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居住環境学科の学びとデザインフォーラム 学生実行委員長に聞く


大阪市立大学大学院生活科学研究科は4月22・23日の2日間、「第8回居住環境デザインフォーラム」を開催した。生活科学部居住環境学科の学生が制作した課題と卒業制作、生活科学研究科の修士設計を展示・発表することで、課題に取り組む意識づけと回生間交流を実現している、学内でも珍しい取り組みだ。居住環境学科での学びとデザインフォーラムの意義について、学生実行委員長の池嶋智さん (生活科学研究科1回生) に話を聞いた。

居住環境学科と建物づくり

学部の4年間の教育プログラムを教えてください

ー1回生前期は実際の建物の見学をします。デザインは1回生後期になってからですが、まずはイスなど建築の前段階の勉強から始めます。2回生になると建物の設計を始めます。最初は住宅や保育園といった、自分の経験から思い起こせるような建物を設計します。3回生にかけて集合住宅だとか複合施設だとか、より大規模な建物の設計をするようになります。ここまでは担当の先生に課題を与えられるのですが、4回生の卒業制作では自分で問題をみつけ、それを解決するための設計をしていきます。ここが学部の4年間では一番楽しいのではないでしょうか。

工学部建築学科とはどこが違うのですか

ー学部の枠組みが一番大きな違いだと思っています。建築学科は工学を学び、居住環境学科は生活科学を学んでいます。だから建物の構造に関する分野では、居住環境学科は建築学科よりも弱いです。私たちは特に人にとっての設計・デザインがメインですから、より密度の高い小規模な建物を扱うことが多いです。

建築学科とコラボすることは

ー私は是非コラボしたいと思っています。話は出るのですが実現していません。先生たちの問題もあるでしょうから、大学教育のカリキュラムの中では一緒に課題を制作する機会はそうないと思います。だからコラボをするためには、学生レベルでなにかプロジェクトを起こす必要があるでしょうね。他大学の建築に関する展示会ではその大学の特色を感じることができるけど、市大は特に定まっていない。建築学科とのコラボによって、ある種の特色になるかもしれないですね。

居住環境の課題制作

1つに課題制作にかかるの準備期間は。

ー2ヶ月から3ヶ月くらいです。

短くないですか。

ーはい、四苦八苦しています。でも他大学に比べて余裕はあるかなと思います。それでも際限がありません。こだわり続ければキリがないですから、結局期限に追われることになります。

個人による課題制作が多いようですが、ゼミなどでチームプレイはないのですか。

ー確かに個人作業が中心です。でもゼミで1つのことに取り組むということもあります。例えば今回のデザインフォーラムの記念講演には乾久美子さんにお越しいただきました。それに合わせてゼミでは、模型制作や文献輪読を通して彼女の専門分野に関する研究をしました。

池嶋さんがこれまでの課題制作の中で感じたことは。

ー2回生のときに公園にある作品を置いてみたのです。ちゃんと公園管理者の許可は得て。しかし実際に作品を作ったり置たりしてみると、思っていたものとは違う。例えば材料の厚さが足りていなかったから修正に時間がかかったり、デザインそのものが変わってダサくなったり。だから考えるだけではなくて、実際の生活で使ってみて検証するという機会がとても大切だなと感じました。

デザインフォーラム

フォーラムは居住環境学科にとってどのような場なのでしょうか。

ー日頃制作されてきた課題の中から、先生がフォーラムへの出展作品を選びます。ですからフォーラムのために何かを作るというシステムではありません。フォーラムがができる前とでは、参加する学生の意識が変わったと思います。それまでの勉強会的な場から、もっとあらゆる回生やゼミの学生が主体的に参加・発表できる場になりました。大きな変化は、日頃の課題制作のモチベーションにつながるという点と、1~3回生にとって数年後の自分の姿を見て刺激をもらえる場ができたという点です。私は去年フォーラムに出展させてもらえましたが、出展が決まったときはやはり嬉しかったです。また後輩にとっては先輩から刺激をもらえるいい機会だと思います。先輩の作品を見ることで、「越えてやろう」「これとは違うものを」「こういう点は真似をしよう」と思える機会があることは大きいです。

表彰された作品の評価ポイントは。

ー優秀作品は来場者による投票によって選ばれます。専門の学生や教員だけでなく一般の評価も加わりますから、「わかりやすい」とか「なんかいいな」という理由も大きいと思います。特に「わかりやすい」という評価は、作品の問題設定とそのための解決策が明快であるという見方もできますから、重要な評価だと思います。

デザインフォーラムの運営準備はいつから始まったのですか。

ー私が実行委員長に指名されたのは昨年のデザインフォーラムでです。実際に動き始めたのは年末からですね。まずは昨年度の運営の仕方と問題点を把握しするところから始まり、先生に出展作品を選定してもらったり、ポスターや冊子を作ったり。私は取りまとめ役ですが、そのような出版物を担当した仲間は忙しいときは本当に忙しそうでしたね。

池嶋さんのこれから

池嶋さんは修了までにどんなことに取り組みたいですか。

ー研究室の方にいくつか設計プロジェクトがきています。実際に自分が設計したものを、実際に人が使える形で建てたいですね。将来は設計の仕事に携わっていきたいので、やはりそれまでにもっと勉強していきたいです。

(加賀友基)


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