皆さんは「国際交流」と聞いてどんなイメージを持つだろうか。コロナで機会が減った? 英語が不安? 何だか難しそう? 大阪公立大学には、ICT(情報通信技術)を駆使して海外学生と協働する「COIL(コイル)」という取り組みがある。COILでは、どのようにしてICTを海外交流に役立てているのだろうか。COIL推進室の先生と活動に参加する学生を取材した。 今回は先生方へのインタビューの後半をお届けする。 |
※インタビューの前半はこちら!
国際交流の一歩を踏み出そう!大阪公立大学のCOIL型教育とは?①
今回お話を伺ったCOIL推進室の先生方
布施邦子先生 大阪公立大学 国際基幹教育機構 特任講師
ウォレスタッド千鶴子先生 大阪公立大学 国際基幹教育機構 特任講師(在外)
☆国際協働演習について
社会課題に関する知識を深め、論理と気づきにより解決する能力を養う授業。同じテーマについて海外の学生と一緒に考える。
ーー国際協働演習に参加する学生はどのような人が多いですか?
【布施先生】
市大生に対しては全学で開講されている科目なので(2022年3月時点)、様々な学部の学生が参加しています。シラバスに「海外の学生さんと協働する。」と書いてあるので、それを見て「面白そうやな~」と参加してくれる方が多いです。
ーー国際協働演習はどのような学生におすすめですか?
【布施先生】
「海外の人と仕事をすることは一生ないだろう。」と考える人こそ、海外交流に参加してほしいです。
市大は、大学の成り立ちもあって地元志向の人が多いようで、それはそれで良いことなのですが、同じ地元に貢献するのなら海外を知っていた方がいいと思うんです。国際志向の方は自分から参加してくれますから、そうでない方に参加を呼びかけたいです。
国際協働演習はグループで活動しますから、外国語が苦手な人も大丈夫です。苦手な部分は補いあって活動できますよ。
☆ランゲージテーブルについて
米国の大学生と大阪公立大学の学生との文化・言語交流。オンライン形式で自由なテーマで会話をする。大阪公立大学の学生は、ボランティアとして参加し、日本語を学ぶ米国学生の会話パートナーとなる。英語力の向上と異文化交流の場となっている。
ーー参加したいけれど英語が不安…そのような学生も参加して良いのでしょうか?
【千鶴子先生】
もちろん、参加してください!
学生はランゲージ・テーブルに参加して、大きく分けて6つの気づきがあったようです。
まず、1つ目は、自国の文化と母語への気づき。海外から見た日本を知ることによって、もっと日本を好きになった、もっと知りたくなったと思う人が多いです。さらに、日本語を学ぶ海外の学生とは外国語を学ぶ難しさも共有できますから、英語に不安がある方でも安心して参加できると思います。
2つ目は、自国と他国の比較による学び。教科書から学べないことをリアルタイムで学ぶことができます。そういったことが「authentic(本物)で楽しい!」と言う学生さんは多いです。
3つ目は、英語や学ぶこと全般に関する見解の変化です。「英語に自信がなくて、交流したいけれどできない…」と言っていた学生さんもいましたが、活動を始めると「passionさえあればどうにかなる。」と話すようになっていました(笑)。
4つ目は、コミュニケーションの大切さ。「消極的だったが少し積極的になれた。」「一歩踏み出せば何とかなる。」と言っていた学生もいました。これは、英語云々に関わらず、これから生きていく上でとても大切なことだと思います。
5つ目は、人とのつながり。今は特にコロナの影響で海外の学生と交流が減っていて、その中でランゲージテーブルという場があるのは本当に素晴らしいことだと思います。海外の学生から学ぶだけではなくて、日本の学生から学ぶことができるのも良いと思います。参加している全ての人から刺激を受けて、横と縦のネットワークを築くことができることが魅力です。
6つ目は、リーダーシップと他者への貢献。この活動は学生にリーダーシップをつけてもらうことも一つの目的としていて、最終回に行うクロージングセッションは、計画・準備・運営を学生さんに委ねています。「失敗も含めて、学びの多い有意義な時間だった。」と話す学生さんもいました。海外の学生さんの感想を聞いて、やりがいを感じている学生さんも多いです。
SIGLOCや国際協働演習に参加するのはちょっと不安…という学生さんにもおすすめです。週に1回1時間程度なので、就職活動と両立させている方もいらっしゃいますよ。
【布施先生】
週に何回か海外の方と話す機会があると、段々それが普通になってきます。「海外の方と話すんや!」という力みがなくなって、ルーティン化されるんですね。日本の学生は大学入学までに約6年間英語を学んできているはずですが、このような機会は少ないと思います。ランゲージテーブルは、学んだことを使って定期的に会話するのにぴったりな場だと思います。
まとめ
COILの活動では、国境を超えた「人と人のつながり」を大切にしていることが分かった。サポート体制が整っているので、語学に不安がある人も気軽に参加することができる。COILの活動は、日本にいながら海外の方と交流できる絶好のチャンスと言えるだろう。興味を持った方はぜひ活動に参加し、国際交流の第一歩を踏み出してほしい。
☆現在募集中の活動 ランゲージ・テーブルOMU学生ボランティア 申し込みはこちらから! |
文責
赤松みなみ(Hijicho)
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