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市大存亡の危機~無関心ではいられない~vol.8


  「市大存亡の危機~無関心ではいられない~」は大阪府市大統合について様々な視点から切り込んでいき、学生の皆さんに問題意識を持ってもらうことを目的としたコーナーである。

 

 読売新聞によれば、先日4月19日に行われた第3回副首都推進本部会議において、大阪府知事と大阪市長は2022年 (平成34年) 4月に大阪府市大学を統合し、新大学開設を目指すことを決めた。これにより、平成24年から議論され、平成26年に延期が決定していた新大学統合のスケジュールが新たに確定したことになる。これをもとにますます新大学統合への議論が活発になっていくだろう。そこで、府市大統合についてこれまでの流れや各報道機関が発信しているニュースや大阪府市などの行政、両大学が発表している情報をまとめた。ぜひ、参考にしていただきたい。

 

これまでの流れ

平成24年6月 「新大学構想会議」設置

大阪の公立大学の構想を取りまとめるため、「新大学構想会議」を府市で共同設置

平成24年11月 「大阪府市新大学構想会議」設置

「新大学構想会議」を大阪府市による共同設置の附属機関として設置

平成25年1月 「新大学構想<提言>」

大阪府市新大学構想会議が「新大学構想<提言>」を提示

平成25年2月 「新大学構想<提言>」に対する意見

大阪市立大学が「新大学構想<提言>」に対する意見を大阪市長あてに提出

平成25年9月 「新大学ビジョン」

大阪府市新大学構想会議の提言をもとに、大阪府市が「新大学ビジョン」を策定

平成25年10月 「新法人基本方針」

大阪府市が新大学を設置・運営する新法人の方針を策定

「新大学案 (平成25年10月版) 」

大阪府・大阪市・大阪府立大学・大阪市立大学の四者で新大学統合における基本的事項について取りまとめ、「新大学案 (平成25年10月版) 」として公表

平成26年4月 統合スケジュールの延期決定

大学設置認可手続きにかかる審査スケジュールが前倒しされたことによる府市大統合延期の発表

平成26年10月 「『新・公立大学』大阪モデル(基本的な考え方)」を公表

両大学が「大阪における公立大学のあり方」について検討し、「『新・公立大学』大阪モデル(基本的な考え方)」を公表

平成27年2月 「『新・公立大学』大阪モデル(基本構想)」を公表

両大学が「『新・公立大学』大阪モデル(基本的な考え方)」にさらに具体的な取り組みや統合効果の具体例などについてまとめた「『新・公立大学』大阪モデル(基本構想)」を発表

平成27年5月 大阪都構想住民投票

大阪市特別区設置に関する住民投票が行われるも、反対の票数が過半数となり、都構想は実現しないこととなった。しかし、両大学から、これからも府市大統合に向けて議論を進めていくと発表があった。

平成27年12月 大阪府議会で大学統合関連議案可決

大阪府市大統合に向けた中期目標変更の議案を府議会にて可決

平成28年1月 大阪市会で大学統合関連議案可決

大阪府市大統合に向けた中期目標変更の議案を大阪市会にて可決

 

 以上の大阪府市大統合の情報は大阪市立大学の公式HPでも見ることができる。トップ画面から、【大学案内>公立大学法人の情報】を参照すると府市大統合に関する様々な情報をみることができる。特におすすめなのは以下の2点だ。

・議事録(役員会) (http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/corporation/minutes/board)

 大阪市立大学の役員会議の議事録が簡潔にではあるが報告され、大学の上層部は今何に取り組んでいるか、その一端を知ることが出来る。府市大統合について話し合われていることも多い。

・新大学の実現に向けて (http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/corporation/integration)

 府市大統合に向けての情報をまとめているページ。ここから、「新大学構想<提言>」・「新大学案 (平成25年10月版) 」・「『新・公立大学』大阪モデル(基本構想)」などの資料を見ることができる。

 

 さて、上を見ても分かるように平成24年から様々な経緯を経て現在に至っているが、依然として詳細が決まっていないのが現状だ。先日4月19日に行われた第3回副首都推進本部会議の会議資料「府市大学統合について」を参照するとよく分かるように、現時点では大学の名称や理念、キャンパス、学部研究科などの組織再編についてはもちろん、新大学運営に必須の法人の形態や財源もはっきりと決まっていない。これまでは統合の基本事項やその事前課題を整理することに重点をおいていたが、今回スケジュールが再決定したこともあり、これから本格的に構想を固めていくようだ。

 

 新大学誕生による新たな取組みに期待が生まれる一方で、まだまだ課題が多く不透明な新大学構想に不安の声も多い。過去に例を見ない規模の統合であるだけに慎重な議論が必要になる。しかし現実問題として、すべて理想通りに事が運ぶわけではないだろう。何が問題で何を最優先していくべきか吟味していくことが重要だ。よりよい大学を作るために、新大学設立の情報をしっかり収集し、そして行政や大学を傍観するに留めるのではなく、私たち学生側の意見や要望を主張していく必要があるだろう。

 とはいえ、府市大統合はまだまだ先の長い問題だ。Hijichoとしても、新大学に関する新情報を発信していくことはもちろん、前例を参考にして大学統合を検証していくなど様々な観点から取り上げていく予定だ。


参考リンク
市大存亡の危機~無関心ではいられない~

大阪市立大学公式HP

読売新聞 2016年4月20日「大阪府立大・市立大統合、2022年に新大学へ」

大阪市HP 副首都推進本部



文責

桑原 柚 (Hijicho)

 


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コメント

    • yk
    • 2016年 5月 16日

    統合問題は、政治家が大阪に2つも公立大学があるのは無駄。二重行政だとしてはじまってる。住民投票でも市大と府大は二重行政とされたが、市民は否決した。なのに、なぜまだこの問題が続いてるのか、わからない。

    文科省は二重行政とは考えてないといってるらしい。

    http://www.jcp-osaka.jp/osaka_now/3154

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