HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

住吉区区政会議 高齢者支援と防災問題が焦点


大阪市住吉区役所は、第2回住吉区区政会議を9月9日に開催した。今回は主に高齢者支援について、地域の連合会長や区の公募による一般の区民らによる議論が行われた。

(第1回の様子はこちら)

会議は高橋区長の挨拶から始まり、続いて今里副区長による第1回区政会議で出された意見に対する報告があった。

今里副区長は防災部会 (後述) や点字ブロック上の放置自転車について報告した。また、前回の会議で出た「区政会議が発足したのだから似たような会議は見直し、整理してもらえばいい」という意見については「それぞれの会議は設立した経緯があり、人権や生涯学習などの分野で活躍している団体などもあり、頑張っているものを直ちに廃止するということにはならない」と報告した。一方で「区政会議の部会として整理することなどは考えられる」と述べた。

進む高齢化

平成17年の国勢調査によると、住吉区に住む65歳以上の高齢者の人口比率は全人口158,999人に対して21.5%で、大阪市の20.1%を上回った。さらに、平成21年10月に大阪市計画整備局が行った調査によると、平成17年の調査に比べ区内の全人口は156,575人まで減少しているのに対して、高齢者の人口は38,188人 (全人口比24.4%) まで増え、高齢化が進んでいることがわかる。また社会保障研究推計値によると、住吉区の今後の高齢者の割合は、2015年には29.0%、2035年には36.6%と、3人に1人以上が高齢者になると予想されている。また85歳以上に絞ってみてみると、2030年には全体の9.6%と予想されており、14歳以下の年少人口の8.7%を上回るとみられている。

「孤独死」

会議の中で、「何をもってして『孤独死』か」という意見があった。「孤独死」の一般的な定義としては「誰にも看取られずに亡くなること」といったものだが、委員の中には「地域や社会から見放され、手助けがあれば助かったであろう不本意な死」、「生前に孤独感を抱えて亡くなること」と言った意見も出された。言葉の定義は支援の対象にもつながるので、区として「孤独死」の定義をする必要がありそうだ。

「地域包括支援センター」を中心に対策を

また、「孤独死」をはじめとする課題への対策の中心として「地域包括支援センター」を据えてはどうかという意見が出された。地域包括支援センターとは、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士が置かれ、専門性を生かして相互に連携しながら業務にあたる機関。ここに、区民や民生委員も加わるなどして、福祉全般に関わる中心として機能させられれば、ということだ。

一方で、住吉区だけでも12の町会連合があり、それぞれの地域にはそれぞれ異なった事情があるため、包括的な支援は困難であるとの意見も出た。このことから、まず地域独自の取り組みをし、その上で一元的・総合的な支援を地域包括支援センター中心に取り組むという、2段構えで臨むべきとの案が出た。地域包括支援センターは大阪市内だけでも50を超え、地域包括支援センターを中心とした取り組みは市でも検討中だが、時期などの具体的な見通しは立っていない。今後、住吉区がモデルとなることも考えられる。

「自分は何連合?」

また、高橋区長は「若い人たちは自分が何連合に入っているかわかっていない人たちが多い」とも指摘。そもそも、自分が連合に入っているかどうかもわからない人たちも少なからずいるのではないだろうか。市大生で下宿しておられる方は、今一度、自分が何連合に所属しているかを確認してみてはいかがだろうか。区役所の市民恊働課に問い合わせるのがいいだろう。

町会連合に関するお問い合わせ
大阪市住吉区役所 市民協働課
電話: 06-6694-9734
Fax: 06-6692-5535
メールでのお問い合わせはこちら

試される「地域力」

東日本大震災以後、盛んに地域住民同士の繋がりの重要性が謳われているが、どうすれば地域が繋がれるのだろうか。高橋区長は課題を2つ提示した。1つ目は「マンションの住人をどうすればコミュニティに入ってもらえるか」2つ目は「団塊の世代 (特に男性)をいかにコミュニティに入れるようにするか」。今回はこの2つについて具体的な解決策は出なかったが、委員からは「受け皿」を整える必要があるという指摘があった。すなわち、コミュニティに参加したい住民は大勢いるが、やり方がわからないなどで入りきれていない人たちがいるのだそうだ。行政から発信するだけでなく、住民側が情報を受信できる体制を整える必要がある。

防災部会発足

会議の冒頭で防災部会について報告があった。防災部会とは、第1回区政会議を踏まえて地域の防災力を高め、「災害に強いまち住吉」を協働により実現していくために、課題解決に向け区政会議のもとに置かれる組織。防災部会が当面取り組む課題として、▽ 地域防災力を高めるため、各機関・団体の連携体制の構築 ▽ 住吉区の防災プラン、地域ごとの防災マニュアルの作成 ▽ 福祉避難所、災害要援護者支援のために各施設との協議・各団体との連携 ▽ ボランティアの担い手の育成が上げられた。その後、今回の区政会議で承認がなされ、正式に防災部会は発足した。

第3回区政会議は10月下旬頃に行われる予定。詳しくは住吉区ウェブサイト (http://www.city.osaka.lg.jp/sumiyoshi/category/1214-9-0-0-0.html) 。

区政会議に関するお問い合わせ
大阪市住吉区役所 総務課
電話: 06-6694-9625
Fax: 06-6692-5535
メールでのお問い合わせはこちら

文責

近藤龍志 (Hijicho)

関連リンク先

住吉区役所 (http://www.city.osaka.lg.jp/sumiyoshi/index.html)
地域包括支援センター (http://www.sumiyoshi-wel.net/yobou/08_chiiki_houkatu.html)
民生委員 (http://www.osaka-sishakyo.jp/about/iinrenmei.html)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る