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寄稿連載 ◇ ワシントン大学留学記 (第4回) 〜市大はほんまにグローバル人材を輩出できんのか?〜


平凡な市大生が1年留学したら英語はどこまで伸びる?

おそらく幼少の頃から質の高い英語教育を受けてきたり、帰国子女だったりする市大生はほとんどいないと思います。僕のように中学になってはじめて英語に触れ、日本式の受験英語をひたすら勉強してきた人がほとんどだと思います。そのような市大生が1年留学したらどのレベルまで英語力が伸ばせるものなのでしょう?

結論としては、「ブロークン(※)でもなんとか意思疎通できるレベル」だと思います。その理由について僕なりの考えを書いていきます。

※ブロークン…外国語などで文法がでたらめなこと

この記事は、松井としきさん (商学部2010年入学) から寄稿していただきました。
彼は2012年4月から1年間ワシントン大学に留学します。
全8回の連載を通して、海外留学についての魅力を伝えていただきます。

「1年も留学したら英語ペラペラなるんちゃうん?」
僕が出発前によく言われたことです。たしかに留学すれば英語の上達は見込めます。しかしながら留学3ヶ月目を迎えた僕の考えでは、たった1年の留学でネイティブ並みに英語を話せるようになるのはまず不可能だと思います。最大の理由は日本の英語教育。私たちは中高と6年間英語を勉強してきましたが、これらは読み・書きに焦点を置いた暗記中心の英語。留学に来て受験で培った英語力に感謝することもありますが、「英語で話す」ことに関しては日本の英語教育はまったく機能しません。日本で生まれ育ち、市大に入れる程度まで受験英語を勉強した人間が、20代になって1年留学したとしてもネイティブ並に話すことはまず無理でしょう。

かといって絶望することもないかなと思っています。たとえ日本訛りのブロークンな英語でも障害はありますが意思疎通は可能。僕の今後の目標は、今のブロークン・イングリッシュに磨きをかけて実際の商談などで使えるいわゆる「ビジネスレベル」にもっていくこと。ブロークンであっても外国人にとってよりわかりやすく、実践的な英語を身につけることがこの1年間の留学における英語の面での目標です。


写真=休日に訪れたサンフランシスコ、ゴールデン・ゲートブリッジ
(筆者写す)

グローバルよりグローカル

グローバル化に伴い官界、財界をあげて「グローバル人材の育成」が叫ばれています。市大も例外ではなく第二期中期計画に「グローバル人材の育成」の文字が記載されています。果たして市大はグローバル人材を輩出することができるのでしょうか?

結論からいえば少し厳しいのではないかなと思います。

理由はお粗末な市大の留学制度、受験勉強の延長のような市大の英語教育などが挙げられますが、最大の理由は前述したように市大生の英語学習歴。世界に目を向ければ、幼少の頃よりグローバル人材となるべく英才教育を受け、欧米の名門大学に進学して切瑳琢磨し、2カ国語あるいは3カ国語を使いこなす、真の「グローバル人材」がたくさんいます。そういうエリートと比べると市大生は雑草魂をもった非エリート、同じ土俵で勝負して敵うわけがない。スタートラインが決定的に違うのですから、今さら「グローバル人材」を目指そうなんて目標設定の誤りも甚だしい。

ですからグローバル化の進展に伴って市大が目指すべきは「グローバル人材の輩出」ではなく「グローカル人材の輩出」だと思います。グローバル人材が流暢な英語を使いこなし、世界中どこでも通用する人材だとすれば、グローカル人材はブロークンな英語を使いこなし、軸足を母国または地方 (ローカル) に置きつつ世界 (グローバル) を相手に勝負する人材。現実的に世界と競争していくことを考えるなら、市大はそういう雑草魂たくましいグローカル人材の輩出に舵を切っていくべきでしょう。

文責

松井としきさん (商学部2010年入学)

筆者の関連サイト

ブログ「Go out of Japan and return to Japan」
(http://toshimichi1106.blogspot.com/)
Twitter「@toshiki_matsui」
(https://twitter.com/#!/toshiki_matsui)


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