HijichoのLINE公式アカウント
友だち追加数

策伝大賞岐阜県知事賞受賞 成田屋解散さんインタビュー


策伝大賞とは、落語の発祥地と言われている岐阜県で行われる、学生落語の日本一を決める大会のことです。策伝というのは1番最初に落語をした人とされている安楽庵策伝のことであり、全国から300-400人が集まります。

動画審査、予選会を突破した8人が決勝に進出します。毎年、12月頃に動画の締め切りがあります。持ち時間は1人8分。落語の種類は、「まんじゅうこわい」や「寿限無」のような古典落語、古典落語に現代風の要素を加えた改作落語、完全に1からお話をつくる新作落語の3種類あります。2月末に予選と決勝が2日連続で行われます。いわば落研にとっての甲子園です。

そんな策伝大賞で岐阜県知事賞を獲得された大阪公立大学文学部 4回生の成田屋解散さんに策伝大賞の感想や今後の展望についてお聞きしました。

 

1.策伝大賞にかけた想い

公立大落研は歴史こそ長いんですが、落語の大会で成績を残したことがなくて。落語のノウハウもあんまりないので、後輩に教えてあげられることがあんまりないな、と後輩に対して申し訳なく思っていました。他大の人たちからも、「公立大落研は落語っていうかお笑いサークルやもんな」って思われがちでした。それが悔しかったので、夏に開催された桂福丸杯で決勝まで進み、公立大落研でも落語できるんだぞっていうのを証明できたのは良かったです。

ただ、桂福丸杯に続く策伝大賞は落研出身ならみんな知ってるような更に大きな大会で、ここでドカンとインパクトを残すのが大事だと思っていました。そう言った意味でも、プレッシャーはありました。

 

2.私にしかできない落語


私は、まっすぐ古典落語をしても、私よりもうまい人は無数にいるから、私にしかできないことをやろうと思いました。私が題材として選んだのは「たらちね」という古典落語です。これは、大家さんががさつな男に面談を持ちかけるのですが、紹介された女性は言葉が丁寧すぎて、話が通じずてんやわんやになるというお話です。私はこの古典落語の改作をやろうと思い、この丁寧すぎる言葉の部分をアナウンサーの喋り方に変えました。というのも、私が中学から約10年ずっと放送部に所属しているので、ここまでアナウンサーっぽい喋り方ができる人は全国で私ぐらいしかいないんじゃないかなと思ったからです。人と被らないことをしようと思ったのが、 12月時点での考えでした。

 

3.大会の雰囲気

この大会の良いところは、予選が 3会場で同時に行われていて、お客さんはどの会場にも無料で入れるところです。地域の人も、落研の人もいます。M-1グランプリやR-1グランプリは「さあ見せてもらいましょうか?」という雰囲気があり、お客さんも審査員のような目線で見られるので、あんまりウケなかったり、面白いことしてもあんまり反応がなかったりします。それに対して、落語の大会は全然違っていて。お客さんが「よ、待ってました!」みたいな感じで見てくれます。地域の人も、本来ライバルであるはずの他の落研の人も楽しそうに見てくれるから、基本みんなウケるという温かい雰囲気の中ですることができました。さらに、ありがたいことに夏の大会で決勝に行けたことでたくさんの方が私を目当てで見に来てくださっていたので、期待には応えられたと思います。出番自体は結構楽しく終えられたんですけど、落ち台詞が最後の最後まで全然決まっていなくて、出番の30分前にやっと完成したことが今回の反省点です。ただ、自分の大学の先輩後輩だけじゃなくて、他大の先輩とか東北に住んでる知り合いの先輩とかにもアドバイスをお願いできたのは大会ならではです。ライバルではあるけど、協力体制をとっているのが落語の大会のいいところだと改めて思いました。そのおかげもあり、3位の岐阜市長賞もらうことができました。

 

4.大会だけじゃない楽しさ


大会ももちろんなんですが、それ以外の部分もめちゃくちゃ楽しかったです。大会ではあるけど、全国からみんなが岐阜に集まってくるから、全国の落語研究会の人のでっかい合宿みたいな感じになります。東北や北海道、東京の落語仲間にも会えるし、みんなでご飯食べに行ったりとかもできます。私はちょっとネタができてなさすぎたんで海鮮丼屋に駆け込んでパパっと食べたんですけど(笑)。あと何より楽しいのが決勝進出者発表の後に全員でやる打ち上げです。会場からすぐ近くのビアガーデンみたいなところを関係者300人ぐらいが占領してやります。席も決まってないので、焼肉焼きつつしゃべりたい人のとこに行って乾杯したり、ご飯食べたりとかしてました。落研のすごいところが、勝ち負けが決まってしまった後なのに、予選で敗退した人も全員楽しむところです。素直に「いやおめでとう行くと思ってたわ。明日頑張ってなー」みたいな声掛けしてくれる人もいるし、そこで 「ちょっと今度福岡で寄席するんですけど、来てくれませんか」とかそういうやり取りもあったりして。大会だけど、そんなそピリピリしてないのが楽しかったです。普通に岐阜旅行としてめちゃくちゃ充実してました。それと、N H Kで後々ドキュメンタリーを放送するということで密着がついていて。カメラ向けられてみんなが緊張しつつ、 私が最後の調整で落語やっているところを見てもらったりとか。だから普通に予選としての面白さもあったし、見慣れないテレビカメラがずっとついてきてる面白さもあったから、今までにない楽しさがありました。去年までは、うちから 4,5人ぐらいしか予選に行かなかったから、みんなでホテルとってて、全体の打ち上げに行かずにうちだけでちょっとお酒買ってちょっと飲んですぐ寝るみたいな。誰も決勝に行かないから、次の日もなんかつまんなそうにしてるみたいな感じだったけど、今年は今までにない経験ができたのが楽しかったです。

 

5.今後の展望

私は今までに決勝、準決勝などに進んだことがあるんですが、そこで満足したくないなと思っています。今後もお笑いも落語も続けるつもりではあるんですけど、学生芸人、学生落語家って区切りとしては今年が最後です。なので、後輩がこういう先輩いたんだよって自慢できるような何かが欲しいなと思っていて、その 1番の目標が策伝大賞の優勝です。さすがに優勝したいし、策伝で優勝してたら、「公立落研落語はなぁ」と言われなくなると思うので。その人にしかできないことをしている人が、毎年優勝している印象があるので、私にしかできないことを探しつつ、次の 2月に向けて落語もお笑いも頑張っていこうと思っています。ありがとうございました。

 

文責 藤井和奏(Hijicho)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

Hijicho on Twitter

ページ上部へ戻る