惑星科学者・向井正

向井正は、昭和20年5月に大阪市住吉区で生まれました。大阪府立住吉高等学校を経て、京都大学理学部物理学科を卒業、同大学院を修了しました。神戸大学名誉教授に就任し、日本惑星科学会会長を務めました。21世紀COEプログラム「惑星系の起源と進化」の拠点リーダー。現在、京都コンピュータ学院の教授を務めています。

光散乱の理論を用いた天文学的観測や探査機測定によって、惑星間塵の空間構造とその起源を研究しています。また、探査機はやぶさに搭載するためのレーザー高度計を開発し、小惑星イトカワの内部に無数の空洞があることの発見に繋げたり、散乱円盤天体の分布から惑星Xの存在を仮定してその予想軌道を計算したりといった業績があります。

惑星科学は、惑星について研究する学問。地球科学と天文学をつなぐ学問であるといえますが、天文学が中学校・高等学校においては地学分野に、大学では物理学の一分野として位置づけられているのに対し、惑星科学は中学・高校・大学のいずれでも地学=地球科学の一分野とされています。それは惑星科学が地球科学の他惑星への応用という一面を持っているからです。なお、惑星科学のうち特に物理学的手法を用いるものは惑星物理学と呼ばれています。太陽系形成の理論としては、18世紀にイマヌエル・カントとピエール=シモン・ラプラスによって「カント・ラプラスの星雲説」が発表されています。その後、1970年代になって京都大学の林忠四郎を中心とするグループとハーバード大学のアル・キャメロンを中心とするグループが、星雲説同様のガス円盤から太陽系が形成されたとする理論を提案しました。

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