「ヨンシャキョウ」「ヨンシャ」。新入生には馴染みが無く、課外活動に参加する人にとっては馴染み深い響きであろう。正式には「四者連絡協議会」との名前を持つ彼らだが、なぜ彼らが存在するのか、一体どんな活動をしているのか、詳しく知っている人は少ないのではないか。2018年度四者連絡協議会(四者協)執行部の4人にお話を伺った。
四者連絡協議会執行部(左から) 音楽系サークル協議会委員長 吉田ひとみ(経・新3年・Music Research Club) 体育会幹事長 小川聖樹(経・新3年・軟式野球部) 応援団団長 森翔一(商・新4年・応援団) 文化系サークル連合委員長 日向陽太郎(理・新3年・HRDP、映画研究会) |
――四者協とはそもそもどのような団体なのですか。
日向(文サ委員長) 市大には体育会・音楽系サークル協議会・文化系サークル連合・応援団の四つの団体が存在しています。これら四つの団体が四者協という一つの大きな団体になり、予算や加盟団体の意見・要望を大学と交渉しています。私たち四者協執行部が中心となり、活動しています。
吉田(音サ委員長) 具体的には、四者間における予算配分の決定や新入生勧誘活動の取り仕切り、学生支援課からの連絡を各団体に伝えることなどを行っています。
森(応援団団長) また、大阪市立大学新聞 Hijichoさんと協力してBOX(部室)の管理も行っていますね。
――「大学と交渉する」とありましたが、学生支援課とはどのような関係性なのですか。
森 年度によって大きく違うな……。
吉田 この4人でも違うし。
――そうなんですか。
森 四者協といってもあくまで4団体の代表なので、それぞれが考える距離感で活動しています。
小川体育会幹事長=3月18日、中村伸二撮影
――なぜ四者協は存在しているのですか。
小川(体育会幹事長) 例えば新歓活動などを大学が取り仕切ることも可能ですが、大学主導で行うと「問題が起こらない」ことが最優先となり、規制ばかりになってしまうと思います。それを四者協が学生の意見を反映するために活動することで、学生主体のアクティブな新歓にしていくことができます。
吉田 さらに言うと、新歓などは大学にとって「なくてもいいもの」だともいえます。それを学生がやらせてもらっている以上、学生が中心となって運営していくのは当然のことだと思っています。
日向 つまりは課外活動という僕たちが「自発的にやりたいと言っていること」を、学生支援課と連携をとり、協力してもらいながら、学生が主体的に行っていくために存在しています。
――四者協に所属するメリットはあるのですか。
森 支援課の説明では現在、全学生のうち約6割が課外団体に所属しています。そのうち半分以上が四者協所属なので、おおよそ3割から4割ほどの学生が四者協に所属しているといえます。市大最大規模の団体に所属することによって、大学へ意見があるときに一つの団体としての力を超えた影響力を持つことができます。
吉田 また、予算面でのメリットは大きいと思います。年々大学からのサークル援助金は減少していますが、代わりに教育後援会(保護者団体)からの援助金が新たに設立されるなど、トータルとして予算は増加傾向にあります。予算の配当を受けることで、活動がしやすくなります。
日向 物品の援助なども可能な範囲で行っています。
小川 輪転機が使用できることもですね。ビラ印刷には有利だと思います。体育会の輪転機のインクが無くなったときに文サに借りるなど、四者間の助け合いがあるのも利点です。
――ビラといえば、18年度の新歓では花道廃止の代わりとして各団体が大量のビラを印刷し、四者協に提出する必要がありました。
吉田 そもそも花道を廃止した理由は、新入生にとって整理されていないビラをどんどん渡されるのは大変、花道が怖い、ゴミになるという意見を反映したからです。
森 ぐしゃぐしゃになった沢山のビラは読む気が無くなりますよね。そのため冊子にすることによって綺麗な状態のビラを新入生に読んでもらおうという試みでした。反省点はありますが、この方向性は間違っていなかったと考えています。来年以降のことは分かりませんが、恐らく花道が復活することは無いと思います。
吉田 ただ冊子作製の労力が凄かったので来年度はやり方を考えてほしいですね。
――輪転機を使用できない四者協非加盟団体は印刷が困難だったのではないでしょうか。
吉田 それは無理に提出しなくてよいとしか……。
森 四者協に所属していないデメリットだとしかいえないですね。
日向 SFT(STUDY FOR TWO)さんが今春から文サに所属することになったのですが、このように新しく四者協に加入することもできるので、気になる団体の方は問い合わせてほしいです。
吉田 ぜひ入ってください!!
吉田音楽系サークル協議会委員長
――四者協には課題とする点はありますか。
吉田 これまでの四者協は、支援課から言われたことをそのまま学生に発信する、といった仕事が中心となっていましたが、先ほど言ったように本来は学生の意見を大学に要望するために四者協は存在しています。大学との折衝権を持っているのは四者協とまつり(大学祭実行委員会)だけなので、この権利を大切にしていきたいですね。
森 四者協は四つの団体の代表の集まりで意見は違うこともあると言いましたが、この点は私たちが一致している重要な考えです。全学生を背に、大学と話す。
小川 もちろん喧嘩するのではなく、建設的な話し合いをしていくつもりです。
――「大学」とは学生支援課のことですか?
日向 そうなのですが、むしろ支援課には同じ向きになってもらいたいと考えています(笑)。実際に、支援課の職員には学生の意見に耳を傾けてくれる人が多いんです。ただ支援課も上層部の決定との板挟みになっていて、どうしても難しい部分があるんだと思うんです。
森 支援課はいつの世代にも「君たち(学生)の味方だからね」と言ってくれているので、私たちはその言葉を信じています。
日向 僕たち学生はどんなに意見を言っても4年が経てば卒業していくわけで、長期的な話し合いに向いていないのかもしれません。先輩たちが言われていたことと僕たちが言われることにズレが生じないように、四者協での引き継ぎや大学との制約などをしっかりとしなければ、と思っています。
森応援団団長
――四者協が考える市大の課題はありますか。
森 自転車撤去問題は課題かなと思います。撤去する事務員の存在は必要だと思いますが、わざわざ嫌がらせのような撤去方法をとることには疑問があります。この問題に対しては、事務員の廃止運動ではなく、学生の自転車マナーの向上を働きかけていきたいです。ただこの問題は四者協というよりは、学生全体の課題として取り組みたいですね。
日向 また、自転車登録料金の1000円についても用途が不透明なので困惑しています。用途が分からないのであれば、500円にも1500円にもできるじゃないですか。そんなものにお金を払いたくないという学生の気持ちを理解してほしいですね。
吉田 0円にしてほしい。
日向 少なくとも用途を透明化して、値下げ交渉が可能な状況にしてほしいです。
――他にはありますか。
日向 BOXが減少傾向にあることも問題です。移転についての話し合いを建設的に行って、クラブ・サークルの利益が守られるようにしたいです。
森 予算の都合など、のむしかない部分は大きいですが、毅然と権利を要求していきたいですね。
日向文化系サークル連合委員長
――最後に、今後の意気込みを教えてください。
森 クラブ・サークルで大学を元気にしたいという想いがあります。そのためにクラブ・サークルの味方として活動していきます。
小川 BOX移転や府市大統合などは、さっきも日向君が言いましたが、僕らからしたら4年で終わることなんですけど、今の僕たちが動くことによってまだ見ぬ市大生の4年が良いものになればいいなと思います。
日向 僕は四者協が中心になって、横のつながりを深めていけるようにしたいです。
吉田 私はとにかく楽しくしたいです! 私は仕事でもないクラブ・サークルなのにかっちりしたのが嫌いで、フレンドリーにしたいんです。何でも相談してほしいし、日常会話でもいいのでコミュニケーションをとりたいです。今年から始まった四者協のLINEを私が担当しているんですけど、沢山顔文字を使ったりして、親しみやすい四者協にしているつもりです。
小川 「フレンドリー四者」いいやん(笑)。
吉田 四者はカタカナで「フレンドリーヨンシャ」。
日向 ダサいな(笑)。でもダサい感じが親しみやすいなら嬉しいです。
森 クラブ・サークルの仲が良い大学にフレンドリーヨンシャがしていきます!
――ありがとうございました。
四者連絡協議会連絡先 yonshakyo2018@gmail.com
四者連絡協議会公式Twitter @yonshakyo
四者連絡協議会公式LINE
文責
中村伸二(Hijicho)
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