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寄稿連載 ◇ 就職活動に「失敗」したからこそ、伝えたいこと (第5回) 中小企業への就職は「失敗」なの?


女性と仕事

現在も日本の就職活動に女性差別はあるか?私はあると思います。ただ、女性であるからこそ享受できる利益も沢山あるので、過度な被害者意識は不要だと考えています。

男女共学校で幼稚園~大学まで過ごしてきた私は、就職活動をして初めて「社会は男女平等ではないんだな」と感じました。例えば、総合職募集の面接で「どこで働きたい?本当は大阪で働きたいんでしょ?一般職採用だったら、どう思う?」と、目の前で誘導尋問されたことがあります。また、筆記試験が難しいという噂がある商社は全て通ったのに、その後に受けた中堅・中小専門商社の半分以上は筆記試験や履歴書の段階で落とされました。確信はないけれども、目には見えないフィルターを感じ、「もし私が男だったら…」という考えが何度も頭をよぎりました。本当に悔しかったです。でも、入社してから男女差別に悩むよりは、社会に出る前に垣間見れてよかったと考えるようにしていました。

とはいえ、個人的には、現状での女性差別はある程度仕方のないことだと理解しています。産休・育休など権利を主張・離職率の高い女性を採用するほうが企業にとってリスクですし、今日の日本社会は子育てに関して、まだまだ女性の負担の方が大きいからです。ただ、女性差別を容認しているわけではなく、むしろ女性差別を解消していくのは私達の世代だと考えています。なので後輩の方々にぜひオススメしたいことがあります。

それは30歳前後の女性社会人の話を聞くこと。私の場合、就職活動に行き詰っていた4月末、中小企業で海外営業をしている女性を姉に紹介してもらい、お話を伺いました。私が「産休や育休、中小企業なら取りにくいイメージがあるのですが」と言うと、彼女は「確かに、制度は大手に比べたら整ってないかもしれへん。けど、仕事で実績残してる社員が辞める方が会社にとってマイナスなら、休みも取らせてくれるはず。実際には上司が理解あるかも大きいけど。制度がなかったら、自分が第一号になって制度を作ったったらええねん!」と仰っていました。私は総合職として男性と同等に働きたいと考えていましたが、ここまでの覚悟はできていなかったので衝撃的だったのを覚えています。

就職に関して、女性だからこそ恵まれている点があります。それは、働き方の多様性。例えば、金融機関や商社の一般職に、男性はほとんど採用されません。バリバリ仕事がしたい女性がいる一方で、9時から17時まで仕事をして、残りの時間を趣味等に没頭して慎ましく生活をする方が合っている男性もいるはずです。まだまだ「男は稼いでなんぼ」というような風潮があるからこそ、専業主夫や短い勤務時間・限られた収入内で慎ましく生活するような男性の生き方は、社会に認められていないと感じます。「専業主夫」がまだそう多くはない世の中ですから、男性は就職に対しても相当大きなプレッシャーがあるでしょう。その点、女性は色んな働き方が社会で認められているのが、有利な点ではないでしょうか。

男女雇用機会均等法が施行されて28年。今までは「女性が男性社会に参入する」イメージだったと思います。今後は男性にも多様な雇用形態が社会的に認められ、誰しもが性別ではなく、自分の性格や生き方に合った働き方を選べる社会が「男女雇用機会均等の社会」だと、私は思います。

ところで、同世代の女性にお勧めの一冊があります。それは昨年10月に発行された白河桃子・常見陽平共著『女子と就活―20代からの「就・妊・婚」講座』
という本です。「いつ結婚するか」「いつ子供を産むか」特に後者にはタイムリミットがあるだけに、大学生といえども、漠然とした理想を持っている人も多いのではないでしょうか。この本は先輩の女性社会人の方の多様な具体事例が載っているので、お勧めです。

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コメント

    • 上山幸穂
    • 2013年 6月 10日

    上山本人です。
    最後まで読んで頂きありがとうございました。予想以上に多くの方に読んで頂き、嬉しく思っております。

    ただ大学の友人にも内緒で記事を書いてたため、いまいち読者の反応が伝わってこないまま卒業を迎えてしまいました。今さらですが読者の方の感想が気になっています。

    もしご意見、感想あれば、一言メール下さい。批判でも構いませんし、就活生であれば、お悩み相談でも大丈夫です!

    以下が専用メールアドレスです。
    ueyama.hijicho@live.jp

    厚かましくて、すいません。
    他の寄稿者のようにTwitterの公開、ブログ等はしておりませんので、こういう形でご依頼させて頂きました。では、失礼致します。

    上山幸穂

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