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参議院議員選挙2013 明日投開票!!


2013年7月21日(日)(明日)に、市大生の多くが選挙権を持つ、第23回参議院議員通常選挙が開催される。

投票時間は午前7時〜午後8時 (一部地域では時間の変更があります) で、兵庫県では知事選挙も同時に行われる。当日投票に行けない場合は期日前投票に行こう。本日20日(土)も午前8時30分〜午後8時まで実施されている。

参議院選挙 (以下、参院選) は選挙区選挙と比例代表選挙の2つの選挙制度によって議員を選出する。選挙区選挙では、個人に対する投票を行い、参議院議員の定員242名のうち146名が決まる。比例代表選挙は投票用紙に①候補者名または②政党等名のいずれかを記入する。政党等の総得票数(比例代表候補者の得票数と政党等の得票数の合計)に比例して、政党等ごとの当選人の数が決まり、候補者の得票の多い順に当選人が決まる仕組みだ。参議院議員の任期は6年であり、3年毎に定員 (242名) の半数が改選される。

今回の参院選での争点について考察する。

今回の選挙の争点

・TPP
環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP) は「聖域なき関税撤廃」を原則とした多国間貿易の枠組みのことだ。輸出入が自由化されることで、日本の主要産業が海外市場に進出できると考えられている。一方、TPPへの参加により海外の安価な農産物が輸入され、国内農林水産業に影響が出る懸念がある。日本のTPPへの参加は、2010年から検討されている。TPPは原則として例外が認められないが、いかにして交渉を進め国益を守るかが争点となる。

・憲法改正
現在最も大きな争点となっているのは、96条の改正である。現憲法は改正にかなり厳しい条件を課しており、制定後一度も改正されていない。96条は、国会が衆参各院の総議員の「3分の2以上」の賛成で発議し、国民投票の承認を経るよう定めている。96条改正論は、国会の発議要件を「3分の2以上」から「過半数」へ緩和し、国民に96条以外の憲法改正案への判断を仰ぎやすくしようというものだ。憲法96条の改正は、憲法9条の改正にもつながり、集団的自衛権の行使、緊急事態条項、環境権など新たな権利、義務の問題も出てくると考えられる。

・原発・エネルギー問題
昨年12月の衆院選に続いて争点になるのが、原発の是非を含むエネルギー政策だ。その重要なポイントとして経済・社会システムの安定と、全原発の即時停止のどちらを優先するかという課題がある。各党とも再生可能エネルギーや新たなエネルギーの導入促進を進める方針は一致している。このため、原発のリスク管理を強化しながら経済・社会システムの安定を確保する選択肢か、経済不安のリスクを取ることで原発リスクを排除するかを選ぶことになる。

・消費税
来年4月に予定されている消費税率の8%への引き上げについて安倍晋三首相は、4~6月の経済指標 (成長率や物価動向など) により、引き上げるかどうかの最終的な判断を今年10月ごろに行うと明言している。増税を予定通り実施すれば、景気が悪くなり、それによって税収が低迷するというリスクがある。一方先延ばしにすれば、財政に対する不安から国債が売られて長期金利が上がることにより、景気が減速するというリスクがある。経済成長と財政再建を両立させるのは難しい。

・外交・安全保障面
安倍晋三政権の発足以降、首脳会談や外相会談が行われていない中国、韓国との関係について、野党からの批判が強まっている。これに関連して、首相が言及している、日本官憲による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話の見直しなどの歴史認識問題も争点となっている。
また、日米安保をめぐっては、米軍普天間基地の移設問題でも各党で意見が分かれている

・アベノミクス
安倍晋三首相は「日本経済の再生」を政権が最優先で取り組むべき課題と位置づけ、(1)大胆な金融緩和 (2)機動的な財政出動 (3)成長戦略 の「3本の矢」に例えられる経済政策「アベノミクス」を2012年12月より推進している。参院選では、このアベノミクスの効果をめぐる評価が大きな争点となる。一時は円高是正に成功し、企業の国際競争力を高め、株価も一時1万5千円台にまで回復させたものの、2013年5月から株式市場が乱高下し、再び円高局面が続いており、野党からの批判が集まっている。

・雇用問題
特に近年若者の間で深刻な問題となっているのが「ブラック企業」問題である。異常な長時間労働を敷強いたり、サービス残業を払わなかったりと違法な労働環境にある企業への対策は各党が公約に盛り込んでいる。正規雇用と非正規雇用の格差拡大も論点の1つだ。雇用の流動化に関して賛否両論あり、具体的には正規社員と非正規社員の中間層である限定社員の取り扱いをめぐっては賛成・反対と各党によって見解が異なっている。

各党の方針

上記の問題に対する各党のスタンスは、以下のYahoo Japanや産経ニュースの選挙特集においてわかりやすくまとまっているので、ご参照いただきたい。また、本記事の最後に各党の公式ホームページリンクも掲載しているので、そちらもご参照いただきたい。

TPP
・Yahoo Japan:日本のTPP参加は「得」か「損」か
・産経ニュース:「TPP」

憲法改正
・Yahoo Japan:憲法96条改正の賛否は?
・産経ニュース:「憲法改正」

原発・エネルギー問題
・Yahoo Japan:原発再稼働、地元の思いは
・産経ニュース:「原発・エネルギー政策」

消費税
・Yahoo Japan:消費税増税 財政や暮らしどうなる
・産経ニュース:「消費税率引き上げ」

外交・安全保障面
・産経ニュース:「外交・安全保障」

アベノミクス
・Yahoo Japan:アベノミクスの未来
・産経ニュース:「アベノミクス」

雇用問題
・Yahoo Japan:揺れる雇用 働き方どうする

最後に

みなさんは今回の参院選に関してどのように捉えていただろうか。各党の方針などの知識なしに投票しようと考えていた方もいるかもしれない。しかしながら上述のように、選挙は、憲法改正や原発問題、TPP、外交方針など、国の政治の方向性を決める意義も有している。その判断を一人ひとりの有権者が下すためには、何がこの選挙の争点なのか、そして各党・各候補者の情報等を得た上で、どこに投票すべきかを考える必要がある。だからこそ、選挙に行くかどうか迷っている方や、選挙に行くつもりだが、情報を知らないという方は、ぜひこの記事を読んで、自らの判断材料にしていただきたい。

まだ未成年で、投票権を有していないという読者の方もいるだろう。そんな人には、今回の選挙の結果にこそ注目して欲しいと思う。今は投票権がない人でも、今後の衆議院選挙、参議院選挙で投票することになる。だからこそ、今回の選挙で、選挙権を有する国民がどのような判断を行ったのか、そしてその判断のもと、今後国会はどのような運営をされて、我が国はどのような方向に動いていくかに、注視してほしい。そして、いざ数年後に投票をする際に、はたして今回の国民の判断は正しいものだったのか、などを考え、自らの判断材料にしてほしい。20歳になって初めて国政を考え、どこに投票するかを考えるというよりも、より深い判断を下すことができるはずだ。

参考URL

・Yahoo!JAPAN みんなの政治 – 参議院選挙2013
http://senkyo.yahoo.co.jp/close_up/

・産経ニュース – 参院選2013
http://sankei.jp.msn.com/politics/newslist/election2013.htm

各党の公式ホームページリンク
・民主党
 http://www.dpj.or.jp/
・自民党
 https://special.jimin.jp/
・公明党
 https://www.komei.or.jp/
・みんなの党
 http://www.your-party.jp/
・生活の党
 http://www.seikatsu1.jp/
・日本共産党
 http://www.jcp.or.jp/
・みどりの風
 http://mikaze.jp/index.shtml
・社会民主党
 http://www5.sdp.or.jp/
・日本維新の会
 https://j-ishin.jp/sp2013sangiin/
・幸福実現党
 http://hr-party.jp/

参考文献

兵庫県選挙管理委員会発行 参議院比例代表選出議員選挙選挙公報

文責

長澤彩香 (Hijicho)
石原奈甫美 (Hijicho)
鶴木貴詩 (Hijicho)


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