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これってハラスメント? 大学で被害を受けたら


次のような経験はないだろうか

1.「俺の誘いを断ったら単位はないぞ」といって教員に性的関係を迫られた。
2.講義で発問に答えられなかったからといって、他の学生の前で「無能、バカ」と言われて侮辱された。
3.先輩の掛け声 (いわゆるコール) に合わせてイッキ飲みをさせられた。
4.先輩が自分のことを日常的に侮辱してくる。
5.採点の基準が厳しすぎて、ほとんどの学生が単位を取れない。

このようなことは、私自身が大学の中で時折耳にする。これらの行為はハラスメント行為なのか。また、大学としてこういった事態にどう対処しているのか。その詳細を学務企画課の職員の方に取材した。

セクシュアル・ハラスメントの相談窓口がある

大阪市立大学では、ホームページならびに各学部や一号館の掲示板などでハラスメント行為の防止と相談窓口について周知している。まずは、セクシュアル・ハラスメント (以下、セクハラ) について、その定義を『セクシュアル・ハラスメントの防止と対応に関するガイドライン』から引用する。

「セクシュアル・ハラスメントとは、修学・就労・教育及び研究に係る関係においてなされる次の行為をいう。 (1) 性的要求に対する服従または拒否を理由に、修学・就労・教育及び研究上、利益または不利益を与えたり、またはそれを示唆すること。 (2) 相手が望まないにもかかわらず、性的な言動を行ったり、相手にそれを求めること。 (3) 言動や掲示等により、性的不快の念を抱かせるような環境をつくること。 (4) 固定的な性的役割意識による行動の押しつけや言動を行うこと。」

この定義から考えて明らかなように、1.の行為はアカハラの要素があるものの、セクハラに該当する。また、1.の行為のような直接的なものに限らず広範囲にセクハラの認定がなされることに注目してほしい。 (4) は少し抽象的だが、例えば女性だからと言ってお茶くみばかりをやらせるといった行為をイメージしてもらえれば分かりやすいだろう。

このようなセクハラ被害に備えて、法人運営本部職員課では相談の制度を設けている。掲示板に掲載された「セクシュアル・ハラスメント相談員」に直接連絡をとって、被害について相談することができる。まずは、メール又は電話で相談したい案件があることを伝えよう (メールはあくまでも受付手段で、相談は対面で行われる) 。

相談者は所属する学部に関係なく、どの学部・研究科の相談員にでも相談できる。また、匿名での相談・第三者による相談・付添人の同行も可能である。また、相談には必ず二人の相談員が応じる。

実際の相談では、相談者のニーズに合わせてかなり柔軟に対応してもらえるそうだ。話を聞いてもらえるだけで構わないという場合はそれだけで済ませることもできる。非常にデリケートな問題を扱うので、こういった柔軟な対応はありがたいのではないか。

またこれは執筆者にとって意外なことであったが、大学の相談窓口で対応してくれるのは教員ー学生間の問題だけではない。サークル内やゼミなどの学生間の問題に関しても相談を受け付けてくれるそうだ。

その他のハラスメントの場合にも、相談窓口が存在する

2.のような場合はどうだろうか。大学運営本部学務企画課では、セクハラ以外のハラスメントについての相談窓口を用意している。相談の方法に関して、相談員が異なること・相談員のメールアドレスが公開されていないこと・学外の相談員が存在しないこと以外はセクハラの場合とほとんど同じである。同じく、学内掲示板 (1号館など) を参照して相談員の連絡先を調べてほしい。

以下で、ガイドライン『ハラスメントの防止のために』からその他のハラスメントについての定義を引用する。

「ハラスメントとは、「セクシュアル・ハラスメントの防止と対応に関するガイドライン」に定義するセクシュアル・ハラスメントにはあたらないが、一定の修学・就業上の関係にある本学の構成員が、当事者の尊厳を損なうような言動を行い、これによって当事者が精神的な面を含めて、学業や職務遂行に関連して一定の不利益・損害を被るか、若しくは学業や職務に関連して一定の支障が生じること、又はそのようなおそれがあることをいいます。」

泣き寝入りせず、相談しよう。大学はあなたの味方だ。

ハラスメントを受ける、また受け続けることは貴重な大学生活において大きな損失である。大阪市立大学は人権問題について特に力を注いでいるだけあって、相談について多角的な配慮がなされている。

他学部や大学外 (こちらはセクハラのみ) の相談員に自由に相談できることも、同学部であるから話しづらい、などの問題に配慮したからである。相談員を二人選んで (一人しか選ばなかった場合は、相談員側が対応して必ず二人で対応する) 相談することも、デリケートな問題に一人だけで対応することで困難が生じることを防ぐためだ。

あなたは、一人じゃない。

※関連記事に続きます

参考

大阪市立大学「セクシュアル・ハラスメントの防止のために」『大阪市立大学公式ホームページ』参照:平成23年12月5日
(http://www.osaka-cu.ac.jp/campus/humanrights/sexual_harassment.html)
大阪市立大学「ハラスメントの防止のために」『大阪市立大学公式ホームページ』参照:平成23年12月5日
(http://www.osaka-cu.ac.jp/campus/humanrights/harassment.html)

文責

井坂直矢 (Hijicho)

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