HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

教授から新入生へ伝える、大学生活のきっかけ ~学生による商学部講演会開催~


 4月24日(木)1限、経営学の授業内で商学部新入生のための講演会が行われた。登壇したのは、小林哲准教授、山田仁一郎准教授、宮川壽夫教授という商学部を代表する教授陣だ。この講演会は、経営学会の主催によるもので、商学部の有志学生が企画、運営を行った。
経営学会代表として狩俣正雄教授の挨拶に始まり、三教授の講演、質疑応答が行われた。

教授から新入生へ、大学生活を有意義に過ごすためのメッセージ

最初に登壇した、マーケティングを専門とする小林准教授からは、自動販売機を例にしてマーケティングの原理が分かりやすく解説された後、「大学は就職予備校じゃない」、そして「今すぐでもいい、可能な限り早く教員と出会え」とのメッセージが伝えられた。教員は教えるプロであり、学ぶプロであり、大学生のプロである。どうやって大学生活を楽しむか、そのノウハウも知っている。就職活動が始まるまでの3年間で人生は変えられる、との熱いメッセージがあった。

経営戦略論を専門としている山田准教授は、「社会のフィールドにはそれぞれルールがある。ルールは常に書き換えられていて、そこに我々は遅れて参入することになる」と前置きした上で、世の中の舞台裏を知ることができる学問の一つだというその性質から、経営戦略論を地図のようなものだと表現した。「自分なりの地図を作ると、行ったことのない場所に行ってみようという気になる。多少無理をしても勇気を出して扉を開き、行きたいところに行くことが重要であり、そのための豊かな出会いや資源が大学にはある。恵まれたことに、君たちは大阪市大にいる。」と述べた。

コーポレートファイナンスを専門とする宮川教授のお話は「なぜ大学には無駄なスペースが多いのか?」という興味深い問いかけから始まった。それは「四年間ここで、ぼーっとモノゴトを考えるためだ」という。本学のような緑が多く て美しいキャンパスの環境に浸ることで人はクリエイティブになれる。広いキャンパスは名門の証でもある。バイトやサークルなどであくせく するのではなく、ぜひキャンパスでぼーっと思考する時間を作ってほしい。何のプレッシャーもなく、目的もない勉強ができる大学生の時間は とても貴重であり、そのような知的時間を過ごしたかどうかが、実は社会に出てから大きな差になる。 また、実践を繰り返すビジネスの世界では、実践経験ではなく、むしろ実際にはぶれない自分 の理論を持っている人が一流のビジネスマンだという。現象をつぶさに観察し、科学的な分析を行うことで、理論を得ることができる。そのた めには専門書をきちんと読む地道な努力が重要なのだという言葉があった。

質疑応答

三教授からの基調講演の後、質問の時間が設けられた。新入生からさまざまな質問が飛び交い教授陣からも熱い回答が語られたが、その一部を紹介する。
―1回生のうちにしておいたほうがいいことはなんですか?
「1回生に限らず、恋愛です。会社に入ると後ろについたもので評価されるが大学時代は自分自身が評価される。人と人として出会い、尊敬できる人とお付き合いをし、恋愛を通して価値観を変えてください」(小林)
「大学に入ってから、何か一つでも努力しましたか?何かの分野で努力する才能の塊になれば、その道で必ず成功する。それを持つかどうかがスタート地点である。」(山田)

―最後に一言。
「大学名は関係ない。世界に出ると大学の偏差値といった価値観は通用しない。「この大学に入ってよかった」と思って、大学生活、一生を過ごしてほしい。」(宮川) 「挫折感があったとしても、みなさんの特技が勉強であることを忘れないで。特技を活かさずにスポーツや音楽に没頭するのもいいが、戦略的に大学生活を送ってほしい。あと、勉強しないのは自由だが、勉強する人の邪魔だけはしないで」 (小林)

経営学講演会 小林准教授
経営学講演会 山田准教授
経営学講演会 宮川教授
写真=上から、小林准教授、山田准教授、宮川教授 (中田氏提供)

「市大で何かを作り上げたい」想い持つ学生スタッフの声

講演会を企画したスタッフの一人である、商学部松本典子さん(商・2) に話を聞いた。
「本講演会は、新入生向けのイベントの一環として、すでに行われた新入生歓迎会に続いて行われました。運営スタッフは、市大で、商学部で何かを作り上げたいという思いを持つ有志商学部生です。スタッフ14人のうち7~8割が2回生です。
去年も有志の10 人のメンバーで、非公式のイベントとして新入生歓迎会と講演会 (山田准教授、加藤教授 (流通論) 、高橋教授 (経済論) が登壇)が行われました。そして、その後の講義で、2 年目を行うために経営学講義を担当している山田准教授のゼミ生である梶佳靖さん (現商学部4 回生) からメンバー募集の呼びかけがあり、私を含め当時1 回生だった5 人が声を上げ、9 月頃から本格的に準備を始めました。企画がなかなか進まず紆余曲折はしていたのですが、2 月頃から新3 回生が加わり2 回生メンバーも加わり、3 回生が指揮を執る中で何とか企画をすることができました。学生だけで一から企画を行った新入生歓迎会には、結果、200 人を超える新入生が集まりました。
講演会に関しては、人選も学生が行いました。各教授にオファーしたところ、快諾していただきました。学生の要望をいろいろな先生がご好意で受け入れてくださるのは、市大商学部の素晴らしい点です。講演自体も、今年のほうが面白かったです。私自身一年間ではありますが、動いたり、勉強したりしたことで、感じ方が違いましたね。1回生からもとてもよく手が挙がっていたので、今年の新入生はやる気に溢れた人が多いと思いました。 今回、学部長と経営学会のご支援をいただいて、経営学会の公式イベントとして新入生歓迎会と講演会の企画を行うことができました。来年は始めから公式イベントとして企画を進めることができるので、さらに力が入ったものが出来ると楽しみです。今後に繋げていきたいです」

講演会に参加した商学部1回生の辻村卓也さんは、「商学部に入ったものの、具体的なビジョンが持てていなかった。講演を聴いて、大学生活の流れやこれからの講義を受ける姿勢が分かった。色々な人と出会い、人脈を広げ、自分の価値観も広げていきたい」と語ってくれた。
学生の、学生による、学生のための企画。そんな学生の主体性こそが、大学を変えていくのではないか。今後も続いていく、広がっていくであろう商学部の取り組みに期待だ。

文責

 長澤彩香 (Hijicho)
 小本修司 (Hijicho)
 山原怜太朗 (Hijicho)

写真提供

 中田智大 (商・3)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る