HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

学生間の助け合いを市大にも 就活支援団体「エンカレッジ」


 就職活動に向けた面接対策セミナーが10月24日、学術情報総合センターで開催された。3回生10人が参加し、面接突破のポイントをレクチャーされた後グループに分かれて集団面接を体験し、4回生からのフィードバックを受けた。

熱心に説明を聴く参加者たち=学情で10月24日、エンカレッジ大阪市立大学提供

 主催したのは、「エンカレッジ大阪市立大学」。エンカレッジとは、2015年卒学生向けに京都大学の学生が始めた就活支援サービスである。現在は全国に拡大し、70支部で活動中。19年卒の約1万6000人が利用している。

 大阪市立大学支部は16年夏に発足し、今年の3月から現メンター(面談やイベントの開催を通じて後輩の就活を支える人)11人によって運営されている。

 エンカレッジの活動に報酬が出るわけではなく、いわば「ボランティア」。今までは特に接点のなかった人たちのために、なぜそんなに一生懸命になれるのか。エンカレッジ大阪市立大学のメンバー、山田拓実支部長と小村志穂さんに、エンカレッジの活動や目的についてお話を伺った。

エンカレッジとは何か

 ——具体的にどんな支援をされているのですか。

 山田さん 先輩が後輩に教えるセミナーのようなイベントと、面談という二本柱でやっています。

 小村さん こういうイベントをできるだけ多く開催して、いろんな人に入ってきてもらいます。そこから面談です。メンターが一人一人について、いつでも話を聞ける環境を整えて、悩みを常に相談してもらえるようにしています。あと、面接を見てもらいたいとか、ESを添削してほしいとか、そういった要望に応えていきます。

 ——報酬などのインセンティブがないのに、なぜそんなにエンカレッジの活動に一生懸命になれるのでしょうか。

 小村さん 就活を楽しんでほしい、という思いがあるからです。市大生は、のんびりの人が多いというイメージがけっこうあって。私は、エンカレッジでというよりも外のいろんなセミナーとか、インターンとかで社会人の方に会いに行って、話を聞いて就活やってたんですけど、学校に戻ってきたら、あれ?みたいな。3月からでいいや、みたいな人結構多いなっていう印象があって。一部の人かもしれないですけど。それを変えたいという思いがあってみんなでやってます。

 山田さん 一番の理由は、エンカレッジの昨年の先輩に対して恩を返そうと思ったからです。二つ目は、こういうふうにみんなで一緒に協力して活動するっていうのが楽しいっていうこと。三つ目は、市大で就活を早くからやってる人は少ない。そういう中で、自分が就活している時に頼れる人がいたら良かったなって思って。そこで自分一人じゃなくて、そういう先輩をいっぱいつくりだしたいんで、自分がリーダーとなってどんどん広がったらいいと思ってやっています。

 小村さん ボランティアなんで。いわば。そういう気持ちがないと。4回生で卒論が忙しい人とか、授業がない私は、このために大学に来ます。家が遠い人もけっこういますし。そういう気持ちがある人しか来ないです。(イベント後の)フィードバックは、みんな話し足りないくらいの勢いです(笑)。

 ——実際の参加者の感想は。

 小村さん アンケートでは、フィードバックが丁寧でよかったという回答をけっこうもらってます。それが一番嬉しい。

 山田さん それがエンカレッジの強み。

 小村さん 少人数だからこそ個別にちゃんとできる。前に一人立って全部埋まるくらいの人数(AVホールは約40人収容)がいると、なかなかそこまでできません。もちろんいろんな人にいっぱい来てほしいけれど、一応少人数制にしています。基本15人くらいまでです。日程をいくつか設定して、いろんな曜日に来てもらえるようにしてみたりとか、授業で来られないという人を極力減らすようにしたりとか、工夫してやっています。

不安に思う就活生へ

 ——最近はSNSなどで、真偽が定かでない情報が氾濫しています。戸惑う就活生も多いと思いますが、エンカレッジとしてはどうお考えになりますか。

 小村さん 人によって言うことが違います。同じ企業に対してでも、この人はブラックっていうけどこの人はそうじゃないっていうのもある。エンカレッジにいる人はそれらを基本スルーしてきた人です。上とか横の生の声の繋がりを大切にしてきた人がエンカレッジにそろってるっていうのが強みとしてあります。社員さんに訪問しに行ったり、会社に直接話聞きに行ったり、インターンに行った。直接繋がる、足を運ぶという人が多い団体です。実際に足を運んでみようということを3回生に伝えています。 

 ——就活生に対してアドバイスは。

 山田さん とにかく動け、ですね。自分で情報を取りに行って、自分の判断軸でやらないと。(企業が)ブラックなのかっていうのも自分でしか判断できないんで、自分が動いて、自分の足で情報を得ていくというのが大切ですね。そこにプラス、早期から動くことが大事なんで、とりあえず今すぐ動け、です。自分は12月から動き始めたんですけど、もっと早くから動いてたらと後悔してます。

 ——12月って遅いんですね! 就活は、説明会が解禁される3月からだと思っていました。

 小村さん 12月って遅い方な気がする。公には解禁ではないけれど、みんなが動き出す、説明会が増えてくる時期が12月。

 山田さん ベンチャー系はけっこう早い。早い人は3回生の春から始めて、夏のインターンに向けて対策をして、バリバリインターンに行きまくってます。市大はそういう人は少ないですね。

 小村さん そこを前倒しにしたいという目標があります。今からでも遅くないから、ちょっとでも早く始める人を増やしたいです。 

 エンカレッジ大阪市立大学は、就活を控える3回生はもちろん、メンターとして4回生も募集中だ。「市大の3回生と4回生の間で、助け合う関係性が市大にもできたらいいんじゃないか」と語る山田さん。エンカレッジの理念に共感した人、残りの学生生活を有意義に過ごしたい人はぜひ参加してみてほしい。1、2回生の参加も歓迎しているそうだ。

 エンカレッジに興味を持ったら今すぐ「動け」だ。

 

今後の就活対策イベントのお知らせ

11月21日 脳に汗掻くゴリゴリGDセミナー(GD対策)

12月1日 リクエスト会(内容はリクエストにより決定)

詳細や申し込みについてはエンカレッジ大阪市立大学のTwitterまたはFacebookへ。

※先着順の可能性あり

 

連絡先

メール

Twitter

Facebook

 

用語解説

 ES エントリーシート(Entry Sheet)の略。企業に対して提出する応募用紙のこと。自己PRや応募動機を記入する。

 GD グループディスカッション(Group Discussion)の略。複数人がグループになって議論を行う。主に選考の初期段階で用いられる。面接官は各々の振る舞いを見て、協調性や発想力をチェックする。

 インターン インターンシップの略。学生が企業などの実際の現場で職業体験をすること。最近は短期のものが増えており、説明会やグループワークのみといったインターンも数多く開催されている。

 ベンチャー ベンチャー企業。大企業ではやりにくいビジネスを展開する企業やその事業形態のこと。

文責

中村有里(Hijicho)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る