HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

「知のダンディズムを目指せ!」~商学部宮川ゼミ・ディベート大会制す


2013年6月16日に開催された証券研究関西学連春季セミナー・ディベート大会にて、本学商学部の宮川ゼミが初出場し、初優勝を果たした。この大会は、日本証券業協会が支援する『証券研究関西学生連盟』が主催するものである。今大会では「株式上場会社は株主のためのものである。是か非か。」という論題に沿って競技ディベートが行われた。大会は4ブロック16チームに分かれ、7大学から参加した合計76名の学生によって争われた。宮川ゼミからは各ブロックに4チームが出場し、うち3ブロックを制覇し優勝を決めた。

宮川ゼミに所属し、今回の大会にも出場した蔵田美優さん (商・4)、松野峻典さん (商・4) にお話を伺った。

宮川ゼミ 松野さん・蔵田さん
写真=(左から)松野さん、蔵田さん

―宮川ゼミはどのようなゼミですか?
松野:宮川ゼミには、現在4回生11人、3回生12人が所属しています。

ゼミでは、コーポレート・ファイナンスという理論を学んでいます。企業がどのように資金を調達し、運用すれば最も企業の価値が高くなるのかということに関して、いろいろな理論があるんです。昨年度は実際の企業に関して分析を行い、企業に訪問して分析結果を報告する場を設けて頂いたりもしました。

ゼミは、ディスカッションを中心として進めます。文献や新聞記事を元にみんなで議論します。

蔵田:先生との距離もすごく近いです。先生と一緒に遊びに行ったり、飲み会をしたり。(笑) 宮川先生は気持ちがとても若くて、いろんなことをされるのが好きなんです。

―ディベートとはどのようなものなのですか?
松野:肯定側と否定側に分かれ意見をぶつけ合い、どちらがより良い論理を組み立てられたかを聞いている人が評価し、勝敗が決まります。立論、尋問 (質問) 、反駁 (フリーディスカッション) 、最終弁論という流れで、それぞれ時間が設定されており、1試合でおよそ1時間を要します。今大会では1チーム2回試合をし、肯定側、否定側どちらも行いました。

―実際にディベート大会に出場してみて、どうでしたか?
松野:最初は、戦って潰し合って相手より上に行く、というイメージだったのですが、実際にやってみて、そうではないことが分かりました。自分たちの意見が正しいという構造を作って、それを相手や聞いている人に見せることが重要なんです。個人的にはプレゼンのような雰囲気で、より相手にうまく伝えることを意識しました。

蔵田:肯定、否定どちらが正しいとは言えない問題を扱うので、いかに自分達の論理で相手や聴衆を説得できるかにかかっています。論理構成にしても、最も効果的な3つを選び、その3つをより効果的な順番で並べて相手を攻めなければいけません。普段のゼミでは、議論と言っても、自分が感じたことを素直に言うというのが基本ですが、ディベートでは間違ったことを言ってしまうとそこが綻びとなって負けてしまうこともあるので、言葉の重みを学びました。

ディベート中はずっと頭をフル回転で使いますね。気を付けた点といえば、チョコレートを当日たくさん持っていきました。(笑)

―大会に臨むにあたって、苦労はありましたか?
蔵田:6人のグループでやっていたので、良かったことも大変なこともありました。反対意見は出れば出るほど深い準備ができるので、意見が対立するのは良いことです。

たくさんの文献を読んで準備していたのですが、ゼミ内で練習試合をしたときに、それまで自分たちで作ったものがどれだけ弱かったのかを思い知ったときはつらかったです。そこから本番まで、また一からやり直しました。

松野:自分たちの考えを整理したあと、相手がどのように攻めてくるかを考え反論を準備する過程では苦労しました。「これが正しい」と主張していても、実際は正しくないことが分かっている場合もあるので、いかにこちらの論理が間違っていないように返せるかがポイントです。

文献を読み、グループ内で議論しながら、攻め方、相手からの攻められ方を考えていきました。

―大会を通して得られたものはありますか?
蔵田:私の中では、2つありました。一つ目は、論理的な思考が実感できたことです。論理的な考え方はゼミでも学んでいましたが、相手の反論への返し方、自分の意見のまとめ方、論理の取捨選択など、実際に行うことができました。

二つ目は、ゼミ内で仲良くなれたことですね。3回生と4回生の混合チームを組んだので、ゼミに入りたての3回生と触れ合うことができました。教える立場になって得られることも多かったです。

松野:どんなことでも、必ず根拠を持っていなければならないということを学びました。感情論ではディベートに勝てないです。これはディベートだけの話ではなく、普段のゼミや自分の考えの中にも必要なことだと感じました。

また、ゼミ生の結束が強まり、雰囲気もよくなりました。ゼミの中で3回生、4回生が合同で議論する時間があるのですが、そこでの議論が活発になったように思います。

―優勝したときはどんな気持ちでしたか?
松野:一か月以上かけて最後の最後まで準備してきたことが、他の人に評価され、優勝という目に見える形になったのは嬉しかったです。ディベート大会は楽しかったですね。

蔵田:すごく嬉しかったのとほっとしたのとでした。負けず嫌いで、やるからには勝ちたいと思っていたので。また、唯一の女子チームであり、ちゃんと引っ張っていかなければいけないというプレッシャーがありました。

―強豪チームが揃う中で、勝利の秘訣はどこにあったと思いますか?
蔵田:今までこの大会に向けて準備にかけてきた時間と量だと思います。それと、全員で戦ったことですね。雰囲気づくりを大切にし、意見を求められたときには全員が挙手しました。誰が当てられても答えられるだけの準備はしていましたね。「いかに相手を説得するか?」ということを常に念頭に置き、議論の際も語りかけるように話しました。

松野:僕のチームでも、準備量の違いは感じました。宮川ゼミはどのチームも1ヶ月以上かけて準備しました。自分たちの考えをまとめ、相手チームと聴衆に配る立論用レポートというものがあるのですが、どうやったら見やすくなるか、説得力のある文章構成になるかということにもこだわって作りました。そういったことも、勝利の要因だったのではないかと思います。

蔵田:あとは、終わった時に笑顔で「ありがとうございました」と言える試合を心掛けていました。

松野:喧嘩腰ではなく、相手の意見も受け止めつつそれに対して論理的に返していく、礼儀正しさを大事にしました。このようなディベートの姿勢はゼミ内での練習試合の際に宮川先生に教わったのですが、終了後、審査員の方からも誉めていただけました。

―今後、宮川ゼミをどんなゼミにしていきたいですか?
松野:個人的には、”前のめり”なゼミです。議論の際に自分の意見を積極的に出し合うことはもちろん、ディベートや遊びなどの企画にも常に全力で挑戦していけるようなゼミでありたいですね。

また、論文にしても、ディスカッションすることでその人の研究をもっといいものにできます。ゼミ生全員で一つのものを作っていこうという意識が強いし、もっとそうありたいです。

蔵田:先生の言葉に「知のダンディズム」というキーワードがあります。今回のディベートを通して、私なりに礼儀正しさを大事にしながら、自分の考えを論理的に相手に伝える姿勢なのではないかと解釈しました。相手のことを考えられる人間性を持った人の集まりになっていきたいですね。ゼミ生同士、高め合える存在でいたいです。

From editor

今回は初めてゼミに迫りその活動などを聞いたが、宮川ゼミはとても積極的なゼミ活動をしていた。ディべート大会は特筆すべき功績であるが、他にも市大には様々な活動をしている特色あるゼミが多い。少人数で議論し、お互いの長所を高め合うことのできる場。それは、部活やサークルで得られる仲間意識や縦の関係とはまた違ったものなのかもしれない。
学問を通じて切磋琢磨し合えるというのは、まさに大学生に与えられた特権ではないだろうか。

これを読んでいる人の中には、今ゼミに入っている人にも、これからゼミに入る人もいるだろう。学部によってはコースや研究室などに分かれるかもしれない。やりたいことを見つけ、全力で打ち込めば、今までとは違った学びが体感できるはずだ。せっかく大学に来ているのだから、与えられたこの環境を有効に使おう。

参考URL

大阪市立大学 – 新着情報2013年6月28日
証券研究関西学連ディベート大会で商学部宮川ゼミが初出場、初優勝!
http://www.bus.osaka-cu.ac.jp/ja/mygw-sm1306re4.pdf

宮川壽夫研究室 – 大阪市立大学商学部
http://miyagawa-semi.justhpbs.jp/index.html

文責・写真

長澤彩香 (Hijicho)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る