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中卒議員!?現役高校生議員!?今、大注目の大阪府議会議員にインタビュー!


 今回は、大阪府議会議員として活躍する中川セイタさんにお話を伺った。彼のドラマチックな人生と大阪の未来にかける熱意に迫る。

中川セイタ大阪府議会議員

 

ーーなぜ中卒から議員を目指したのか、その生涯から経緯までを教えてください。

 

 僕は、中学校を卒業してから色々な仕事に就きました。なぜ高校に行かなかったのかというと、当時の中学校の担任の先生が嫌いで、どうしてもその先生の言う通りに自分の人生を生きたくなかったからです。進路面談のとき、高校に行かないことを言うと、止めてくれるのかな、と思っていましたが淡々と「そうか。」の一言で終わりました。その時、心の中で、なんやねんこいつ、と思いました。そこから、中学卒業以降、ペンキ屋の仕事をしたり、夜の仕事をやったりおろし市場、外交員、不動産などなど……。

 結婚し、家庭を持つようになると、新聞外交員として生計を立てるようになりました。その当時の販売店の体制は、現場の声が上層部に届かない窮屈なものでした。僕は、その現場の声を上層部に届けていたのですが、彼らは聞く耳を持たず、「このままが一番いいんや。」と自分たちの利益だけを考えていました。ある時、その販売店に本社から出向社員が来ました。彼は、そういった目先の利益にとらわれることなく、「現場の声を聞き入れないとはどうゆうことや!」と大きく会社を変え、現場の社員の声も届くようになりました。まさに、改革と呼べるものでありました。そんな姿を見て、漠然と改革者に憧れるようになりました。

 その後、大阪の地に颯爽と現れた橋下徹を目にし、彼に強く憧れるようになりました。そして、彼が組織した大阪維新の会として議員を目指すことにしました。しかし、世の中の常識では大学を卒業して、議員を目指すのが一般的です。これは、議員に限らず、あらゆる職業でも同じことが言えます。僕が議員を目指すというと、ほとんどの人に笑われました。ですが、そんな常識を変えたかったのです。無限の可能性にチャレンジしたい、中卒でも、そういった壁を乗り越えれば議員になれるんだということをみんなに伝えたいと思いました。議員になるまでにも色々あったけど、チャレンジすれば何かしら得るものがあるということをみんなに知って欲しいと思います。みんなも、その可能性にチャレンジしてほしいです。

 

ーーコロナ禍における大学のあり方について、どうお考えですか。

 

 これは、大学に限らず小学校、中学校、高校も含めて大きな学校制度の転換のきっかけになると思います。また、コロナをきっかけとして大きく変えていけたらいいなと思います。現在、大学で広く普及しているオンライン授業を、小中高でも拡大させたいと考えています。もちろん、以前のようなキャンパスに人が集まる姿も大切ではありますが、オンライン化がコロナをきっかけに急速に進んだことは非常によかったと思います。やっと日本の教育が世界に追いついたな、と感じます。かつてない教育の転換がコロナをきっかけに進んでいくと思います。

 

ーーサークル活動や大学祭などの楽しみがすべて奪われてしまっている状況にあります。どうすれば、活動できるようになりますか。例えば、感染症対策のチームを学生で組織し、学生が主体的に感染症対策をしているというアピール団体を組織しましたが、結局緊急事態宣言が発出されれば、すべての努力も無駄となり、活動停止を余儀なくされました。感染状況によっては、大学祭の開催も怪しいです。「withコロナ」という空気感で社会を進めていったほうが賢明なのではないでしょうか。

 

 これはほんとにその通りだと思います。コロナ社会はすでに2年目に突入してますよね。最初の1年でいったい何を学んだのか、という話です。1年間コロナを経験して、なぜプロ野球は良くて高校野球はダメなのか、とかオリンピックは良くて……ということになってきますよね。もしリスクをとってやっていくのであれば、政府・与党も含めて覚悟を持って取り組んでいただきたいなと思っています。1年経験したことを踏まえて、もっと政府がはっきりと方向性を示すべきだと思います。ただ、去年を振り返ると全国一斉休校をしましたが、現在は1人感染者が出ると、3日休校とか、一部では進歩が見られると思います。国がもっとはっきり、しっかりと方針を決めて欲しいです。僕たち地方自治体は国の方針に基本的に従いますので、国の方針がブレブレだと僕たちもブレブレになってしまいます。とにかく、国は1年間コロナを経験した研究結果をしっかりと出して欲しいと思います。中途半端すぎます。コロナウイルスを根絶するというのは、無理です。そこをちゃんと理解した上で、色々変えていかないといけないと思います。2年目に突入し、コロナについてわかってきている中で、同じことをお願いしても、大学生さんたちは聞いてくれないと思います。

 

ーー高校では、通信制の選択肢が豊富ですが、小中学生向けには通信制の選択肢があまりないと思います。議員自身、現役で通信制高校に通っていらっしゃいますが、この問題についてどうお考えですか。

 

 その通りだと思います。子どもたちの環境作りというものは、行政としてしっかり整備することが求められますが、どうしてもその中でも学校に通えなかったり、通うことができなかった人たちがいます。よく、そういった方々を落ちこぼれと呼び、どうしたら落ちこぼれを救えるか、みたいな議論をする人がいますが、そういった方々は落ちこぼれではありません。自分は社会で役に立つ人間なんだな、と思ってほしいし、どこかで絶対に求められているので、僕はそういった方々を落ちこぼれとは考えません。 

 そういった小中学生向けの環境づくりは市議会、市役所の仕事なのでそのような方々と連携して動きたいと思います。このコロナをきっかけに、オンライン授業など新しい仕組みをどんどん導入していくべきです。教育をこの機会に大きく変えるという意気込みで、教育長などは、やっていってほしいです。

実際に高校の教科書を使って勉強する議員=8月11日、片山翔太撮影

 

ーー政府・大阪府は飲食店ばかりに給付金を出していますが、その他の業種も直接・間接的に影響を受けています。飲食店に集中して給付金を出すのは不公平ではないでしょうか。また、大阪府として何かこの不公平を解消するよう動くことはないのでしょうか。

 

 確かにその通りなのですが、大阪府では去年飲食店に対して休業要請を出し、そこに対して給付金を出しました。そして休業要請外としての給付金も出しました。これは、飲食店以外も含む幅広いものでした。こういった政策は1年目だからこそ実現しましたが、これから2年3年と続いていく中で、ずっと対応していくことは難しいだろうと思います。

 もちろん、困っている事業者さんに給付金を出して支援することは必要だと思いますが、財政の問題もあります。飲食店に対する給付金のうち国から8割財源が出ていますが、残りの2割は大阪府が出しています。大阪府は一昔前では財政破綻寸前まで逼迫していました。そこから、財政を立て直して、やっと貯金ができてきたかなというときにコロナが直撃し、財政はかなり厳しい状況です。

 ただ、本当に他の事業者さんも厳しいということもわかっていますので、コロナが落ち着いてから、第2弾、第3弾の給付金の政策をしていきたいと思っています。

 

ーー防災に力を入れているとお聞きしましたが、具体的にどのような災害を警戒していますか。また、南海トラフ大地震が起きた場合、どのような対策や行動をすれば良いのでしょうか。自身のお考えと大阪府としての考えをお聞きしたいです。

 

 やはり、南海トラフ大地震は一番警戒しています。地震というものは決まった周期で発生します。南海トラフ地震も過去何百年ずっと続いて発生しています。10年20年の間に必ずと言っていいほど発生するでしょう。

 阪神淡路大震災から現在に至るまで、さまざまな大震災を経験しました。そして、皆さんに一番伝えたいことは「自分の身は自分で守る」ということです。防災には、自助・共助・公助の3つの観点がありますが、最終的には自分の身は自分で守る、自助の意識を強く持って欲しいです。その観点から、日頃からの備えをしっかりとしていてほしいです。例えば、地震などが発生した翌日にはコンビニの食料や飲料が買い占められていたりする現象は、多くの人が備えていないことを表しています。普段から、3日、4日ぐらいの備えをしていれば、このようなことは起きないと思います。

 大阪府としてはハードの面、つまり防潮堤や液状化対策などの対策をしっかりと続けていかなければいけません。ただ、いざ災害が発生したとき、公助、つまり警察や消防、自衛隊の方はすべてを救えるわけではありません。そのことを忘れないでほしいと思います。

 

ーー持続可能な社会が目指される中で、食品ロスが大きな問題だと思います。大阪府で、食品ロスを規制する条例などを作ることはできないでしょうか。

 

 日本は、世界トップクラスで食品ロスが多いですよね。普段、生活していてご飯が多くて食べきれないときもあるじゃないですか。僕は、普段から腹八分目でご飯を食べるということを心がけています。

 提供者さんからしたら、これだけ売れるという予測をして売り切れないように食品を作るわけですから、条例で食品ロスを規制することは可能ですが、それだけで食品ロスがなくなるわけでは無いと思います。そこは事業者さんと話し合いながら食品ロスを減らす努力をしていかないとなと思います。

 

ーー中川セイタ議員、お忙しい中、たくさんの質問に答えていただき、ありがとうございました。

中川セイタ:1991年5月9日生。大阪府議会議員。防災士、応急手当普及員の資格を持つ。防災・教育の分野に特に熱心に取り組んでおり、自身も水防団として街を水害から守っている。

 

 

文責

片山翔太(Hijicho)


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