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大学改革室に迫る


平成25年4月1日より、大阪市立大学に大学改革室が設置されている。市大は平成24年度より第二期中期計画期間 (参考:http://goo.gl/Lqe2x) に入っているが、一方で大阪府立大学との統合に向けて新大学構想が提言されるなど、市大として、運営体制や業務体制の見直しや強化を求められている。そこで、そういった改革を円滑に進めていくために、改革室が設置されるにいたった。

改革室は学長のもとに、特命副学長を室長として設置されている。また、大学改革とともに新大学構想の提言に沿った新大学像の実現に向け、学長を補佐する体制として、研究科長経験者等を中心に学長特別補佐7名が任命されている。

学長のガバナンス強化

改革室の任務として、学長のガバナンスの強化をし、戦略的な大学運営を柔軟かつ一体的に行っていくための大学改革を進めるということがある。学長のガバナンスの強化とは、学長がリーダーシップを発揮して諸所の改革を進めていくということであり、そのための方策として、例えば、学長の裁量による経費の拡充を図ることや、教員人事の一元化を図ることなどがあげられる。

学長の裁量による経費とは、各部局ごとに配分されている予算に対して、部局の枠を超えた大学全体としての観点から一層の教育研究の充実を図るために、学長の判断によって適宜柔軟に執行ができるような予算であり、また、教員人事の一元化については、従来の各学部、研究科を中心として選考等を行う教員人事から、全学的な視点により人事を行えるように設置された人事委員会制度を活用し、大学の戦略に合わせてより柔軟な教員人事を行っていくことであり、これらによって、学長主導での改革を進めやすくすることが期待される。具体的な大学改革の取り組みとしては、教員組織と教育組織の分離や、教員評価制度の活用などが考えられている。

一方で、教員人事の一元化については、人事委員会制度を活用するとのことだが、果たしてそこに一任することで、適材適所な人員配置ができるのか懸念も残る。また、学長の裁量経費の拡大については、学長の裁量が大きくなりすぎることも懸念されるため、そのバランスを考えることも重要である。

ただ、現段階では具体的な政策はまだ進められておらず、諸々の課題を抽出・整理したり、他大学の改革についての情報を収集するなど、具体的な行動に向けた準備段階にある。こういった懸念点も考慮しながら改革を進めてほしいところである。

新大学に向けた改革のエンジン

改革室はこうした大学改革を進めるためのエンジンにもなっている。新大学構想〈提言〉や新大学ビジョン (案) の具体化にさきがけ、市大の体制を整えるという役割を担っているわけである。

現在改革室は課題整理や情報収集に従事しているが、今後は改革の具体化が求められる。具体化する中で様々な問題も起きてくるはずである。そういった問題点もしっかりと考えて、よりよい改革になるようにしてもらいたい。

文責

橋本啓佑 (Hijicho)


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