「市大存亡の危機~無関心ではいられない~」は大阪府市大統合について様々な視点から切り込んでいき、学生の皆さんに問題意識を持ってもらうことを目的としたコーナーである。
大阪府と大阪市でつくる協議組織「副首都推進本部」は4月19日、大阪市立大と大阪府立大をそれぞれ設置している二つの大学法人を2019年までに統合し、2022年4月を目処にに新大学の開設を目指すことを確認した。これに伴い、Hijichoは新大学名を予想する新大学名称アンケートを実施した。2016年5月23日から6月20日の間、Hijicho大阪市立大学新聞6月号やHijichoの広報媒体であるTwitter、Facebook、LINEにてフォームの回答(複数回答可)を呼びかけた。回答項目は、予想する新大学名、この大学名にした理由(任意)、所属、氏名(ペンネーム可)である。その結果、集まった合計83件(うち市大生58件、府大生7件、他大学8件、市大卒業生6件、その他4件)の応募から、各人が府市大統合に持つ意識を読み取っていく。
上位ランキング
多かった回答を集計をした結果、以下の結果となった。
第1位 大阪市立大学(6票)
第2位 副首都大学大阪(5票)
第3位 大阪公立大学(4票)
第4位 大阪総合大学(3票)
第4位 大阪地域未来大学(3票)
第4位 都市大学大阪(3票)
1位の大阪市立大学は、市大生からの回答が多かった。「学力レベルは府大よりも市大のほうが勝っている」「府大と一緒にされたくない」「大阪商工会議所の歴史を守るべきだ」という理由がほとんどだ。市大生としてのプライドを持っている人が少なからずいることの表れだと言える。2位の副首都大学大阪や4位の都市大学大阪は、首都大学東京を踏襲したものと思われる。大阪都市大学と回答している人もおり、大阪を東京に続く都市の代表となる大学であることを意識していることが読み取れる。3位は、府大と市大ともに公立であることから大阪公立大学となった。4位の大阪総合大学は、府市大統合により学問の幅が広がるからという理由が多く、他に理由が類似している大学名として文系に強い市大と理系に強い府大の統合を示唆した大阪文理大学があった。同じく4位の大阪地域未来大学は、市大のスローガン「都市で学び夢をつかむ」や杉本キャンパス内にある都市研究プラザや高原記念館にある地域連携センターなどで市大が地域に根ざした取り組みを行っていることに着目しているようだ。
以上から府大と一緒にされたくないという闘争心が垣間見られる一方で、統合後これまでにない規模の公立大学が大阪に誕生することに大きな期待を抱く人も多いことが分かる。
面白ネタコーナー
集計をした結果、上位ランキングの他にアイデアあふれる大学名案が数多くあった。そこでHijichoで選考を行い、特に優れた三つの大学名案を掲載する。
第1位 ディーン大学フジオカ PN クラッタ
Hijichoからのコメント
市大生は五代像の一件以来、ディーンさんのことが大好きですね
第2位 次に狙うは大阪大学 PN メイルシュトローム
この大学名にした理由
市大、府大と統合したら次には阪大を狙うのは当然の帰結
Hijichoからのコメント
お…大阪大学も吸収ですか?夢は大きいですね!
第3位 32年を目処に元に戻りそうだぜ大学 PN スペキュレイション
この大学名にした理由
統合後の選挙の結果で統合を解消し元に戻りそうだから
Hijichoからのコメント
府大戦復活か!?
さすが笑いの本場、大阪にある大学。この三つの他にも思わず笑ってしまうものや皮肉の利いたものまで多くの案が応募されていた。
今回のアンケートには80通を超える応募があった。このことから市大生が府市大統合による新大学構想に一定の関心を寄せていることが読み取れる。
回答に含まれるワードで集計すると、「公立」が9票で最多。大阪商科大学(市大の前身)の開学にあたって当時の大阪市長関一が「国立大学のコッピーであってはならぬ」と述べた精神が、統合しても公立大学として受け継がれてほしい、との思いの表れだろうか。他方、大阪市立大学の名前を残すべきとの意見や大阪大学と比べて自分たちを卑下する意見も多く、統合に後ろ向きな姿勢も見受けられる。学生の意見は様々だ。
実現に向けて大きく歩を進めだした新大学構想。アンケート結果から読み取れるように、大学名一つでその未来は大きく変貌する。Hijichoは、これからの市大の動向に一層注目していきたい。
文責
桑原柚、中村伸二(いずれもHijicho)
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