皆さんは学生選書という制度をご存じだろうか。学生選書は、主に二つのイベントで構成される。一つ目は学生選書ツアーといい、実際に書店に出かけて本を選ぶ。二つ目は選書会議で、選ばれた本が学術情報総合センターの蔵書としてふさわしいかどうかを学生選書に参加している学生や学情の職員が議論する。今年度の学生選書では2018年10月25日に選書ツアーが、11月29日には選書会議が開催された。筆者が参加したこのイベントの様子と、担当職員の渡邉いずみさんと伊賀由紀子さんに行ったインタビューを紹介する。
学生選書ツアー
今回の参加人数は9人だった。ジュンク堂書店難波店に集合したのち、本を選んだ。2時間ほど選書をする流れになっている。ハンディターミナルという機械で本のバーコードを読み取り、記憶させるため、逐一メモを取る必要はない。書店内は非常に広く、たくさんの本があるため、目当ての本を見つけるまで時間が掛かった。しかし、さまざまなジャンルの本が目に入るので歩いているだけで楽しめる。なお、記念品として1000円分の図書カードを頂いた。
選書会議
学情の会議室に集まり、各自が選んだ本についてプレゼンを行う。所要時間は計2時間程度である。選んだ本のジャンルは人それぞれで、各人の学情に求める蔵書の分野についての意見に触れ、理解の深さに驚いた。同時に彼らが普段から学情を利用していること、本について真剣に考えていることに一参加者として感銘を受けた。
学生選書に参加する筆者=学術情報総合センター提供
――学生選書の歴史を教えてください。
学生選書は2011年に始まり、今年度で8回目になります。11年ごろから、学生を選書に参加させようという動きが他大学で盛んになりました。その流れの中で、本学でも学生の意見を選書に反映させるため、また学生の皆さんに学情への関心を持ってもらうために学生選書制度が導入されることになったのです。
――参加人数はどのくらいですか。
初めは5人ほどでしたが、希望者が多く抽選になった年もあります。近頃は10人前後で落ち着いていますね。もっと多くの学生に参加してほしいというのが本音です。
――学生選書の購入基準はどのようなものですか。
基本的には学情の収集基準に沿って選んでいただくかたちになりますが、少々外れていても学生さんにとってより読みやすい本を選んでいただき、尊重するために基準が緩められることはあります。
――学情が収集する本は普段どのような選び方をしていますか。
基本的には新刊書の中から学情にふさわしいと思われる本を職員が選定しています。出版社から送られてくるカタログを見て、1冊ずつ選んでいます。また、新設された授業の内容に合った本なども収集しています。しかし、職員側が選ぶとどうしても無難な内容のものになりがちです。
学生選書コーナー=学情2階で12月21日、竹中涼撮影
――学情2階に学生選書コーナーが設置されていますが、その評判は。
第1回から第7回までの学生選書で選ばれた全ての本がそこで閲覧できるようになっています。また、毎年学生選書が行われた後にはその展示もしていますが、やはり他の企画展示と比べて貸し出しが多いですね。同年代の人が選んだ本ということで、関心が高くなっているのではないかと思います。同時に学情への興味を持っていただけているということで、このイベントの効果があったのかなと思いますね。
12月21日から、今年度分の学生選書展示が始まった=学情2階で12月21日、竹中涼撮影
――学生に向けてメッセージはありますか。
学生と一緒に考えられる数少ない機会なので、学生選書にはもっと多くの学生が参加してほしいと思っています。導入する本の需要には配慮していますが、目の届いていないところがどうしてもできてしまうので。申し込むのは少し敷居が高いと思われる方やお忙しい方もいらっしゃると思いますが、少しでも多くの方に参加していただけるとうれしいです。
文責
竹中涼(Hijicho)
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