようにアメリカではたくさんの危険が潜んでいます。しっかりとアンテナを張り、楽しい海外経験を積みたいものです。

どうすれば海外で危険な目に会うのを避けられるのか

大前提として、海外で人を簡単に信用すべきではありません。私はベトナム、インドなどにも行ったことがありますが、日本人に近づいてくる外国人はなんとしても金を巻き上げようとする人がほとんど。中には親切な人もいますが、海外に出る際には相手の表情、服装、口調などからその人物が信用できるかどうかを判断することが大事です。

あとは危険地域をきちんと調べること。日本でもそうですが、アメリカでも犯罪が多発する地域とそうでない地域があります。それを調べて、そういう治安の悪い地域には行かないようにすること。知らずにそういう場所に入ってしまっても、直感で「ここは危ないな」と感じたらすぐに撤退すること。できるだけ2人行動を心がける、夜間での一人外出は避ける、といったことも基本です。特に女性の方は要注意なのですが、服装にも注意を払いましょう。日本人は留学や旅行などで海外に来ると、ついついオシャレに気を使いがちなのですが、派手な格好をしてしまうと目立ってしまい、犯罪行為の対象になる可能性が高くなります。オシャレしたい気持ちもわかりますが、海外では地味な格好での移動を心がけたほうが無難です。

写真=旅行で訪れたシカゴの夜景、アメリカは危険が多いが、しっかり準備すれば旅行するには最高の国だと思う (筆者写す)

文責

松井としきさん (商学部2010年入学)

筆者の関連サイト

ブログ「Toshi’s blog」
(http://toshimichi1106.blogspot.com/)
Twitter「@toshiki_matsui」
(https://twitter.com/#!/toshiki_matsui)


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