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いつでもどこでも学習できる! 大阪公立大学韓国語WEB教室


 「大学で履修していてもっと勉強したい!」「韓国ドラマを字幕無しで見たい!」「推しの言葉を理解したい!」今、様々な理由から日本で韓国語を学ぶ人が増えている。実は筆者もその一人である。

  今回は、筆者が実際に利用していて学生におすすめしたいと思った、大阪公立大学韓国語WEB教室を紹介する。なんとこのシステム、Youtubeの解説動画を通して、文字・発音・文法まで、誰でも無料で学習することができる。開設の経緯や活用法について、開発代表の河正一先生にお話を伺った。

※朝鮮半島で使われている言葉には、「韓国語」「朝鮮語」「コリア語」といった複数の呼称がある。本記事では、「韓国語WEB教室」に合わせて「韓国語」に統一する。

 

韓国語WEB教室はこちらからご覧ください!

大阪公立大学 韓国語WEB教室 | 韓国語学習を支援します。 (omu-korean.org)

 

【プロフィール】河 正一(ハ ジョンイル、하 정일)先生

河正一先生=本人提供

大阪公立大学国際基幹教育機構 准教授 韓国語WEB教室開発代表
研究分野は、人文・社会 、外国語教育、韓国語学、韓国語教育、日韓対照研究。

大阪公立大学公開講座(市民講座)では、韓国語講座初中級編を担当されている。

 

――WEB教室を開設したきっかけを教えてください。
 繰り返し見れるものがあったらいいかなと思ったからです。
 以前から市民講座をやっているのですが、市民講座の受講生は年配の方が多いので、授業では理解しても家に帰 ってもう一度見ると分からない、ということがあるんです。それをどうサポートしていくか、というのと、コロナによって大学の授業がオンライン授業に切り替わってしまって、学生がついていけないという問題もありました。それらを改善するためにWEB講座が一番効率的だと考えました。ホームページを作って学校の奨励金制度を使って開設しました。

――市民講座というのは韓国語を勉強する講座ですか?
 はい。これは去年から始まって、年間20回しています。1年間の講座で1人で勉強できる土台を身に着けてもらっています。
 その前から、卒業生やもっと学びたい3、4回生に、Zoom で教えたりしていたんです。学生さんから「もっと勉強したい」という要望に応えるのが教員の使命かもしれないですね。

――韓国語WEB教室の準備期間はどのくらいでしたか?

 今韓国語WEB教室に上がっている動画は113本ありますが、それは大阪公立大学で1年生が勉強する「ワンステ ップ韓国語」というテキストを丸1冊盛り込んでいるんですね。文字からすべての文法項目・練習問題解説が入っているんです。そのために去年4月から「こういうものを作ろうと思うんですがやってみませんか」と、チャンスを差し上げるという意味合いで、講師の若い先生に声を掛けて(撮影のため の授業を)行ってもらいました。自分で(動画を)撮るよりも、若い先生方がいろんなところに活用できる、羽ばたけるきっかけにしたかったんです。
 動画の撮影自体は春休みに行い、2か月かかりました。 動画編集は私ともう一人の先生で、ホームページは私が 作って、大体1年かかりましたね。動画の撮影も大変ですけど、編集作業もしんどいですよね。細かく見て修正しな ければいけないので。限られた資金でしたし、素人なので、プロ並みのきれいな動画は作れませんでしたね。

――とても見やすくてプロの方にお願いしたのかなと思っ ていたんですが…。動画撮影や編集の技術も学ばれたの ですか?
 そうですね。撮影に関しては最初何もわからなかった状態だったので、一番しんどかったですね。音声をどの程 度調整すればいいのかとか、限られた時間の中で撮らなければならないので、それが難しかったですね。一回失敗するとどんどんしんどくなっていくし、それをどう改善していくのかとか。まあ、なんとかできたかなとは思うんですけど。どう評価されているのかは分からないですね(笑)。

韓国語WEB教室ホームページ

  

―― 一視聴者の意見ですが、とても見やすくて、「本当に これ無料なの!?」と思っています。
 でも、誰も見てくれないんです。授業で「見てください」 「予習復習に使ってください」って言っても誰も見てくれないんですね。

――動画などのコンテンツを制作される際に、こだわった ポイントを教えてください。
 積立式で学習できるようにすることです。前の内容を理解していないと、練習問題が解けないようにしています。「こまめにこつこつ取り組んでください」ということですね。 語学というのは手間暇かけて学ぶことが王道ですよ!
 それから、市民講座で高齢者との関わりが多かったので、高齢者が操作しやすいということも意識しました。例えば、ホームページの中に動画をはめ込み、そこからも視聴できるようにしています。高齢者が見て「難しいな」となるのではなく、すぐ操作ができる簡潔さ・分かりやすさを求めました。
 動画の長さは、できるだけ5分以内にしています。動画が長いと、集中力が切れたりモチベーションが下がったりしますよね。ただ、動画を短くするには手の込んだ作業が必要で、大変ではあるのですが(笑)。

―― 1つの動画が短いので、私は隙間時間に視聴するこ とが多いです。Youtubeで気軽に取り組めるのが嬉しい ですね。

 Youtubeには他の ユーチューバーの解説動画もありますが、そういったものは説明をしているだけで 練習問題がないんですよね。韓国語WEB教室は、テキス トの全ての練習問題を解説しています。

解説とともに動画が掲載されている =韓国語WEB教室ホームページより

 

――WEB教室のおすすめの活用法を教えてください。
 予習・復習に活用してほしいのは基本ですが、実は、後ろに進むほど文法の説明が充実しているんです。他の解説動画が大雑把にしているところも細かく説明しているので、そこはスッキリ理解できるかもしれません。
 それからもう一つ、家族や仲間と一緒に見ることをおすすめします。お互いにモチベーションも高まりますし、話し合うことで 勉強にもなりますよ。
 あとは、Quizlet(※)を活用して単語を覚えてほしいです。 意味と発音が一緒に出てくるので見て聞いて理解することができます。テキストには音声ストリーミングも付いていて、テキストの全ての音声を聞くことができます。音声は、1回目は普 通のスピードで、2回目はゆっくり流れます。真似して発音することを繰り返せば、ネイティブ並みになれますよ。
 色々と提供していますが、皆さんあまり使ってくれないんですよね…。

(※) Quizletとは…スマホやパソコンで学習できるオンラインツール。先生が作成した学習セットと呼ばれる単語カードを使って、クイズ感覚で単語を学習することができる。

Quizletではクイズ感覚で単語を学習できる =Quizlet(韓国語WEB教室 第1課)より

――韓国語教育についての今後の目標を教えてください。
 去年大学側に、学習環境づくりの一環として韓国語カフェを作る企画書を出しました。大学の構内に韓国の留学生かネイティブの人が常駐するカフェを作って、13〜18時に行けばいつでも韓国語で会話ができる、というものです。予算の関係で断られてしまいましたが、いつか実現したいですね。
 それから、私の授業を取っている学生から要望があって、日本人の学生と韓国人の留学生が交流できる機会を作りたいと思っています。大阪公立大学には韓国の留学生が18人くらいしかいないので、市民の皆さんも含めて開催したいですね。
教室に留まらず、いつでも韓国語が学習できる環境づくりに取り組みたいです。

 

文責

赤松みなみ、伊藤雪乃(Hijicho)


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