いにしえの住吉の浜辺と長居の里

住吉大社正面の大鳥居から現在の住吉公園の中央を西へ貫く道には、今も両側に石灯籠が残っています。かつての高灯籠は、昭和49年に東約200mへ移転し復元されています。元禄11年 (西暦1698年) に開削された十三軒堀川から船で参詣・来遊することが盛んでしたが、今は埋め立てられ上に阪神高速道路が走っています。大社前の長狭 (ながお) の浦は出見の浜とも呼ばれ、潮干狩りの名所でした。こちらは今は南港西端から7kmあまりも内陸の地となってしまいました。

大社の南東には境外浅沢神社があります。この神社の堀に面影を残す浅沢沼は、住吉区の花「カキツバタ」のかつての名所で、細井川上流の竜ノ橋のあたりまで広がっていました。

細江川は長居の寺岡から始まり、住吉大社の南側を西流する川で、細井川とも呼ばれています。昭和25年のジェーン台風で川が氾濫したあと護岸が施され、味気ない水路になってしまいましたが、昔は歌に詠まれた美しい清流でした。

住吉区長居には多米 (ため) 神社跡が、長居西には神須牟地 (かみすむち) 神社があります。この辺りはかつて豪族の多米連 (ためむらじ) の領地があったというから、古くからの集落があったと思われます。ちなみに、プロ野球・オリックスの大引啓次選手は、この神須牟地神社の宮司の次男さんです。

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