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寄稿連載 ◇ 就職活動に「失敗」したからこそ、伝えたいこと (第3回) ~ルポ★就活体験記②―知られざる人事面接までの道のり~


前回でもお話したように、私は公務員試験を受けるのをやめて、民間企業の就職活動一本に切り替えました。まずは、私が民間企業に就職することに迷いがなくなったきっかけである、リクルーター制度についてお話したいと思います。

寄稿していただいているのは上山幸穂さん(法学部2009年入学)。
全5回にわたって、ご自身の経験を基に、就職活動について書いていただきます。
今回は就活体験記の第2弾。リクルーター面談をはじめ、面接までの道のりを明らかにしていただきます。(計3ページ)

1ページ目 リクルーター制度
2ページ目 エントリーシート (ES)
3ページ目 筆記試験


 

リクルーター制度

1月半ば、新大阪のホテルの喫茶店で初めてリクルーター面談を受けました。多くの場合、社員さんから突然アプローチが来て、ホテルの喫茶店などで面談をします。リクルーター制度とは、社員 (主に大学OB) と仕事の話や雑談をして、相手に良い印象を持ってもらえれば何度か面談に呼ばれ、選考の途中段階まで有利に進む制度です。銀行やメーカーなど、一部の大手企業が「非公表で」行っています。特定の大学 (その企業で活躍している社員の出身大学) が対象となり、リクルーター制度が適用されなかった他の大学生に対し、大きなアドバンテージを持つことができます。

前回述べたように、企業の選考活動は4月1日開始であり、面談をして下さる社員さんに採用権限はありません。とはいえ、企業が貴重な戦力を休日出勤させてまで行う面談ですから、それなりの重みは覚悟しておくべきですよね。

企業の社風を感じるまたとないチャンス

ある有名企業の第1回目の面談では、学生2名に対し、人事部ではない中堅社員さん (市大OB) 1名と50分間の面談でした。簡単な自己紹介カードを記入して質問をされ、次に社員さんの仕事の話をじっくり聞かせて頂きました。最後に社員さんへの質問タイム。学生と若手社員が1対1のケースが多かったのですが、どの会社も大方このような流れだと思います。リクルーター面談と聞くと、面接のように堅い雰囲気を想像されると思いますが、実際は逆でした。

この制度を採る大企業には「知名度ではなく、実際の仕事内容や社員と会って感じる社風に魅力を感じた学生に応募してほしい」という意図があります。面談では、熊みたいな強面のおじさんも冗談を言って笑わせて下さり、話が盛り上がれば私生活などくだけた話もして頂けます。(注:圧迫面接のような企業もあるそうなので、一概には言えませんが。)

私はメーカー・インフラ数社でこのような面談を受けたのですが、1、2週間おきに1時間程度、毎回違う社員さんとお話をすることが多かったです。数回の面談 (面談回数は企業による) ののち、リクルーター面談を突破した市大生だけが呼ばれるグループディスカッションや懇親会がある企業もあります。

また「なるべく自分の企業に合った優秀な学生を採りたい」という意図があるため、「御社が第一志望です!!」と言う学生が必ずしも有利なわけではなく、プレエントリーの段階などでたくさんの学生と会い、じっくり話を聞いた上で、見込みのある学生を次の選考段階に通すようです。(私が受けた企業はそうでした。)

リクルーター制度は、一部の大学でのみ行われる事が多いので学歴主義だという批判もありますが、企業・学生の双方に多くのメリットがある合理的な制度だと私は考えます。

リクルーターは敵ではなく味方

社員さんとの面談は、実際に働いてからのイメージを持つ貴重な機会です。事業内容は知っていても、社員さん一人ひとりが具体的にどんな仕事内容でどのような生活をしているのかは、直接話を聞かないと分からない点も多いもの。リクルーター面談では、説明会ではできないような質問もできますし、インターネット等では得られない確かな情報を得られるので、最高の業界研究・企業研究になりました。

何より、素敵な市大OBの社員さん達のお話を聞けることが財産です。企業にとって情報は命だと思いますが、無知な学生には企業情報もある程度教えて頂けます。また大学の先輩としてアドバイスも下さいます。リクルーターの社員さんは、敵ではなく味方!面接官ではなく、むしろ良きアドバイザーでした。

私は1年経つ今でもリクルーターの方々の顔や名前、印象をはっきりと覚えています。リクルーターの社員さんは、管理職として人を評価していく立場にある、将来有望な観察眼の鋭い方々なので、就職活動に関しても的確なアドバイスをして頂けるでしょう。私が民間への転向に迷いがなくなったのは、仕事がどんなに忙しくて大変でも、自分の仕事を生き生きと語るOBさん達の姿があまりにもかっこよかったからです。(注:キャリアウーマン志向の私ならではの感想。(苦笑) 大手なのにハードな生活を聞いてがっかり、な就活生もいたはず。) とにかく、自分がこれからどのように働いていくか、というイメージを持つには1対1の対話がとても役に立ちました。

制度がなくとも自分から機会を作る

しかし、リクルーター制度を採る企業はほんの一部で、決して多くはありません。ここでは、リクルーター制度について詳しく書きましたが、この制度のない企業では自分からアポイントメントを取ってOB訪問するのが良いと思います。OB訪問をする就活生は周囲では少ない印象でしたが、私は商社のOB訪問は結構行きました。HPでOB訪問を募集している企業もあれば、公の募集がなくても大学の就職支援課に問い合わせるとできる企業もあります。業界にもよると聞きますし、個人情報保護のためOB訪問を断る企業が増えているので、目当ての会社のOB訪問は適わないかもしれません。

しかし、少なからず社会人の方のお話は勉強になるので、業界を問わず、ご家族の友人など身近な方から、お話を伺えばよいと思います。結局、私は直接社員さんのお話を聞く中で、メーカーと商社に興味を持ち、その2つの業界を中心に就職活動をしました。

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