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レアメタルフリーの大容量電池開発  阪大と共同で


工位武治特任教授 (大阪市立大学大学院理学研究科) と森田靖准教授 (大阪大学大学院理学研究科) らの研究グループが、有機分子スピンバッテリーを開発した。

両大学が10月17日、共同でプレスリリースした。最新の研究成果は、Nature Materials の電子版・オンライン速報版に同日掲載された。

有機分子スピンバッテリーは、レアメタルを含む化合物が不要で、かつ従来のリチウムイオン電池の1.3〜2倍の電気容量をもつことが特徴だ。従来のリチウムイオン電池の製造には、レアメタルを含むコバルト酸リチウムが必要。リチウムイオン電池は携帯電話やノートパソコンの電池に使用されており、将来的には電気自動車市場での需要拡大が見込まれているため、製造にあたってレアメタルの価格高騰の問題にも直面していた。

有機分子スピンバッテリーの製造コストについて研究グループは、プレスリリースの中で、「現時点では、実験室レベルの合成スケールなので正確な見積は困難」としながらも、「合成段階数が短く、仕込み原料に対する合成収率が高いので製造コストは低く抑えることが可能」と期待を示している。

レアメタルのうち、特に希少な17元素を指す「レアアース」の97%を産出していた (2007年度) のが中国。産業界では国内最大手のトヨタ自動車が10月3日、ハイブリッド車のモーターや電池を中国で生産すると発表していた。有機分子スピンバッテリーの開発は、今後の電池産業界に大きな影響を及ぼしそうだ。

文責

加賀友基 (Hijicho)

参考

レアメタルフリー、大電気容量の有機分子スピンバッテリーの開発
http://www.osaka-cu.ac.jp/news/pdf/pe9b9a755.pdf
資源問題研究会『一目でわかる! 最新 世界資源マップ』ダイヤモンド社, 2008年


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