Episode2  「逆襲の“にょう” ~非モテコウモリ僕にょん物語~」

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 中国語応用が必修であることを知らず、前期も後期も履修していなくて絶望しました。どうも、Hijicho一回生の大川です。新企画ということで、引き続きブログで小説をすることになりました。今回のアニマルズはコウモリです。ではお楽しみください。

 

 「えっ!?払えないってどういう事ですか?」

「ですから、この生協カードには一円も残高はございません。」

「そんなはずはないんですけど・・・まだ後2万円はあるはずなんですが・・・」

「はぁ~、最近あなたのような学生さんが多くて困ってるんですよ。とにかく、そのカードの残額は0円なので現金でお支払いください。」 

「おかしいなぁ、確かに残額はあるはずなんだけどなぁ。」

 これは大阪市立大学での学食での風景。最近学生が、生協カードで支払いを済ませようと思ったら残額が0になっていたという事が頻発しており、ちよは独断で調査を開始していたのだった。

 

 「あーーー!手がかりがない。無いたっらない。ウキーーーーー!!」

ちよは猿とワルツでも踊っているかのような謎の奇声をあげて、頭を振り回した。

「落ち着きなよ、ちよ。おそらく、これはアニマルズの仕業だよ。」

鳥さんはちよの狂態に全く驚いている様子は無く手慣れたものである。おそらく見慣れてしまったものと思われる。

「アニマルズの仕業ってことは分かってんのYO!!困ってるのは手口が分かんないからだYO!!」

「急にラップするってことは、まだまだ余裕だね。部室にこもりっきりじゃ分かるものも分からないよ。聞き込みしなきゃ。」

鳥さんは相変わらず冷静である。

「分かってるよう。でも被害者は皆、恋人のいる人ばかりで気が乗らないのよねぇ。」

ボソボソとそうつぶやくと、ちよはメンヘラの愛よりも重い腰を浮かし、秋の枯れ葉よりも軽い口と共に聞き込みにでかけた。

 

 「にちゃあ、僕にょんは超超超天才ハッカーなんだにょう。僕にょんの全身から発する超音波にょのおかげにぇ、目障りなバカップルどもに不幸をプレゼントする方法を思いついちゃったんだにょう。にちゃああ。」

大豆が一瞬で納豆に変わってしまいそうな、匂いまで感じるほどの発酵した負のオーラをプンプンとまき散らした一匹のコウモリが、ゴキブリホイホイ並みの粘着質な声でそうつぶやいた。

「僕にょん泥棒してないにょん。ただただカード残高を0にしてるだけだにょん。にちゃあ、またバカップルが来たにょう。幸せオーラを振りまいて許せないにょう!!僕にょんの不幸にょ一億分の一でも食らうがいいにょううう!」

「あっ!あんたこんなとこにいたのかい!!急に家出してどこに行ったのかと思ってたらこんなとこで何してんだい!!」

地獄の鬼も真っ青な権幕で一匹のママコウモリが怒鳴った。

「ママにょん!!何でここにいんにょ!」

逆にムスコウモリは青鬼よりも真っ青な顔色になってしまっている。

「早く帰るよ!!アニマルズの集会がもうすぐ始まっちまうよ。」

「いやにょーーー。僕にょんは一組でも多くのバカップルに嫌がらせをしたいにょーーーーーー。」

必死の叫びもむなしく激陰キャムスコウモリは、かつてリア充を経験済みのママコウモリに引っ張られていってしまったのだった。

 非リアはリア充に勝てず。この世の悲しき摂理通り、こじらせ陰キャによるリア充への醜い反旗はママにょんという圧倒的強者により幕を閉じた。

 

  ~数日後~

 「聞き込みしても、最近は被害にあったって声も聞かないし・・・もしかしてこの名探偵肘野ちよに恐れをなしたのかも!!?」

ちよは冬将軍も吹き飛ばすほどの笑顔で鳥さんに言った。

「でもちょっと残念。カップル撲滅隊隊長としては、犯人さんとは仲良くなれたかもしれないのにYO!」

「何言ってんだか。」

鳥さんの呆れた返った返事に、ちよはペロッと舌を出して答えた。

 

 

 

 ここまで読んで頂きありがとうございました!リア充の人はくれぐれも、ムスコウモリにお気を付けください(笑)非リアの人は、僕と一緒に今後も覇道を歩みましょう(笑)!!このシリーズはしばらく続きますので今後も是非お楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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