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特集 青春18きっぷの使い方


11,500円でJRの普通・快速列車が5日分乗り放題の「青春18きっぷ」が今季も発売される。冬休みの旅行、帰省に利用されてみてはいかがだろうか。

1.青春18きっぷの基礎知識

1-1.青春18きっぷとは?
青春18きっぷとは、JRグループの普通・快速列車の自由席及びJR西日本宮島フェリーが乗り放題となる乗車券 (1枚で、1日有効×5回分) である。ただし普通・快速列車に設定されている普通車指定席やグリーン車自由席を利用する場合は、指定席券やグリーン券を別途購入することで乗車できる。なお、津軽海峡線の蟹田・木古内間、および石勝線の新夕張・新得間は、特急列車しか走っていないので、青春18きっぷだけで特急列車に乗車できる。毎年、春季・夏季・冬季期間を利用期間として発売されており、今冬の利用期間は以下の通りである。

青春18きっぷ 2011年-2012年冬季用


販売価格:11,500円
発売期間:2011年12月1日〜12月31日
利用期間:2011年12月10日〜2012年1月10日
販売場所:みどりの窓口、主な旅行会社、みどりの券売機、生協シェリーサービスカウンターなど

※その他の詳しい規定などに関しては、青春18きっぷに付属する案内または時刻表を参照していただきたい。

青春18きっぷは上記の販売場所の他に、一部の金券ショップでも取り扱われている。なかには、青春18きっぷの残り回数別の販売が行われていたり、使い切れなかった分の青春18きっぷを買い取ってくれるショップもある。一度、近場の金券ショップをあたってみてはいかがだろうか。

1-2.使い方
青春18きっぷ1枚で利用可能期間中5回 (人) まで利用できる。1回分は乗車日当日限り有効であり、何度でも乗り降り自由だ。また利用日は連続していなくてもよい。複数人で使う場合は同一行程で人数分の日付を入れれば1枚で使うことができる。つまり一人で5日乗っても、5人で一緒に1日乗ってもよい。また、2人で2回日帰り旅行をして、余った1回は1人で日帰り旅行をすることもできる。利用する場合には、利用日の最初の駅の改札で利用日のスタンプを押してもらう。自動改札機は利用できず、途中下車乗車の際にはきっぷを改札で駅員に提示する必要がある。

1-3.ダイヤの調べ方
乗り継ぎなどに関しては時刻表以外にPCサイトや携帯サイトでも確認できる。例えば、列車の時刻に関する検索サイトを運営しているジョルダン (http://www.jorudan.co.jp/) のHPには、青春18きっぷの利用を前提とした乗り継ぎ検索コーナーもある。

また携帯用として、各社から中・小型時刻表が600円程度で販売されている。

1-4.大阪駅から片道で何時間かかるのか?
普通・快速列車のみを利用した場合、大阪駅から各主要駅まで片道何時間かかるのかを、平日の午前7時に大阪駅を出発するとして試算した。所要時間は出発する時刻や、平日ダイヤか土休日ダイヤかによって変動するので、およその目安として考えていただきたい。

大阪駅からのおよその所要時間


東海・関東方面
名古屋2時間40分、津2時間40分、静岡5時間40分、横浜8時間45分、東京9時間20分

中国・山陰・四国方面
広島6時間20分、鳥取6時間40分、高松4時間30分、徳島7時間30分、松山9時間、高知11時間

北陸・信越方面
福井3時間45分、金沢5時間20分、富山7時間、長野8時間40分、新潟12時間30分

九州方面
博多12時間20分、大分14時間40分、長崎15時間40分

2.便利な列車・交通機関

2-1.夜行快速「ムーンライト」
ここでは「ムーンライトながら」「ムーンライトえちご」「ムーンライト信州」を紹介する。これらの列車は夜行快速であり、乗車券 (青春18きっぷ含む) と510円の指定席券のみで乗車することができる。車両には、特急型車両が使用されている。なお、指定席券は乗車する列車が始発駅を発車する日の1ヶ月前の午前10時に、みどりの窓口や旅行会社で販売が開始される。人気列車のため、早めに指定席を確保しておくことが望ましい。

「ムーンライトえちご」「ムーンライト信州」の始発駅は新宿駅である。青春18きっぷで利用する場合は、日中に新宿まで移動しその上で乗車する、またはムーンライトながらで早朝に東京に到着し関東を観光した上で乗るのが効果的だ。

ムーンライトながら
運行区間:大垣 (岐阜) 〜東京
運転日:上り (大垣→東京) 12月23日-1月9日、下り (東京→大垣) 12月22日-1月8日 
時刻:上り 大垣22:49発→東京5:05着、下り 東京23:10発→大垣5:53着

ムーンライトえちご
運行区間:新宿〜新潟
運転日:12月22日-1月14日、1月6日-9日
時刻:下り 新宿23:10発→新潟4:51着、上り 新潟23:36発→新宿5:10着

ムーンライト信州81号 
運行区間:新宿→白馬 (長野) ※下りのみの運行
運転日:12月22.29.30日、1月6日
時刻:新宿23:54発→白馬5:40着

※途中の停車駅、停車時刻は時刻表を確認していただきたい。また、各列車を利用の際は、必ず運行会社の公式サイトをご確認していただきたい。

2-2.その他の便利な交通機関
青春18きっぷで利用することはできないが、便利な交通機関として、いくつかのフェリーを挙げる。運賃が比較的安価であり、夜行便は寝ている間に目的地に到着することができるなど、旅行の際には非常に便利である。青春18きっぷと組み合わせてご利用してはいかがだろうか。なお今回取り上げたフェリー航路はごく一部である、全国の旅客船航路に関しては、社団法人 日本旅客船協会 (http://www.jships.or.jp/index.php) で調べることができる。

運航区間:神戸〜高松
運航会社:ジャンボフェリー(http://www.ferry.co.jp/index2.htm)
運賃:片道1,800円 (学割あり)

運航区間:舞鶴-小樽
運航会社:新日本海フェリー(http://www.snf.jp/)
運賃:2等 片道9,300円 (期間によって変動あり、学割あり)
※舞鶴までは、難波から有料のシャトルバスが運行されている。

運航区間:神戸または泉大津〜新門司港 (北九州) 
運航会社:阪九フェリー(http://www.han9f.co.jp/)
運賃:2等 片道6,200〜7,000円 (期間によって変動あり、学割あり)

3.旅行プランの立て方

日帰り旅行のプランニングを例にとって、どのように旅行のプランを立てるのかを説明しよう。

3-1.目的地の設定
まず最初に旅行の目的地を決める。日帰りの場合は、まず時刻表の路線図を見て、およそ帰ってこれそうな所に目星をつけると良い。その次に、時刻表で往復にだいたい何時間ぐらいかかるかを調べ、現地での滞在可能な時間を割り出す。ここで、関西圏からの日帰り旅行の目的地としておすすめの場所をいくつかリストアップしておこう。

おすすめの観光地

長浜 (滋賀県)
ガラス細工が有名であり、江戸時代の面影を残す古い街並みが美しい。ついでに東海道本線、北陸本線、湖西線を使って琵琶湖を一周するのもおすすめである。

金沢 (石川県)
兼六園や金沢21世紀美術館、ひがし茶屋町などが有名である。情緒あふれる歴史的な町並みが残っており、散策にはおすすめである。また、バス路線も発達しており、観光しやすい街である。

琴平 (香川県)
琴平にある金比羅宮は、奥社まで登ると1,368段にもなる長く続く石段の参道が有名である。参道の途中にも見所は多い。そして登りきった時の達成感は格別である。

呉・広島 (広島県)
10分の1スケールの戦艦大和が展示されている「大和ミュージアム」や、退役した潜水艦が展示されている「てつのくじら館」などがあり、軍港・呉の歴史を学ぶことができる。また広島市街まで足をのばしてみるのもよいだろう。

伊勢志摩(三重県)
世界屈指の規模を誇る鳥羽水族館や伊勢神宮、おかげ横丁などが有名である。来年のお正月は、初詣に伊勢神宮に参拝されてはいかがだろうか。

城崎温泉(兵庫県)
日帰り入浴ができる施設が多々あり、日帰りでも十分に楽しむことができる。またこの時期は日本海産のカニ料理もおすすめである。

3-2.往路の確定
目的地を確定したら、次に往路の乗り継ぎ方法を確定する。目的地までたどり着くのに複数の路線がある場合は、乗り継ぎ検索サイト等を利用して最短コースを割り出すのがてっとり早いだろう。地方の路線だと、普通列車の運行が極端に少ない場合もある。そのような時は、その区間だけ乗車券と自由席特急券 (特定特急券) または特急券を購入して特急で通過するのも一つの手段だ。

3-3.目的地での観光ルートを確定
目的地で、どのように観光するのかを確定する。検索サイトで「目的地 観光」で検索してみるとよいだろう。観光協会のサイトでは、観光ルートなどが紹介されている場合が多い。そのような情報は、観光におよそ何時間かかるかの目安として大変参考になる。余裕をもたせた観光ルートの設定が重要だ。

3-4.復路の確定
最後に復路を確定する。ここで最も注意しなければならないのは、終電はなるべく使わないことだ。もし何かトラブルが発生した場合、その日のうちに自宅に帰れなくなることもあるからだ。地方の路線だと、終電が比較的早い場合もあるので注意していただきたい。

3-5.応用
日帰り旅行のプランニングの方法について説明した。青春18きっぷは何度でも途中下車が可能だ。この特性を利用すれば、目的地以外でも往復の途中で降りて観光することも可能だ。また、泊まりの場合には、目的地を設定の上で宿泊地を決める、または宿泊地を決めた上で上記のような方法で目的地を設定するとよいだろう。

4.まとめ

今回、青春18きっぷの概要、利用方法について説明した。説明した通り11,500円でJRの普通・快速列車が5日分乗り放題と、大変リーズナブルである。冬休みに帰省や長距離移動の際に利用してみてはいかがだろうか。

そして青春18きっぷを使った旅行には、スローな旅ゆえの独特の楽しさがある。例えば、ローカル線に乗ると、車窓の風景や乗客たちの方言の交じった会話から、日本に存在するそれぞれの「地域」の個性といったものをより身近に感じることができる。そこにはそれぞれの人の営みがあると確かに実感できるのだ。

一見、青春18きっぷには普通・快速列車しか使えないという制約があるが、その自由度は非常に高い。この切符があれば日本中を旅できると言っても過言ではない。さあ、どう使うかはあなた次第だ。

文責

鶴木貴詩 (Hijicho)


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