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キャンパス内で自転車に乗れない? 杉本キャンパス自転車問題に迫る


2014年3月24日、大阪市立大学の学生ポータルサイト上で突如以下のような発表がされた。
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要約すると、2014年4月1日以降、杉本キャンパスを安全で快適なキャンパスにするためにキャンパス内では自転車を押して歩くよう推進し、走行を規制するという。また自転車の点検・防犯登録・賠償責任保険の加入を推進していくという。

これらの施策についての真意を確かめるべく、経営管理課の担当者への取材を行った。

今回の杉本キャンパス内での自転車の走行規制は一時的なものではなく、正式な決定なのか? またどの部署がそれらの決定を行っているのか?
-ポータルサイト上に発表されている通り、一時的な施策ではなく、これからのキャンパス内の自転車に対する大学の方針である。ただし安心安全のキャンパスを実現するためには、大学・学生双方の協力が必要なので、これらの方針について、引き続き対話をしていきたい。
この自転車に対する施策は経営管理課、企画総務課、学生支援課 学生担当、学務企画課などの様々な関係部署が関わって、話し合いを進めている。

教授会や学生担当委員会でも異論が出たそうだが?
-話し合いを進めていくうえで、色々な方から多様な意見を出していただいた。

このような決定がなされた背景は?
-まずは学生が安心・安全・快適に過ごせるキャンパスの実現である。現状は自転車がキャンパス内に溢れており、美観上の問題や、非常時に緊急車両が入れないという事態も起こりうるため非常に危険な状態である。
またキャンパス内で自転車を飛ばして走る人もおり、実際に自転車の接触事故も起きている。もちろん学生が自転車を使って便利に移動したいという気持ちも分かるが、これらのリスクを排除し、キャンパス内での通行の安全性を確保するためにこのような規制は必要と考えている。

事前に学生にはまったく知らされず、決定事項という形で発表がなされたが、その意図は?
-意図は特にない。自転車問題は前々から問題にはなっていたが、今回新入生を迎える時期に合わせて大学側の話し合いで決まったことを発表した。

今後、学生とのこれらの問題についての話し合いの場を設ける考え、計画はあるのか?
-具体的に決まったわけではないが、何らかの形で学生の意見、観点等を交換する場は持ちたいと思っている。

キャンパス内での自転車の走行規制、防犯登録、保険の加入等は大学側としてどういった形で推し進めていくのか?
-キャンパス内に職員等を配置してこれらの規制について伝わっていない人に対して、声掛けなどで協力要請を行っていく予定である。自転車の整備、防犯登録、賠償保険の加入等については大学側は学生に対して意識啓発を中心に行っていく予定だ。大学側がこれらについてすべて準備するのではなく、大学生といえどもう大人なので、自転車でのリスクをしっかり理解して、あくまでも自発的に防犯登録や保険の加入等を行ってほしい。

キャンパス内での自転車の通行規制を行うことに伴う弊害への対策は?
-移動時間が増えることがまず考えられる。休憩時間は現在10分だが、今のままで十分なのかを検討し、来年度以降休憩時間を延長するかどうかを検討していきたい。

休憩時間を延長するとなると、それに伴い授業終了時刻も遅くなるため、これまでだとアルバイトに間に合っていたものが、間に合わなくなることも考えられるのでは?
-アルバイトは学生の生活に大きく関わってくる問題でもあるので、そういった点は配慮が必要になってくるだろう。

自転車の通行規制を進めることでそもそも事故は減るのか?
-少なくともキャンパス内や事故の多発する門付近で自転車を飛ばす人はいなくなるので、事故が起きる危険性は大きく減ると考えている。

こういった自転車の通行規制といった施策を行う前に他の対策を行うことは考えなかったのか?
-賛否両論はあると思うが、我々としては、まず学生の皆さんに自転車の通行規制について協力要請を行なうことで丁寧に進めていき、また多方面から様々な意見を募ることで、より良いキャンパス作りを行っていきたいと考えている。

発表によると学内に駐輪できるのは、通学用の自転車に限る (来年度以降) と書かれているがクラブ、サークル等といった課外活動で利用する自転車はどうするのか。
-発表した「通学用の自転車」だと少し語弊が生じてしまうが、これはキャンパス内の移動のみに利用する自転車は駐輪できない (そもそもキャンパス内での自転車通行を規制すると、そういった自転車の利用は意味がなくなる) という意味である。

入り口付近に駐輪場を設置すると発表にあるが、スペース上、また景観上問題はないのか?
-現在自転車登録されている自転車はおよそ2000台あるが、規制の導入によって台数も減ることが予想されるので、それらを勘案してどれくらいのスペースが必要かを検討していく。ただ景観を重視して不便な場所に駐輪場を作っても利用しない人が増えるだけなので、うまくバランスを取りながら考えていきたい。

今後の施策決定のスケジュールは?
-話し合いはこれからも続いていく。まずこれからの半年は学生の皆さんにこの規則を丁寧に進めていきたいと考えている。長期的には、さまざまな意見を勘案して、より良いキャンパス作りに向けて施策を考えていきたい。

From Editor

キャンパス内の自転車の通行に関する突然の発表に驚いた人も多かったのではないだろうか。このような大学側の突然の発表に対して憤りを感じた人も少なからずいることだろう。確かに、多くの学生がキャンパス内で自転車を利用している現状を考えると、学生を蚊帳の外に置いた状況の中、こういった決定事項として施行一週間前に発表を行うということは学生の立場からみると、どうしても大学に対して不信感を感じざるをえない。
ただ我々学生もなぜこのような規制ができてしまったのか、その背景を十分に理解しなければならない。キャンパス内にあふれる自転車、二人乗りや暴走する自転車、卒業したにもかかわらず処分せずに放置された自転車など、市大生の自転車に関するマナーはお世辞にも良いとは言えない。こうした規制を作ってしまった原因は我々学生にあることを自覚し、個々が意識的にマナーを改善しなければならない。
また、大学の施策に対し、ただ単に反対、賛成といった受身的な態度をとるのではなく、不満があるのであれば能動的に活動し、話し合う場の企画、大学側に問題の解決策の提示を行うといったより具体的な行動が必要だろう。
大学側も学生に対する説明が十分とは言えない。大学側の言い分を説明する場を持つ必要がありそうだ。現状のままだとお互いの言い分が不透明で議論が成立しない。
大学側も学生側もともにより良いキャンパスを目指すという面では究極的に目指すところは同じである。お互いに解決に向け、協力し知恵を出す必要がある。快適なキャンパスを実現するためには双方の協働が必要なのだから。

文責

 町田和紀 (Hijicho)


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